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3のダンジョンは攻略済み

35話 盛大にフラグを立ててしまった・・・気がする。

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 (龍神剣を向けても、余裕の表情・・・。恐らく、ライザックは殺せても、取り憑いている奴までは殺せない。となると、頼みの綱は、懐にしまったこいつか。)

 「術式解放ッ!!モード、ブレイバーッ!!」



 ・・・。



 「・・・え??」

 やる気満々で言い放った分だけ、ユウは、頬を赤く染めた。

 「はっ!?壊れてっしッ!?」

 龍神剣にはめ込まれていた赤い宝玉は、無惨にも、バキバキにビビ割れていた。

 「しゃーねぇッ!!モードッ!!ブレイバーッ!!」



 ・・・。



 「モードッ!!ブレイバーッ!!」



 (・・・返事がない、ただの屍のようだ。的な?)



 「・・・ま、マジかよ。」

 「ふふふふっ♪どうしたの?慌てちゃってぇ~!ハハハッ!」

 恐らく、ライザックを乗っ取っている奴は、女なのだろう。

 喋り方や口元へ手を当て、笑う仕草なんかが女性っぽい。

 だが、見た目はライザックな為、なんというか、凄くーーー

 「・・・そう、気持ち悪い!」

 「・・・あぁッ?」

 ユウが思わず本音を漏らすと、ライザックの全身から、黄金の輝きを放たれる。

 (暖かそうな光なのに、サブイボが立つ位、冷てぇッ!!)

 「決めたぁ~!アハハハハ~!あんたはぁ~、・・・ブッ殺すッ!!」

 勢い良く飛び出すライザックに対して、ユウは、モードも、魔力も、扱えない状態で、自身に何が出来るのか、何が最善かをフルスピードで考え、行動に移す。

 右手で左側の腰辺りにあるポーチへと手を伸ばし、ダンジョンでゲットした安物のナイフを掴み、ライザックの体へと目掛け、投げつける。

 「いッ!!てぇぇぇッ!!?」

 しかし、ライザックは、不気味な笑みを浮かべたまま、投げつけられたナイフを諸ともせず、一直線に飛び込んで、手にしていた剣を、ユウの右側の胸部へと突き刺した。

 「ふふっ♪良いねぇ~!その苦しそうな表情ッ!!ふふふふふっ♪」

 自身の腹部に刺さったナイフを抜こうともせず、コロコロとした笑い声を上げるその姿は、異常そのものであった。

 「な~んちゃって!!」

 だが、ユウは、激痛に表情を歪ませながらも、右側の頬をニッと吊り上げる。

 「ブッ殺すんじゃなかったのかッ!・・・よッ!!」

 と叫びながら、ナイフを投げつける際に、こそっと左手に握っていた、金属の棒を、ライザックの右側の脇腹へと突き立てた。

 「あぁッ!!?ヒッ!?ヒギィィィィイッ!!!」

 (よっしゃッ!!正解かッ!?)

 ユウの打ち立てた推論は、金属の棒が龍神剣の赤い宝玉へとぶつかったことで、あの黄金が飛び出した。

 ならば、その黄金は、元々赤い宝玉に入っていた何かであり、ライザックへと憑依したのであれば、金属の棒をもう一度ぶつければ、何らかの反応が有るのではないだろうか?というものであった。

 そして、その何かとは、あの眩しすぎて輪郭しか見えなかった、自称女神に由来する何かだろうと、推論を立てていた。

 更に、思った。

 (盛大にフラグを立ててしまった・・・気がする。)
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