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変動的不等辺三角形はじまる メグミ編
その4
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個人的ガマン大会となった接待はとても楽しめなかった。
おそらく当時の僕は不穏な空気を出していたのだろう、左隣にはママが、右隣にはワンピースを着ていても筋骨隆々なオネエサンが着いて身動きがとれない状態でいた。
正直すべてを話してしまおうかと考えもしたが、課長のお気に入りが僕の弟だと知られたら、どうなってしまうだろう。「起くんの弟なんだ、だったら店外でも会えるよね」とか「私の言うこときかないとお兄さんがどうなるか分かっているよね」とかややこしいことになるかもしれない。黙るしかなかった。
課長とはしゃぐ恵二郎を見たくなくてステージの方を向いていると、ショーがはじまった。
鼻からピーナッツを飛ばすのがカワイイと思うくらい品のない芸が次々とおこなわれる。おそらく弟のことがなければ、身体を張った芸の数々をするオネエサン達を感心していただろう。
だけどもし弟が、恵二郎があんなことをするなんて想像したら、とても嫌な気分になった。
気を紛らわすようにウイスキーの水割りをがぶ飲みしてはグラスを空けないようにまた作られるので、またがぶ飲みする。
カラオケも歌う気にもなれず、オネエサンからの話も生返事で応えていた。
だいぶ悪酔いした頃、課長もかなり酔っていたらしく恵二郎の肩を抱いてキスしようとしていた。それをかわし続けているのに業を煮やしたのか、太ももを撫でていた手をスカートの中に入れようとしたのを目撃したとたん、頭の中の何かがキレた。
「帰るぞ、恵二郎」
立ち上がりテーブル越しに恵二郎の手を掴むと、ママを蹴飛ばすようにボックス席から出口に向かった。
しかし、反対の腕をママに掴まれる。
「ちょっと、ウチのコをどうするつもりなのよ」
「うるさい、これはふたりの問題なんだ、関係無いのはすっこんでろ」
──普段はそんな言葉を使わないのに、あの時はかなり悪酔いしてたらしい、それにまだ社会人というより学生だったからな、それでも失敗したと思う。
ママだけでなく筋骨隆々オネエサンと他のオネエサン達もやってきて囲まれてしまった。
「おう、ニイチャン。おとなしくメグミちゃんを離しな」
「なにがメグミちゃんだ、こいつは恵二郎だ、弟だ、こんなところで働かせれるか」
「あ、てめぇ今なんつった、こんなところで悪かったなぁ」
オネエサンが強面オニイサンになってしまった。その時はじめてしまったと思ったが、もう遅かった。
「起くん、いったいどうしたんだね、とりあえずメグミちゃんを離しなさい」
事情がわからないけど割って入った課長が、恵二郎の腕を掴んだのを見たとき、思わず突き飛ばしてしまった。
おそらく当時の僕は不穏な空気を出していたのだろう、左隣にはママが、右隣にはワンピースを着ていても筋骨隆々なオネエサンが着いて身動きがとれない状態でいた。
正直すべてを話してしまおうかと考えもしたが、課長のお気に入りが僕の弟だと知られたら、どうなってしまうだろう。「起くんの弟なんだ、だったら店外でも会えるよね」とか「私の言うこときかないとお兄さんがどうなるか分かっているよね」とかややこしいことになるかもしれない。黙るしかなかった。
課長とはしゃぐ恵二郎を見たくなくてステージの方を向いていると、ショーがはじまった。
鼻からピーナッツを飛ばすのがカワイイと思うくらい品のない芸が次々とおこなわれる。おそらく弟のことがなければ、身体を張った芸の数々をするオネエサン達を感心していただろう。
だけどもし弟が、恵二郎があんなことをするなんて想像したら、とても嫌な気分になった。
気を紛らわすようにウイスキーの水割りをがぶ飲みしてはグラスを空けないようにまた作られるので、またがぶ飲みする。
カラオケも歌う気にもなれず、オネエサンからの話も生返事で応えていた。
だいぶ悪酔いした頃、課長もかなり酔っていたらしく恵二郎の肩を抱いてキスしようとしていた。それをかわし続けているのに業を煮やしたのか、太ももを撫でていた手をスカートの中に入れようとしたのを目撃したとたん、頭の中の何かがキレた。
「帰るぞ、恵二郎」
立ち上がりテーブル越しに恵二郎の手を掴むと、ママを蹴飛ばすようにボックス席から出口に向かった。
しかし、反対の腕をママに掴まれる。
「ちょっと、ウチのコをどうするつもりなのよ」
「うるさい、これはふたりの問題なんだ、関係無いのはすっこんでろ」
──普段はそんな言葉を使わないのに、あの時はかなり悪酔いしてたらしい、それにまだ社会人というより学生だったからな、それでも失敗したと思う。
ママだけでなく筋骨隆々オネエサンと他のオネエサン達もやってきて囲まれてしまった。
「おう、ニイチャン。おとなしくメグミちゃんを離しな」
「なにがメグミちゃんだ、こいつは恵二郎だ、弟だ、こんなところで働かせれるか」
「あ、てめぇ今なんつった、こんなところで悪かったなぁ」
オネエサンが強面オニイサンになってしまった。その時はじめてしまったと思ったが、もう遅かった。
「起くん、いったいどうしたんだね、とりあえずメグミちゃんを離しなさい」
事情がわからないけど割って入った課長が、恵二郎の腕を掴んだのを見たとき、思わず突き飛ばしてしまった。
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