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天使と悪魔のせいにして、自分を正当化しないでください!
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リクの思惑どおりに将来を誓い合わされた後。
「……なあ、この後ホントに和風喫茶、行く?」
「えー、だってせっかく来たのに。名物の白玉抹茶のお汁粉、食べたい」
「それは、俺もとっても心引かれる文字列なんだけど……たぶん、高村と遠藤、いるぞ?」
え?
突然何を言い出すんだか。
「あのさ、あの2人が、何の思惑もなく、情報提供するわけないだろうが。まあ、この公園自体は、来てよかったと思うけど。時間見計らって、絶対待ち伏せしている気がする」
「だから?」
本音はやっぱり、せっかく2人でいるところを邪魔されたくないし、あと見せ物になるのも嫌だったけど。
さっきリクにいいようにもてあそばれた(精神的な意味でね!)仕返しの気分で、あえて何でもないことのように返事した。
あと、先輩達の目があれば、リクがこれ以上エッチなこと言わないかな、って期待もあったり。
だって、正直、今日はもうキャパいっぱい。
リクなりに気を付けているのは分かるんだけど、やっぱり恥ずかしいのよ。
触りたいだの見たいだの、公衆の面前で言われるの、誰かに聞かれたらと思うと気が気じゃない。
たぶん、リクはそう言って恥ずかしがる私の反応を見て楽しんでいるんだろうし、それで恥ずかしがる私に向かって、「もう、サホは可愛いなぁ」とか、耳元でささやくし。
……ホントは、こっちの方がもっと恥ずかしい。
心臓がバクバクする。
そう言って、恥ずかしがらせておいて、急に真剣な目で見つめたりするから、余計に始末が悪いのよ。
すごく真剣だから、さっきもつい「どうしたの?」っ訊いたら。
「ううん、別に。もう、サホが好きすぎてどうしよかな、って」
なんて、真顔で言うんだもん。
何なの? 初めの頃の、意地悪な先生はどこ行っちゃったの?
……嬉しいけど。
「好きすぎて、キスで我慢できなくなっても許してくれる?」
……せっかくいい感じなのに、どうしてそういうこと言っちゃうかな? はぁ。
「で、やっぱり行く?」
「うん。休憩もしたいし。もう、疲労困憊だよ」
精神的に、ね。
「そんなに疲れたなら、喫茶店じゃなくて、よこになって体を休めるところの方がいいのに」
「どうせ、イヤらしいとこでしょ? あんまりそういうこと言うと、本気で怒るよ?」
「どうせ、叶わないんだから、夢見るくらいいいじゃないか」
「夢じゃなくて、妄想でしょ?」
「エロい妄想は、男の夢なんだよ。お前らが壁ドン床ドン顎クイとかのシチュエーションにキャーキャー言うのと一緒」
「そうだね。私も最初はそのくらいがよかったな。リク、いきなりすぎて、ドキドキ通り越して、怖かったもん」
「……ゴメン」
あんまり素直に謝るから、ビックリして、私は立ち止まってしまった。
「俺、ホントはちゃんと恋愛するの、初めてだから。なんか、そういう、女の子がときめくような駆け引き、よく分かんないんだよね」
「イヤ、別に駆け引きってわけじゃないと思うけど……ホントに初めてなの?」
前も、チラッと言っていたけど。
自分から迫るのは初めてだ、って。
でも、恋愛自体、初めてなの?
……って言うか、それって。
「リク……もしかして、初恋?」
「いつも惚れられるだけだって、前も言ったろ?」
「……えっと……好きになった女の子、とかも、いなかったの?」
「うん。俺、ずっと高校まで男子校だったから。学校は楽しかったけど。俺、小さい頃は、もっと見た目もガキっぽかったから、高校までは大してモテなかったんだよ。って言うか、恋愛対象外、みたいな?」
「うそ、信じられない」
「ホントだよ。で、大学にいって、いきなり男女共学になったら、これがモテることモテること。全然女に免疫ないのに、やたら迫ってこられて。もう恐怖しかないわけだ。……なのに、ゴメンな。俺も、おんなじこと、サホにしてたんだよな」
「……なんで、初めて会った時、いきなりキス、したの?」
「何でかなぁ? 突然空から降ってきて、俺を押し倒しておいて、パニック起こしていた顔が、可愛かったから、かな?」
「クリーニング代がわり、じゃなくて?」
ホントは、一目惚れだった、とか?
