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28話 エ○ーマンが倒せない
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ユウは、ハンナから差し出された小袋を、無駄にペコペコしながら受け取ろうとすると、小袋は、スッと離れる。
「あたしが名乗ったんだ。あんたも名前を教えるべきだろう?」
小悪魔という単語の似合う微笑みで、小袋を揺らすハンナ。
「あっ、えっと、フクバ・ユウって言います。」
「へぇ~。」
小袋を手渡しつつ、意味深な視線で、ユウを上から下まで、さらっと目利きするハンナ。
「とりあえず、いつまでも立ち話するのも何だし、適当な所に座りなさいな!あぁ、荷物はこっちで預かるよ!」
そう言われ、荷物は渡すも、「あっ、いえ、俺はこれで・・・。」と、帰ろうとするユウ。
「何言ってんのさ!あの子からもちゃんと、礼を言わないといけないんだし、恩人にはちゃんと礼を尽くさなくちゃ、罰が当たるからねぇ!」
そして、ハンナの視線で動かされたウェイトレス達に包囲され、流されるように席に着くユウ。
(こ、これって、・・・まさかッ!?)
ここで敢えて確認するが、福場 優は高校1年生である。
付け加えるなら、インドア派でレトロゲーム好きな、高校1年生である。
故に、こういった店に入った事はなく、インターネットで知った偏りのある知識しかない。
(最初は優しくしといて、後からムキムキでスキンヘッドの男が来て、水と食べ物、後、チャージ料にタックスと、接客料等、諸々合わせて、××万円になります。・・・ってなるパターンではッ!?)
そんなネガティブな発想が、ユウの脳裏を過り、ブルブルと震えながら、ゴクリと唾を飲み込む。
「さぁて、それで、何か食べる?メニューはこれなんだけどさぁ、もし、どうしても食べたい物があるなら言っとくれ!」
荷物を置いて戻ってきたハンナが、にこやかに微笑む姿を見て、ユウは、更に挙動が不審気味になる。
「あっ、いえっ、そのっ、ほ、本当に、御構い、な・・・」
しかし、すいすいと泳いでいた視線は、ある1点に向けてピタリと止まった。
「ん?どうしたんだい??・・・あぁ~!」
ユウが視線を止めた先には、1台のピアノがあった。
より正確には、電子オルガンの様な楽器があったのだ。
「ここはね、ウェイトレスにチップを渡せば、そのウェイトレスが、歌や演奏をしてくれるんだ。面白いだろう??」
「へぇ~!」
ユウには、最早、電子オルガンらしき楽器しか目に入っていなかった。
「もしかして、あんたはピアノが弾けるのかい?」
「え、えぇ、まぁ、多少・・・ですが。」
ユウは、自信無さげにそう言う。
「なんなら、弾いてみるかい??魔動オルガンなんて珍しいからねぇ!」
「えっ!?良いんですかッ!?」
瞳を輝かせるユウを見て、ハンナは、とても嬉しそうに「あぁ!」と言い、立ち上がって魔動オルガンの側まで案内し、魔源を入れ、演奏可能な状態へとしてくれる。
「ここらのボタンを押すと、対応した音色に変わるのさ。それで、この足元のペダルで音の強弱が・・・」
ハンナは、親切に、使い方を説明までしてくれた。
ユウは、無言で説明を聞き、そして、ソの音を鳴らしながら、音色を順に変えていく。
「ッ!!」
そして、恋い焦がれ、求め続けた音色を探し当てる。
テ~レレレ~テレ~♪
セーブが完了した。
探し当てた音色で、そんなメロディーを奏でる。
「なかなか上手いじゃないかい!なんだったら、ユウが歌ってもみるかい?」
ハンナは、軽い口調で、冗談半分にそう言ってみた。
「・・・なら!!」
しかしユウは、もう既に、自分の世界へと、のめり込んでいた。
「気が付いたら~♪同じ面ばかりプレイ~♪」
そして、エ○ーマンが倒せないを、フ○ミコンのピコピコ音風アレンジVerで、お届けする。
「あたしが名乗ったんだ。あんたも名前を教えるべきだろう?」
小悪魔という単語の似合う微笑みで、小袋を揺らすハンナ。
「あっ、えっと、フクバ・ユウって言います。」
「へぇ~。」
小袋を手渡しつつ、意味深な視線で、ユウを上から下まで、さらっと目利きするハンナ。
「とりあえず、いつまでも立ち話するのも何だし、適当な所に座りなさいな!あぁ、荷物はこっちで預かるよ!」
そう言われ、荷物は渡すも、「あっ、いえ、俺はこれで・・・。」と、帰ろうとするユウ。
「何言ってんのさ!あの子からもちゃんと、礼を言わないといけないんだし、恩人にはちゃんと礼を尽くさなくちゃ、罰が当たるからねぇ!」
そして、ハンナの視線で動かされたウェイトレス達に包囲され、流されるように席に着くユウ。
(こ、これって、・・・まさかッ!?)
