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獲物は反撃を開始する
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アルは眩しそうに目を細める。そして泣きそうに顔を歪めた。
「……俺は、汚い……君に好かれるような人間じゃない……この手にあの女の……首の骨の軋む感触がずっと、残ってるんだ……それからも山ほど汚い事をやって来た。……君に、対しても……」
「……アル、アル?」
早苗は優しく呼び掛けた。震える彼の頬を両手で包み、引き寄せる。
「アル、どんな貴方も大好き」
頬に、額に、唇に、彼女は顔中に口付けを落として行く。
「アルが一番辛い時、側に居られなかったのが悔しいよ。貴方を助けたかった……」
アルの瞳が頼りなげに揺れた。きっと早苗なら、本当にそうしただろうと彼は思う。
相手が王や王妃だとしても、自分が罰せられるかもしれないとしても厭わず助けてくれる。
こんな人が居たら……願いながらも現れず、自らの手を汚す事を選ばざるを得なかった少年時代。
「……サナエ……俺は探してた……ずっと君のような人が、欲しかった……会いたかった……っ」
アルは早苗の頬を宝物に触れるように撫で、唇を寄せた。先ほど早苗がしたように、キスの雨を降らせる。最後に到達した小さな唇には、自らの唇を長く長く押し当てた。
ゆっくりと唇が離れた。アルが熱い視線を向けている。
彼の言わんとしている事は早苗にも伝わっているが、戸惑う。彼の身体が心配だからだ。負担になるのでは無いかと。
「……あの、身体は大丈夫?」
「全然平気。……と言うか、もう何日も前からずっっと我慢してて……でもお風呂が……」
早苗の顔が朱に染まる。まさか風呂に入りたがったのはその為なのか。
「そ、そんなに、したいの?」
「したいよ……だって同じベッドで寝てんのに何も出来ないとか、どんな拷問なの……」
アルも釣られたように目元が赤くなった。良く見ると耳も真っ赤だ。何と言う事だ。あのアルが照れているではないか。
美少年風の容姿で照れられると破壊力が半端無い。胸がきゅんきゅんする、堪らなく可愛い。早苗は脳内で悶えた。
「……ねぇ、君を抱きたい」
駄目だなんて言えるだろうか。でも確認したい事がある。
「じゃあ、無理しないって約束して? それから……いっぱいキスして、ぎゅーってしてくれる?」
彼とは、ただの性行為をしたい訳では無いのだ。
「うん、約束する……キスとかは、あの……俺も、したいから……」
彼からこんな言葉が出て来るとは。2人はどちらからとも無く抱き合い唇を重ねる。
「……ん……」
互いの唇を押し付け合い、擦り合わせ、優しく口付けを交わした。特別濃厚な口付けでも無いのに、うっとりするほど心地良い。
「ん、はぁ……アル、大好き……」
「……うん、ありがとう……」
アルは微笑みを返す。彼からも同じ言葉が欲しかったが、こうも嬉しそうに優しく微笑まれては文句も出て来ない。早苗の胸がドキドキと早鐘を打つ。
「……アル、もっと」
「ん……」
今度はすぐに柔らかく湿ったものが滑り込んで来た。
「んっんっ……」
上顎をくすぐられる。ぞくぞくする快感に思わず声が漏れてしまう。更に舌の表面や裏側をぬるぬると擦られた。
そのまま舌を絡め取られ、アルの口内へ招き入れられる。彼がしてくれたのと同じように舌を動かすと、太股に当たっている硬い物がビクッと跳ねた。
代わる代わる互いの口内を貪り合う。最後に彼にちゅうっと舌を吸われて離れた時にはニ人共息が上がっていた。まだキスしかしていないとは思えないほどだ。
「はぁ、はぁ……」
アルは荒い息を吐きながら早苗の細い首を舐め上げる。片手は早苗の可愛らしい膨らみを嬲りながら、片手はスルリと下腹部に伸びた。
「……濡れてる」
「う、わざわざ言わなくても……」
