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夢の追跡者
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やってしまった……。
幾ばくの後悔と、甘美な満足感を覚えながら、間宮尭司は自宅への道を小走りに辿った。
亜夜果、ずっと、好きだった。
高校一年の時に初めて会った時から。一目惚れ、だった。席が隣り合った偶然に感謝しつつ、早鐘を打つ鼓動に気が付かれないよう、気軽さを装い声掛けして。
決して派手な容姿ではなかった。整った顔立ちではあったが、大人しい性格が全面に現れていて、すぐには目立つことはなかった。
けれど高校生活に慣れて、次第に物怖じしなくなり、自然な笑顔が増えて来ると、急に注目を浴びるようになった。
自分が親しげに声を掛け、それに答えて、はにかみながらも笑ってくれるようになり……それが結果的に、亜夜果の生来の美しさを皆に認識させることになっていたのも、事実だ。
ひっそりとした奥床しさに隠された美貌と、時折見せる愛らしさに周囲の男子生徒が気付き始めた頃、尭司は強引に亜夜果を名前呼びする許可をもぎ取った。
出来れば亜夜果にも自分を下の名前で呼んで欲しかったけれど。
亜夜果の特別である立場を主張したくて、けれど、ようやく出来上がった関係性を壊したくなくて、改まった告白もできないまま、ズルズルと友達以上恋人未満な状態を続けてしまい。
いっそ、クラス替えで離れる事態になれば逆に勇気を出せたのかも知れないけれど。幸か不幸か(本心は離れたくなかったから、幸、ではあるのだけど)3年間同じクラスのままで。
成長に伴い、亜夜果はますます男子生徒達を魅了していた。主に、その肢体で。
体育の時間、ボディラインがあからさまになるTシャツや水着姿になると、途端に目立つ見事なプロポーションが、男子の間では下卑た話題の対象になることもしばしばだった。
男子の間では尭司は亜夜果とほぼ恋人同士という認識であったし、だから、尭司の前では控えめにしていたと思うが、それでも耳に入ってきた。
だから、その亜夜果から他の女子との恋の橋渡しをされた時は、目の前が真っ暗になった。
そこできっちり亜夜果に思いを告げれば良かったのに。亜夜果自身が、尭司と他の女子との交際のために動いたという事実に打ちのめされ、選んだ手段が不味かった。
まさか、そのまま亜夜果との関係断絶になってしまうなんて、後悔してもしきれない。
おまけに。
亜夜果への意趣返しで付き合いを始めた女子生徒の様子から、力関係で強引に亜夜果に橋渡しを押し付けたらしいことも分かった。あれほど亜夜果の性格を熟知していたのに、何でその時理解できなかったのか?
くすぶった思いを抱えたまま、交際がうまく行くわけもなく、結果的にはデートを何度もすっぽかし、深い関係になる前に女子生徒とは別れた。
卒業までには亜夜果との関係を修復したいと願いつつも、高校3年の受験生の秋冬にそんな余裕はなく。
折しも、父親が急病で入院してしまい、尭司自身が人生の岐路に立たされ、恋愛にかまけていることも出来なくなった。
ぼろぼろの精神状態で受験そのものも諦め、そうこうするうちに父親が永眠した。母は進学を諦めないように言ってくれたけれど、自分自身、何のために進学したいのか分からず、ひとまず生活のために働く道を選んだ。
警察官の道を選んだのは……亜夜果の一言のせいだ。
「お巡りさんの制服って、カッコいいよね」
何かの拍子に聞いたその一言。多分、深い意味はなかったのかもしれない。
でも、何となく耳に残っていたそのフレーズが、警察官募集のポスターを見て甦った。
公務員だし、体力には自信があるし。
ただ、地元で働くのは何となく引け目があったので、県外を希望して。
まさか、その県外で、亜夜果に再会するなんて。
この春の異動で配属になった交番の管轄内に、亜夜果が住んでいたなんて、全く知らなかった。
事情聴取の時に耳にした内容から考えると、自分の配属とほぼ同時に引っ越して来たらしい。
何という偶然なのだろうか?
その上。
こんなかたちで再会するなんて!