ここで敢えて確認するが、福場 優は高校1年生である。
付け加えるなら、インドア派でレトロゲーム好きな、高校1年生である。
故に、こういった店に入った事はなく、インターネットで知った偏りのある知識しかない。
(最初は優しくしといて、後からムキムキでスキンヘッドの男が来て、水と食べ物、後、チャージ料にタックスと、接客料等、諸々合わせて、××万円になります。・・・ってなるパターンではッ!?)
そんなネガティブな発想が、ユウの脳裏を過り、ブルブルと震えながら、ゴクリと唾を飲み込む。
「さぁて、それで、何か食べる?メニューはこれなんだけどさぁ、もし、どうしても食べたい物があるなら言っとくれ!」
荷物を置いて戻ってきたハンナが、にこやかに微笑む姿を見て、ユウは、更に挙動が不審気味になる。
「あっ、いえっ、そのっ、ほ、本当に、御構い、な・・・」
しかし、すいすいと泳いでいた視線は、ある1点に向けてピタリと止まった。
「ん?どうしたんだい??・・・あぁ~!」
ユウが視線を止めた先には、1台のピアノがあった。
より正確には、電子オルガンの様な楽器があったのだ。
「ここはね、ウェイトレスにチップを渡せば、そのウェイトレスが、歌や演奏をしてくれるんだ。面白いだろう??」
「へぇ~!」
ユウには、最早、電子オルガンらしき楽器しか目に入っていなかった。
「もしかして、あんたはピアノが弾けるのかい?」
「え、えぇ、まぁ、多少・・・ですが。」
ユウは、自信無さげにそう言う。
「なんなら、弾いてみるかい??魔動オルガンなんて珍しいからねぇ!」
「えっ!?良いんですかッ!?」
瞳を輝かせるユウを見て、ハンナは、とても嬉しそうに「あぁ!」と言い、立ち上がって魔動オルガンの側まで案内し、魔源を入れ、演奏可能な状態へとしてくれる。
「ここらのボタンを押すと、対応した音色に変わるのさ。それで、この足元のペダルで音の強弱が・・・」
ハンナは、親切に、使い方を説明までしてくれた。
ユウは、無言で説明を聞き、そして、ソの音を鳴らしながら、音色を順に変えていく。
「ッ!!」
そして、恋い焦がれ、求め続けた音色を探し当てる。
テ~レレレ~テレ~♪
セーブが完了した。
探し当てた音色で、そんなメロディーを奏でる。
「なかなか上手いじゃないかい!なんだったら、ユウが歌ってもみるかい?」
ハンナは、軽い口調で、冗談半分にそう言ってみた。
「・・・なら!!」
しかしユウは、もう既に、自分の世界へと、のめり込んでいた。
「気が付いたら~♪同じ面ばかりプレイ~♪」
そして、エ○ーマンが倒せないを、フ○ミコンのピコピコ音風アレンジVerで、お届けする。
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