「まあ、それもある」
……いや、そこは否定してよ。
「高校生に間違えたられたこととか、色々腹が立って、困らせてやったら面白いかな、って。そうしたら、どんな顔するか見たいな、とか。……俺も、一目惚れだったんだろうな」
……まずい。嬉しすぎて、顔がにやける。
「でも、失敗した。好きな子にちょっかい出して許されるのは、せいぜい小学生までだよな。スカートめくりとか」
「……それは、小学生でもしちゃいけないよ」
なんでリクの「好きな子にちょっかい」は、エッチな方向に行くんだろ?
絶対、大学のお姉さん達に間違ったアプローチされていたせいに違いない。
たぶん、ちゃんとリクと恋愛しようとしていた女の子だっていたはず。だけど、きっと、リクが美形過ぎるせいで、そういう普通の女の子達は、肉食なお姉さん達に負けちゃったんだろう。
「しちゃいけないのは、分かってる。欲しければ奪え、みたいなのしか経験してこなかったから、作法室でサホに泣かれて、すごい戸惑った。あ、俺、悪いことしてるんだ、って滅茶苦茶自覚した」
「全然、そんな風に反省してるように見えなかったけど……そう思ってくれていたんだ」
そういえば、いつも最後は慰めてくれていたもんね。
やっぱり、リクは優しいんだよね。
「反省してたけどね、俺の中の天使が。でも、コイツの泣き顔、どうしてこんなにエロいんだ、超そそられる! って俺の中の悪魔がささやいてさ。だから、俺がエロいこと言うのは、半分サホのせい」
「はぁ?! 人のせいにしないでください!」
せっかく感心したのに!
やっぱり意地悪!
「……なあ、この後ホントに和風喫茶、行く?」
「えー、だってせっかく来たのに。名物の白玉抹茶のお汁粉、食べたい」
「それは、俺もとっても心引かれる文字列なんだけど……たぶん、高村と遠藤、いるぞ?」
え?
突然何を言い出すんだか。
「あのさ、あの2人が、何の思惑もなく、情報提供するわけないだろうが。まあ、この公園自体は、来てよかったと思うけど。時間見計らって、絶対待ち伏せしている気がする」
「だから?」
本音はやっぱり、せっかく2人でいるところを邪魔されたくないし、あと見せ物になるのも嫌だったけど。
さっきリクにいいようにもてあそばれた(精神的な意味でね!)仕返しの気分で、あえて何でもないことのように返事した。
あと、先輩達の目があれば、リクがこれ以上エッチなこと言わないかな、って期待もあったり。
だって、正直、今日はもうキャパいっぱい。
リクなりに気を付けているのは分かるんだけど、やっぱり恥ずかしいのよ。
触りたいだの見たいだの、公衆の面前で言われるの、誰かに聞かれたらと思うと気が気じゃない。
たぶん、リクはそう言って恥ずかしがる私の反応を見て楽しんでいるんだろうし、それで恥ずかしがる私に向かって、「もう、サホは可愛いなぁ」とか、耳元でささやくし。
……ホントは、こっちの方がもっと恥ずかしい。
心臓がバクバクする。
そう言って、恥ずかしがらせておいて、急に真剣な目で見つめたりするから、余計に始末が悪いのよ。
すごく真剣だから、さっきもつい「どうしたの?」っ訊いたら。
「ううん、別に。もう、サホが好きすぎてどうしよかな、って」
なんて、真顔で言うんだもん。
何なの? 初めの頃の、意地悪な先生はどこ行っちゃったの?