元々走るのは嫌いじゃないから、余暇にはジョギングするのがほぼ毎日の習慣だった。
夏になり、熱中症対策もあり、休日でも夜を選んで走るようになり。
この夜も数キロ走って家路につく途中、だった。
「や………!」
空耳かと思った、小さな悲鳴。
鬱蒼とした公園の出入り口で。
耳を澄ますが、何も聞こえてこない。
けれど、警察官としての勘が訴えた。
何か、起きてる?
公園に足を踏み入れ、再度耳を澄ます。
「……か! ……て!」
今度は、聞こえた。
必死に神経を研ぎ澄まし、気配を探す。
ざわざわと葉擦れの音がする方向に足を進めると……そこに、人影が見えた。
夜目に浮かび上がる、男の剥き出しの足。
その下に見え隠れする、白いものが女性だと分かり。
「おい?」
思わず声をかけると、男は振り返り、その向こうに仰向けに寝そべる女性の姿が見えた。
明らかに、意識を失っている。
「……」
狼狽する男の様子から、犯罪の臭いを嗅ぎとり、尭司は一歩踏み出した。すると、男が突進してきた、が。
半分脱いでいたジーンズに足を取られ、男は転倒した。
痛みにうめいてうずくまっている男を取り押さえたが。
いまだ呆然としている女性。
半目を開けて、涙に濡れた、天を見つめるその目に生気はない。外出血はないが、左頬がひどく腫れ上がっている。
まさか!?
声をかけ意識を確認すると、かすかに呻いた。
ホッとして、それから我に返り、あられもない姿に気付き、慌てて羽織っていたパーカーを掛けた。
それをきっかけに一気に反応が甦った。起き上がろうとしたがまだ体の動きが追い付かないのか再び倒れそうになるのを思わず支え……それが、亜夜果だと気が付いた。
男の身柄を確保し、引き渡しのために通報している間も、亜夜果の様子が気になって仕方がなかった。強引に病院にまでついていき、場所もタイミングも弁えず、告白してしまい。
思いがけず、亜夜果からも思いを伝えられ。
そして。
「間宮、お前、これは表彰ものかもな」
対応してくれた本署の警察官に言われ。
「え? たまたまですよ。無我夢中で」
「ああ、ケガはともかく、何もなくて良かったよ。……アイツ、どうも他にもやってるようだ。しかも、こっちも」
ジェスチャーで殺人を示し。
「あのままお前が通りかからなかったら、彼女、危険だったたかもな。かなり執着して、つけ回していたらしい。所持品のスマホとタブレットに盗撮画像が山のようにあった。毎日の帰宅時間も記録してあった。マンションにも忍び込もうとしたらしいが、セキュリティが厳しくて断念したらしく、路上でチャンスを伺っていたようだ」
「よくゲロしましたね」
「まあ、物証があったからな。今の若いヤツは、何でもスマホやらに記録してるからな。デジタル様々だよ。まあ、自分の犯罪記録まで克明に保存しておく心理は理解できんが。まあ、とにかくよかった。間宮も休みなのにおつかれさん」
男の行動にあきれながらも、尭司の労をねぎらってもらい、尭司も礼を述べて警察を後にした。その後、亜夜果を家まで送り。
……やっぱり、不味かったか?
