タイムパラドックス

kinmokusei

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太陽神サンの元へ

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「という訳だ」


宇宙閻魔の説明にみんなは黙り込む。


サターンと美鈴は2人で1人。


太陽神サンは善の存在を作るため邪悪なサターンから善の心を引きはがし、美鈴という存在を作り出した。


そして、2人が出会った時、サターンは善の存在美鈴にのみこまれる。


そういう説明だった。


沈黙を破ったのはプルートだった。


「太陽神サンは、サターンを倒すためだけにそんなことをしたのでしょうか?」


すると宇宙閻魔は言った。


「いや、サターンは元々邪悪な存在だ。美鈴と融合すれば、また新たなサターンが生まれる。」


「そんな、、、」


スプリングは悲しみに思わず涙ぐむ。


「でも今のサターンよりは邪悪ではないだろう。誰もが悪の心を持つように、サターンにも善の心はあるはずだから。今のサターンは太陽神サンに善の心を抜かれている。言わば、サターンも美鈴も不安定な存在なんだ。太陽神サンの元へ行くか?」


宇宙閻魔の問いにみんなは力強くうなづいた。




「それと。大事なことだが、太陽神サンは、サターンを倒すために美鈴と言う存在を作り出した訳ではないよ。」


「えっ?」


ムーンが驚いた。


「なんだよ?それ?じゃ美鈴は何の為に、、、?」


秋時も驚いたようだ。


「言っただろ?善の存在を作り出したかっただけだ。だから、太陽神サンはサターンと美鈴を合わせるつもりはないだろう。」


宇宙閻魔がそう言うと。


「なんだよそれ?じゃ、今こんなことになっているのは全部太陽神サンのせいじゃないか!」


ムーンが怒って怒鳴った。


「そう言うことになるな。」


「わたくしたちはどうすれば?」


プルートが言った。


「なるようにしかならないんじゃないか?」


素っ気なく宇宙閻魔は言った。


「お前!!仮にも宇宙閻魔だろ?大変なことになっているのにその態度はなんだよ!」


と秋時は宇宙閻魔に向かって怒鳴った。


「俺は閻魔だ。生きている世界には干渉出来ないし、しない。教えてやっただけありがたいと思え。」


宇宙閻魔は冷たく言った。




「お前なんかあてにしてねーよ。それより奈津はどこだよ!何もしてねーだろうな!?」


秋時はケンカ腰に言った。


「アースならもう閻魔界の外だろう。鬼たちが手を焼いたようだ。さあ用は済んだだろ?サッサと行け!」


宇宙閻魔はプルートに視線を移し、また逸らした。


するとプルートは言った。


「オータム、ムーンとアースを連れて太陽神サンのところへ行って下さい。他の皆さんは自分の星に戻り、サターンに備えてください。」


「えっ?プルート様は?」


ウラヌスが言った。


「わたくしはここに残ります。」


「えっ」


宇宙閻魔は驚いたようだ。


「宇宙閻魔様?お話しがございます。」


「へ、へー。何?」


「皆さん早く行ってください!」



「プルート様がそう言うのなら、、、」


ウラヌスは渋々うなづいた。



「さあ行くか!ムーン足手まといになるなよな!」


秋時は一言余計である。


「そっちこそ!!」


ムーンは怒ったが、秋時はみんなに言った。


「別行動になるが、気は抜くなよな!」


みんなは力強くうなづいた。





「だーかーらー!もうお説教は分かったって言ってるでしょ?!」


あたしは付き添いの鬼に言った。


「これはお説教ではなくて、、、」


鬼が言いかけた時、秋時とムーンがやって来た。


「あれ?秋時とムーンもお説教されに来たの?」


「何バカ言ってるんだ?太陽神サンの元へ急ぐぞ!」


秋時はあきれて言った。


「へ?だってみんなは?あたしはこの鬼に捕まってお説教を聞かされてて、、、?」


「アース様、もう閻魔界の外だよ。しっかりしてよ!」


ムーンにまで言われてしまった。


「お連れの方々ですか、、、助かっ、、いえ、宇宙閻魔様の言いつけなのでお引き渡しします。では。」


鬼はそう言って消えた。



「奈津!!ボーっとしてないで行くぞ!」


「え?あ、うん。でもみんなは?」


「プルートと俺ら以外は自分の星に戻った。」


「プルートは?いないようだけど?」


あたしは辺りを見回す。


「プルートは宇宙閻魔に話しがあるらしい。」


「えっ?!」


あたしは驚いたのだった。





「何を驚いてるの?」


ムーンは不思議顔である。


「い、いや?それより太陽神サンのところって、美鈴さんのこと、宇宙閻魔から聞いたの?」


あたしは話をすり替える。


「何もかも太陽神サンのせいだったんだ。許せねー!サッサと行くぞ!」


秋時はそういうと、宙に浮いた。


「待って!」


「なんだよ!」


「あたし飛べない、、、」


「はぁ?」


そこへムーンが言った。


「魔法陣で行きたいところだけど、絶対結界はってると思うから、アース様は僕につかまって!飛んで行くしかないんだ。」


「ご、ごめん。じゃ、お願い。」


すると秋時が怒鳴った。


「めんどくせーよ!2人とも俺につかまれ!どの道ムーンの魔力も弱いんだ。一刻も早く太陽神サンのところに行きたいからな!」


「なっ、、、」


秋時はあたしをお姫様抱っこして、ムーンをおぶって、すごい速さで閻魔界から飛びだったのだった。



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