女子高生達と俺

saikororo

文字の大きさ
上 下
13 / 25
二日目

♯2

しおりを挟む
「・・・したの?」

「え?」

「リカとしたの」

大きな瞳に捕らえられた気がした。

「してない」

当然そう答えた。

けれど猫は納得していない様だった。

酔った際に彼女が吐き出した自分の評価は、周りの評価でもあるらしかった。

「嘘」

「本当だ」

首を何度も横に振る猫。フードの隙間から明るい色の髪がふわりと舞って出た。

「リカとしない人なんていない」

「沢山いるよ。君が知らないだけで、しない人達が社会を回しているんだ」

「・・・嘘だ」

「もしならリカさんに聞くといい。俺に二言は無いし意味の無い嘘も吐かない事が分かる」

「・・・」

「・・・俺はそんな男なんだ。じゃあ寝るよ。おやすみ」

猫を置いてソファーに戻る。

喉が潤ったお陰で直ぐに眠れそうだった。

人の動く気配を感じた後、電気が消されたのを確認して、意識を手放す為に深く息を吐いた。

それが途中で止まった。

ソファーで延ばした膝を手動で曲げられたからだ。

「・・・何故?」

膝を曲げ空いたスペースに猫がいた。

小柄な彼女が収まるには充分な空間だけれど、それを納得するには説明が不十分で。

「部屋には戻らない?」

「リカが機嫌良かったの」

足の表面で感じる猫の体温。少し温度が増した気がする。

「男といてそんな事今までなかった」

質問の答えはやってこないが、猫は話続ける。

「どうでも良さげだった。いつも。でも今日は違う。なんで」

「・・・わからない」

「してないって言うし、なのに一緒にいるし」

「女子高生と知り合いたいだけだったからな」

「・・・は?」

初めて表情に変化があった。

驚きやら疑問やらが混ざった様な顔。

「女子高生と知り合いたい、そう思ってリカに連絡をとって、リカに流されるまま今に至ってる」

「・・・なにその理由」

「そう言われても困る。あのサイトが知り合える近道だから利用しただけで、性行為をするつもりはなかった。法に触れるしな」

「・・・女子高生と知り合いたいだけだし?」

「そうだ」

自信を持ってそう言った。

返答は少し時間が経ってからやってきた。
しおりを挟む

処理中です...