亜夜果の誘いに乗って部屋になんて入ったら、高揚した自分の気持ちが押さえられそうになかった。
今も、目に浮かぶ、亜夜果の裸体。
助けた瞬間は、目のやり場には困りつつも、冷静に状況として認識していただけだったのに。 救命しなくては、という使命感が先に立って、邪な思いなど、微塵もなかったはず、なのに。
今になって、フラッシュバックする。めくれあがった上着から覗く豊かに盛り上がった双丘、括れた腰、足の付け根を覆う淡い色の下着に、ほどよい肉付きの下肢。
あの一瞬で、そこまで細かく見ていたはずはないのに(警察官としては一瞬の出来事も細かく記憶すべきかも知れないが)、亜夜果本人の姿と相まって、どんどん脳内で補正されてしまい。
ヤバい、明日は日勤なのに。
ムクムクと沸き上がる健康な男性の身体反応に、身の置き所がない。
不安そうに尭司を見つめる亜夜果の目に、思わず勢いでキスまでしてしまい……その唇の感触が、脳裏に残る亜夜果の裸体に、触感まで与えてしまう。
とにかく、シャワーでも浴びて、忘れよう。
そんなに簡単には洗い流せそうにない欲情の炎を胸に抱えつつ。
尭司は自宅のアパートにたどり着いた。
幾ばくの後悔と、甘美な満足感を覚えながら、間宮尭司は自宅への道を小走りに辿った。
亜夜果、ずっと、好きだった。
高校一年の時に初めて会った時から。一目惚れ、だった。席が隣り合った偶然に感謝しつつ、早鐘を打つ鼓動に気が付かれないよう、気軽さを装い声掛けして。
決して派手な容姿ではなかった。整った顔立ちではあったが、大人しい性格が全面に現れていて、すぐには目立つことはなかった。
けれど高校生活に慣れて、次第に物怖じしなくなり、自然な笑顔が増えて来ると、急に注目を浴びるようになった。
自分が親しげに声を掛け、それに答えて、はにかみながらも笑ってくれるようになり……それが結果的に、亜夜果の生来の美しさを皆に認識させることになっていたのも、事実だ。
ひっそりとした奥床しさに隠された美貌と、時折見せる愛らしさに周囲の男子生徒が気付き始めた頃、尭司は強引に亜夜果を名前呼びする許可をもぎ取った。
出来れば亜夜果にも自分を下の名前で呼んで欲しかったけれど。
亜夜果の特別である立場を主張したくて、けれど、ようやく出来上がった関係性を壊したくなくて、改まった告白もできないまま、ズルズルと友達以上恋人未満な状態を続けてしまい。
いっそ、クラス替えで離れる事態になれば逆に勇気を出せたのかも知れないけれど。幸か不幸か(本心は離れたくなかったから、幸、ではあるのだけど)3年間同じクラスのままで。
成長に伴い、亜夜果はますます男子生徒達を魅了していた。主に、その肢体で。
体育の時間、ボディラインがあからさまになるTシャツや水着姿になると、途端に目立つ見事なプロポーションが、男子の間では下卑た話題の対象になることもしばしばだった。
男子の間では尭司は亜夜果とほぼ恋人同士という認識であったし、だから、尭司の前では控えめにしていたと思うが、それでも耳に入ってきた。
だから、その亜夜果から他の女子との恋の橋渡しをされた時は、目の前が真っ暗になった。
そこできっちり亜夜果に思いを告げれば良かったのに。亜夜果自身が、尭司と他の女子との交際のために動いたという事実に打ちのめされ、選んだ手段が不味かった。
まさか、そのまま亜夜果との関係断絶になってしまうなんて、後悔してもしきれない。
おまけに。
亜夜果への意趣返しで付き合いを始めた女子生徒の様子から、力関係で強引に亜夜果に橋渡しを押し付けたらしいことも分かった。あれほど亜夜果の性格を熟知していたのに、何でその時理解できなかったのか?
くすぶった思いを抱えたまま、交際がうまく行くわけもなく、結果的にはデートを何度もすっぽかし、深い関係になる前に女子生徒とは別れた。
卒業までには亜夜果との関係を修復したいと願いつつも、高校3年の受験生の秋冬にそんな余裕はなく。
折しも、父親が急病で入院してしまい、尭司自身が人生の岐路に立たされ、恋愛にかまけていることも出来なくなった。
ぼろぼろの精神状態で受験そのものも諦め、そうこうするうちに父親が永眠した。母は進学を諦めないように言ってくれたけれど、自分自身、何のために進学したいのか分からず、ひとまず生活のために働く道を選んだ。
警察官の道を選んだのは……亜夜果の一言のせいだ。
「お巡りさんの制服って、カッコいいよね」
何かの拍子に聞いたその一言。多分、深い意味はなかったのかもしれない。
でも、何となく耳に残っていたそのフレーズが、警察官募集のポスターを見て甦った。
公務員だし、体力には自信があるし。
ただ、地元で働くのは何となく引け目があったので、県外を希望して。
まさか、その県外で、亜夜果に再会するなんて。
この春の異動で配属になった交番の管轄内に、亜夜果が住んでいたなんて、全く知らなかった。
事情聴取の時に耳にした内容から考えると、自分の配属とほぼ同時に引っ越して来たらしい。
何という偶然なのだろうか?
その上。
こんなかたちで再会するなんて!