……嬉しいけど。
「好きすぎて、キスで我慢できなくなっても許してくれる?」
……せっかくいい感じなのに、どうしてそういうこと言っちゃうかな? はぁ。
「で、やっぱり行く?」
「うん。休憩もしたいし。もう、疲労困憊だよ」
精神的に、ね。
「そんなに疲れたなら、喫茶店じゃなくて、よこになって体を休めるところの方がいいのに」
「どうせ、イヤらしいとこでしょ? あんまりそういうこと言うと、本気で怒るよ?」
「どうせ、叶わないんだから、夢見るくらいいいじゃないか」
「夢じゃなくて、妄想でしょ?」
「エロい妄想は、男の夢なんだよ。お前らが壁ドン床ドン顎クイとかのシチュエーションにキャーキャー言うのと一緒」
「そうだね。私も最初はそのくらいがよかったな。リク、いきなりすぎて、ドキドキ通り越して、怖かったもん」
「……ゴメン」
あんまり素直に謝るから、ビックリして、私は立ち止まってしまった。
「俺、ホントはちゃんと恋愛するの、初めてだから。なんか、そういう、女の子がときめくような駆け引き、よく分かんないんだよね」
「イヤ、別に駆け引きってわけじゃないと思うけど……ホントに初めてなの?」
前も、チラッと言っていたけど。
自分から迫るのは初めてだ、って。
でも、恋愛自体、初めてなの?
……って言うか、それって。
「リク……もしかして、初恋?」
「いつも惚れられるだけだって、前も言ったろ?」
「……えっと……好きになった女の子、とかも、いなかったの?」
「うん。俺、ずっと高校まで男子校だったから。学校は楽しかったけど。俺、小さい頃は、もっと見た目もガキっぽかったから、高校までは大してモテなかったんだよ。って言うか、恋愛対象外、みたいな?」
「うそ、信じられない」
「ホントだよ。で、大学にいって、いきなり男女共学になったら、これがモテることモテること。全然女に免疫ないのに、やたら迫ってこられて。もう恐怖しかないわけだ。……なのに、ゴメンな。俺も、おんなじこと、サホにしてたんだよな」
「……なんで、初めて会った時、いきなりキス、したの?」
「何でかなぁ? 突然空から降ってきて、俺を押し倒しておいて、パニック起こしていた顔が、可愛かったから、かな?」
「クリーニング代がわり、じゃなくて?」
ホントは、一目惚れだった、とか?
「まあ、それもある」
……いや、そこは否定してよ。
「高校生に間違えたられたこととか、色々腹が立って、困らせてやったら面白いかな、って。そうしたら、どんな顔するか見たいな、とか。……俺も、一目惚れだったんだろうな」
……まずい。嬉しすぎて、顔がにやける。
「でも、失敗した。好きな子にちょっかい出して許されるのは、せいぜい小学生までだよな。スカートめくりとか」
「……それは、小学生でもしちゃいけないよ」
なんでリクの「好きな子にちょっかい」は、エッチな方向に行くんだろ?
絶対、大学のお姉さん達に間違ったアプローチされていたせいに違いない。
たぶん、ちゃんとリクと恋愛しようとしていた女の子だっていたはず。だけど、きっと、リクが美形過ぎるせいで、そういう普通の女の子達は、肉食なお姉さん達に負けちゃったんだろう。
「しちゃいけないのは、分かってる。欲しければ奪え、みたいなのしか経験してこなかったから、作法室でサホに泣かれて、すごい戸惑った。あ、俺、悪いことしてるんだ、って滅茶苦茶自覚した」
「全然、そんな風に反省してるように見えなかったけど……そう思ってくれていたんだ」
そういえば、いつも最後は慰めてくれていたもんね。
やっぱり、リクは優しいんだよね。
「反省してたけどね、俺の中の天使が。でも、コイツの泣き顔、どうしてこんなにエロいんだ、超そそられる! って俺の中の悪魔がささやいてさ。だから、俺がエロいこと言うのは、半分サホのせい」
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