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獲物は反撃を開始する

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 蕩ける笑顔で紡がれたのはS発言だ。なのに笑顔に騙されキュンとしてしまう。

「あ、また溢れて来た」

 そう言うと、アルは溢れ出た愛液をぬるぬる塗り付けるように指を動かす。

「ん、あ……ぁ」

 鎖骨を舐め、胸を吸い、腹部に口付ける。また時折感じるチクッとした痛みさえ快感に変換されてしまう。

「ひ、はぅ……あっ、ぅんっ」

 彼の唇は優しく、だが厭らしく肌を這う。その度に早苗の口から抑えきれない甘い声が漏れた。

「……ねぇ、ここにもキスしたい。して良い?」

 蜜を湛えた花弁をくちくちと撫でながら聞いて来る。聞かせるように態と音を立てているのではないだろうか。

「い、いつも、聞かな、くせにっ……んっ」
「良いって事だね?」

 アルは嬉しそうに笑った。脚の間に顔を埋めてキスをする。

「ふ、ぅあっ、ぁあ……」

 花弁の隙間を丹念に舐め綺麗にすると、彼は尖らせた舌を蜜壷に射し込んだ。

「ひあっ! はっあぁ、んぅ」

 男女差だろうか?アルの舌は早苗の物より大分長いと思う。その長い舌がイイ場所をぐりぐり擦りながら出入りしている。
 同時に蜜壷より上にある小さな突起に親指を滑らせ、リズミカルに刺激した。

「あっ、あるっ、はぁっ! あ、あっ」
「……声、かわいい……」

 彼はうっとりと呟きながら愛撫を続けた。一定のリズムで花芯を擦っていると、早苗の身体が徐々に強張り始める。

「やっあんっ、も、だめ、あっあっ、イッ……!!」

 高まりに合わせて指と舌の速度を上げてやると、彼女は身体をしならせてビクビクと震えた。

「はぁぁっ、あっ……ぁぁ……」

 早苗が達すると、アルは秘部への刺激を優しいものへと変える。
 ぐちゅ……深く射し込まれていた舌を引き抜くと、それだけで淫らな音が鳴った。
 脚の間から顔を離した彼を見ると、濡れた唇をペロリと舐めている。そして早苗と目が合うと微笑み、親指に付いた蜜も舐め取って見せた。

「やっ、そそそう言う事しないでっ!」
「……だって、君が可愛いから……」

 顔を真っ赤にして怒る彼女を見たアルは、ほんのりと頬を染め困ったように眉を下げて笑っている。
 早苗は怒っているのに、彼は喜んでいるように見えるのは何故なのか。全く腑に落ちない。

「……続きしても良い? ほら、中も解さないと」

 聞きながら、許可を得る前にゆっくりと指を中に侵入させて行く。少しくちゅくちゅ動かすだけで蜜がトロトロ流れ出て来た。

「あぅん、まだ良いって、言ってな、あんっ」
「ここは喜んで迎えてくれてるよ? あぁ……中、ぬるぬるできゅうきゅう締め付けて来る……指が気持ち良い……」

 何度か内側を往復すると、すぐに指をニ本に増やされる。

「んンッ、あっ!」
「ごめんね、俺が限界だから急がせて?」

 折り曲げた指の腹で花芯の下をぐいぐい擦るように押す。前後に出し入れする動きも加えると、早苗の口からはひっきり無しに嬌声が上がった。

「あ、あるっあるっ、ふあ! あんっ、ンッ」
「……ハァ……気持ちい?」

 アルは熱い息を吐きながら聞く。彼女の恥態を目を細めて見詰め、時折ぐるっと拡げるように掻き回す。

「いいっ、きもち、いっ! あぅっ、また、イキそっ、あっ」
「うん、見せて? サナエのイクとこ……」

 内部がヒクヒク痙攣を始めた。指の動きを激しくすると、ぐちゃぐちゃと粘ついた水音が一層大きくなる。

「やぁっ、イクっイクの! もうっあっ、あっ、あああ……っ!!」
「……かっわい……」

 中の指が数回締め付けられたのを確認すると、ちゅぷっと引き抜く。
 早苗はぎゅっと目を瞑りビクビク膝を躍らせている。絶頂の波がなかなか引かないのだ。

「サナエ、ごめん……俺を受け入れて……」

 泣きそうに震えた声が間近に聞こえ目を開けると、アルの瞳が数cm先に迫っていた。

「んンッ!!?」

 衝撃に目を見開かせる。噛み付くような口付けと同時に蜜壷にも熱い杭が打ち込まれたのだ。
 一息に入って来た彼はすぐには動かず止まっている。その身体は微かに震えていた。
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