元々走るのは嫌いじゃないから、余暇にはジョギングするのがほぼ毎日の習慣だった。
夏になり、熱中症対策もあり、休日でも夜を選んで走るようになり。
この夜も数キロ走って家路につく途中、だった。
「や………!」
空耳かと思った、小さな悲鳴。
鬱蒼とした公園の出入り口で。
耳を澄ますが、何も聞こえてこない。
けれど、警察官としての勘が訴えた。
何か、起きてる?
公園に足を踏み入れ、再度耳を澄ます。
「……か! ……て!」
今度は、聞こえた。
必死に神経を研ぎ澄まし、気配を探す。
ざわざわと葉擦れの音がする方向に足を進めると……そこに、人影が見えた。
夜目に浮かび上がる、男の剥き出しの足。
その下に見え隠れする、白いものが女性だと分かり。
「おい?」
思わず声をかけると、男は振り返り、その向こうに仰向けに寝そべる女性の姿が見えた。
明らかに、意識を失っている。
「……」
狼狽する男の様子から、犯罪の臭いを嗅ぎとり、尭司は一歩踏み出した。すると、男が突進してきた、が。
半分脱いでいたジーンズに足を取られ、男は転倒した。
痛みにうめいてうずくまっている男を取り押さえたが。
いまだ呆然としている女性。
半目を開けて、涙に濡れた、天を見つめるその目に生気はない。外出血はないが、左頬がひどく腫れ上がっている。
まさか!?
声をかけ意識を確認すると、かすかに呻いた。
ホッとして、それから我に返り、あられもない姿に気付き、慌てて羽織っていたパーカーを掛けた。
それをきっかけに一気に反応が甦った。起き上がろうとしたがまだ体の動きが追い付かないのか再び倒れそうになるのを思わず支え……それが、亜夜果だと気が付いた。
男の身柄を確保し、引き渡しのために通報している間も、亜夜果の様子が気になって仕方がなかった。強引に病院にまでついていき、場所もタイミングも弁えず、告白してしまい。
思いがけず、亜夜果からも思いを伝えられ。
そして。
「間宮、お前、これは表彰ものかもな」
対応してくれた本署の警察官に言われ。
「え? たまたまですよ。無我夢中で」
「ああ、ケガはともかく、何もなくて良かったよ。……アイツ、どうも他にもやってるようだ。しかも、こっちも」
ジェスチャーで殺人を示し。
「あのままお前が通りかからなかったら、彼女、危険だったたかもな。かなり執着して、つけ回していたらしい。所持品のスマホとタブレットに盗撮画像が山のようにあった。毎日の帰宅時間も記録してあった。マンションにも忍び込もうとしたらしいが、セキュリティが厳しくて断念したらしく、路上でチャンスを伺っていたようだ」
「よくゲロしましたね」
「まあ、物証があったからな。今の若いヤツは、何でもスマホやらに記録してるからな。デジタル様々だよ。まあ、自分の犯罪記録まで克明に保存しておく心理は理解できんが。まあ、とにかくよかった。間宮も休みなのにおつかれさん」
男の行動にあきれながらも、尭司の労をねぎらってもらい、尭司も礼を述べて警察を後にした。その後、亜夜果を家まで送り。
……やっぱり、不味かったか?
亜夜果の誘いに乗って部屋になんて入ったら、高揚した自分の気持ちが押さえられそうになかった。
今も、目に浮かぶ、亜夜果の裸体。
助けた瞬間は、目のやり場には困りつつも、冷静に状況として認識していただけだったのに。 救命しなくては、という使命感が先に立って、邪な思いなど、微塵もなかったはず、なのに。
今になって、フラッシュバックする。めくれあがった上着から覗く豊かに盛り上がった双丘、括れた腰、足の付け根を覆う淡い色の下着に、ほどよい肉付きの下肢。
あの一瞬で、そこまで細かく見ていたはずはないのに(警察官としては一瞬の出来事も細かく記憶すべきかも知れないが)、亜夜果本人の姿と相まって、どんどん脳内で補正されてしまい。
ヤバい、明日は日勤なのに。
ムクムクと沸き上がる健康な男性の身体反応に、身の置き所がない。
不安そうに尭司を見つめる亜夜果の目に、思わず勢いでキスまでしてしまい……その唇の感触が、脳裏に残る亜夜果の裸体に、触感まで与えてしまう。
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