恥ずかしい。黙っていてくれれば良いのにと思う。
「……ふふ、そうやって恥ずかしがる君が見たいから」
「……俺は、汚い……君に好かれるような人間じゃない……この手にあの女の……首の骨の軋む感触がずっと、残ってるんだ……それからも山ほど汚い事をやって来た。……君に、対しても……」
「……アル、アル?」
早苗は優しく呼び掛けた。震える彼の頬を両手で包み、引き寄せる。
「アル、どんな貴方も大好き」
頬に、額に、唇に、彼女は顔中に口付けを落として行く。
「アルが一番辛い時、側に居られなかったのが悔しいよ。貴方を助けたかった……」
アルの瞳が頼りなげに揺れた。きっと早苗なら、本当にそうしただろうと彼は思う。
相手が王や王妃だとしても、自分が罰せられるかもしれないとしても厭わず助けてくれる。
こんな人が居たら……願いながらも現れず、自らの手を汚す事を選ばざるを得なかった少年時代。
「……サナエ……俺は探してた……ずっと君のような人が、欲しかった……会いたかった……っ」
アルは早苗の頬を宝物に触れるように撫で、唇を寄せた。先ほど早苗がしたように、キスの雨を降らせる。最後に到達した小さな唇には、自らの唇を長く長く押し当てた。
ゆっくりと唇が離れた。アルが熱い視線を向けている。
彼の言わんとしている事は早苗にも伝わっているが、戸惑う。彼の身体が心配だからだ。負担になるのでは無いかと。
「……あの、身体は大丈夫?」
「全然平気。……と言うか、もう何日も前からずっっと我慢してて……でもお風呂が……」
早苗の顔が朱に染まる。まさか風呂に入りたがったのはその為なのか。
「そ、そんなに、したいの?」
「したいよ……だって同じベッドで寝てんのに何も出来ないとか、どんな拷問なの……」
アルも釣られたように目元が赤くなった。良く見ると耳も真っ赤だ。何と言う事だ。あのアルが照れているではないか。
美少年風の容姿で照れられると破壊力が半端無い。胸がきゅんきゅんする、堪らなく可愛い。早苗は脳内で悶えた。
「……ねぇ、君を抱きたい」
駄目だなんて言えるだろうか。でも確認したい事がある。
「じゃあ、無理しないって約束して? それから……いっぱいキスして、ぎゅーってしてくれる?」
彼とは、ただの性行為をしたい訳では無いのだ。
「うん、約束する……キスとかは、あの……俺も、したいから……」
彼からこんな言葉が出て来るとは。2人はどちらからとも無く抱き合い唇を重ねる。
「……ん……」
互いの唇を押し付け合い、擦り合わせ、優しく口付けを交わした。特別濃厚な口付けでも無いのに、うっとりするほど心地良い。
「ん、はぁ……アル、大好き……」
「……うん、ありがとう……」
アルは微笑みを返す。彼からも同じ言葉が欲しかったが、こうも嬉しそうに優しく微笑まれては文句も出て来ない。早苗の胸がドキドキと早鐘を打つ。
「……アル、もっと」
「ん……」
今度はすぐに柔らかく湿ったものが滑り込んで来た。
「んっんっ……」
上顎をくすぐられる。ぞくぞくする快感に思わず声が漏れてしまう。更に舌の表面や裏側をぬるぬると擦られた。
そのまま舌を絡め取られ、アルの口内へ招き入れられる。彼がしてくれたのと同じように舌を動かすと、太股に当たっている硬い物がビクッと跳ねた。
代わる代わる互いの口内を貪り合う。最後に彼にちゅうっと舌を吸われて離れた時にはニ人共息が上がっていた。まだキスしかしていないとは思えないほどだ。
「はぁ、はぁ……」
アルは荒い息を吐きながら早苗の細い首を舐め上げる。片手は早苗の可愛らしい膨らみを嬲りながら、片手はスルリと下腹部に伸びた。
「……濡れてる」
「う、わざわざ言わなくても……」
恥ずかしい。黙っていてくれれば良いのにと思う。
「……ふふ、そうやって恥ずかしがる君が見たいから」
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