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一日目
♯4
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リカは本名である事。年齢は十七で今年卒業である事。あのサイトの利用は初めてではない事。
アイス珈琲三杯を飲み切る間に、幾つかの話を交わした。
親が厳しい事。共学ではない事。出会いがない事。俺の事。
特に俺に対して彼女は興味を持った様子だった。
「食事だけは初めてだったんですけど・・・本当にしないんですか?」
「ああ。俺は女子高生と知り合いたかっただけだから」
「・・・え?」
「女子高生と知り合いたい。それだけだ」
その会話の後、彼女は声は何とか堪えていたが、テーブルに顔を伏せ、肩を震わせ暫く笑っていた。
そこから彼女は俺について聞きたがった。
「名前は?」
「島田幸助。偽名だ」
「偽名なんだ・・・。じゃあ年齢は」
「二十八。午年だ」
「・・・落ち着いて見えますね。・・・恋人は?」
「いない」
「ふーん・・・。女子高生、好きですか?」
「愛しいな。君に出会って気付いたよ」
「・・・そうですか」
時々うんうんと頷きながら、何が楽しいのか、彼女の微笑みは一向にとれない。
俺はと言えば、女子高生と時間を共にしていると言うだけで、普段感じていたどうしようもない退屈から解放されていた。
この退屈が欲しくて、学業と仕事を熱心にしていたのに、平凡以上の社会的ステータスと言う名の退屈は、想像以上に退屈だったのかもしれない。
時間の流れが早く感じる。
当初予定していた時間が数時間はあったと、今言われたら信じられない程に。
スマホの振動が伝える終わりの合図が、酷く寂しかった。
アイス珈琲三杯を飲み切る間に、幾つかの話を交わした。
親が厳しい事。共学ではない事。出会いがない事。俺の事。
特に俺に対して彼女は興味を持った様子だった。
「食事だけは初めてだったんですけど・・・本当にしないんですか?」
「ああ。俺は女子高生と知り合いたかっただけだから」
「・・・え?」
「女子高生と知り合いたい。それだけだ」
その会話の後、彼女は声は何とか堪えていたが、テーブルに顔を伏せ、肩を震わせ暫く笑っていた。
そこから彼女は俺について聞きたがった。
「名前は?」
「島田幸助。偽名だ」
「偽名なんだ・・・。じゃあ年齢は」
「二十八。午年だ」
「・・・落ち着いて見えますね。・・・恋人は?」
「いない」
「ふーん・・・。女子高生、好きですか?」
「愛しいな。君に出会って気付いたよ」
「・・・そうですか」
時々うんうんと頷きながら、何が楽しいのか、彼女の微笑みは一向にとれない。
俺はと言えば、女子高生と時間を共にしていると言うだけで、普段感じていたどうしようもない退屈から解放されていた。
この退屈が欲しくて、学業と仕事を熱心にしていたのに、平凡以上の社会的ステータスと言う名の退屈は、想像以上に退屈だったのかもしれない。
時間の流れが早く感じる。
当初予定していた時間が数時間はあったと、今言われたら信じられない程に。
スマホの振動が伝える終わりの合図が、酷く寂しかった。
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