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M16・・・翠雨のカケラ
密時
しおりを挟む悲しみの湖潤んだままの夏の果ての向こう側
静寂の冷水へ素足を浸して底から拾い集める翠雨のカケラ
指で数えていったトキメキの黒鳶色の珠
彩りを待ち望んだ煌めきの碧紅葉の露
染み込ませた艶めきの秘色の残り香
透明の夜永の深さで零れ落ちた涙
空虚の風の淋しさで漏れた吐息
幻惑の瞳の翳りを探った唇
十六夜の月が湖面で涼やかに揺れている
蝉しぐれ降りやんでも茜草を震わせる鈴虫の音色
寒宵の森へ素肌を晒すと奥から滲み出てくる翠の旋律の痕
想うほど離れてゆく儚く舞い飛ぶ濃藍色の蝶
暗涙の爪痕を刻み残す遥か遠くの彩雲の糸
眠りを掻き乱す横顔へ落ちる睫毛の影
密時の眩さの痛みで抜けなくなる棘
秋麗の足音の恋しさで逃げる指先
末枯れの離愁を終わらせたい瞼
十六夜の月が鈴の音に裂かれるように怯えている
翠雨のカケラを拾い集めて流れた十六夜の朱い雫
傷痕が深いほど深くまで滴り落ちる十六夜の濃藍の雫
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