トリムルティ~まほろばの秋津島に まろうどの神々はよみがえる~第二部 日沈む国から来たる彗星は光輪を蝕む

清見こうじ

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「第一部 兆しは日出ずる国に瞬く」のおさらい

序章、第一章から第七章のあらすじ

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第一部未読の場合、ネタバレになります。
自己責任で閲覧お願いいたします。
















ここからあらすじです↓↓








〈序 兆し〉
 
 由緒ある僧院で、「清廉潔白で出世欲のない『学者馬鹿』」と称されるアストラ師。
 実は、「わが君」と称える主を守るため、本来の才覚をひた隠しにしている。
 ある日、主から突然の呼び出しを受けるが……。




〈第一章 麗しき転校生〉

 県立石町原いしまちはら高校(通称セキコー)に通う二年生の高天たかましゅんは、真面目で正義感の強い少年。ただし、整った容姿と鋭い目つき、寡黙な性格が災いして、『目が合っただけでフリーズする』『氷の視線を持つ男』として、他の生徒からは敬遠されがちである。

 中学からの親友、サッカー部の次期エース・吉村よしむら正彦まさひこと、所属する美術部の面々は気負わず俊と接してくれている。

 五月の大型連休明けに、俊のクラスに転校生がやってくる。

 エキゾチックな美貌の少年、インド人の母をもつハーフの遠野とおの和矢かずや

 その日の放課後、一緒に転校してきた一歳違いの妹、美矢みやが不良に絡まれていた場面に遭遇し、俊が窮地を救ったことをきっかけに、遠野兄妹は美術部に入部する。

 美矢に絡み、俊に撃退されたことを怨む不良たち。そんな彼らに声をかける謎の男がいた。

 


〈第二章 甦る悪夢〉

 白薔薇に例えられる華やかな美貌の和矢を追って入部してきた女生徒のはた迷惑な喧騒に怒髪衝天の俊や美術オタクの毒舌家・唐沢からさわいつきがキツい言葉を投げつけ、それを宥めながらも俊の同級生の三上加奈も本入部見送りを伝える。

 七月の文化祭目前、逆恨みした女生徒のリーダー格・谷津やつマリカがクラスメートを扇動し、美矢と、同じく美術部位の一年生・加西かさい珠美たまみを呼び出して報復の手伝いをさせようと目論む。毅然とした態度で拒み、マリカの友人の森本もりもと真実まみも二人を擁護する。

 斎の弟・たつみの報告により俊は現場に駆け付ける。マリカの怒りを煽って殴られそうになっていた美矢の態度に憤り、その頬を叩いてしまう。

 ひそかに思いを寄せていた俊の怒りにふれ、涙する美矢。

 俊もまた、怒りに任せて美矢に手を挙げたこと、美矢の危機に怒りの感情を制御できなかったことを悔やむ。

 中学生の頃、サッカー部に所属していた俊は試合中の意図的なラフプレイに憤り、相手に不可思議な力で裂傷を負わせてしまった過去があった。

 怒りのあまり人を傷つけてしまった自分の謎の力におびえ、サッカー部を辞めて、以降は感情を揺らさぬよう息をひそめるようにして過ごしてきた俊。

 けれど、度々俊の感情を波立たせる美矢の存在に、おそれと甘いときめきを覚える。

 一方の美矢も、兄・和矢から、冷静沈着なはずの俊がひどく感情を乱して現場に駆け付けた様子を聞き、再び慕わしい思いに心が締め付けられる。

 そんな美矢の物思いに、謎めいた言葉を呟く和矢だった。

 

〈第三章 黄昏の魔性〉

 マリカと訣別し、改めて美術部に入部した真実と共に、文化祭に臨む美術部のメンバー。

 マリカらの報復に警戒していたが、大きなトラブルもなく文化祭は終わりを迎えようとしていた。

 終了間際の夕暮れの中、美術部の展示会場を訪れた男性から告白を受ける加奈。
 出会ったばかりの唐突な出来事に戸惑いながらも、加奈はその凄絶な美貌に一目で魅了される。

 その場面を垣間見た真実は、その青年の持つ闇を感じ強い不安を覚える。

 後夜祭を残すのみとなり部員たちは後片付けに励むが、真面目な俊が姿を見せないことに不審を覚える真実。
 突然マリカが現れて、俊がマリカを助けるため不良たちに同行した、と聞かされる。

 その頃。
 俊は、薄闇の中で朦朧とした意識の中、自分が囚われたことを知る。
 暴力を受け、再び意識を失う俊。
 その瞳が閉じる寸前、青く冷たく輝いた。




〈第四章 凍てつく瞳〉

 マリカの目撃情報を元に旧校舎周辺を探索する和矢、正彦、斎の三人。

 その最中にマリカの証言が虚偽であることを指摘する斎。美術室に残された美矢、加奈などの女子部員の身を案じる和矢。

 斎は共に残った巽が実は著名な武道家の後継者であることを明かし、俊の捜索を優先させる。

 不良の須賀野すがやに囚われ拘束された俊は、暴力を受けながらも己の矜持を崩さない。美矢の件で俊を恨む須賀野は、俊を心身とも傷付けるため、謎の男『シバ』の協力を得ていた。
 マリカも仲間であることを暴露し、全ては俊を傷付けるために画策したこと、その一貫で美術部の女子部員を襲撃させようとしていることを伝える。下卑た言葉で美矢や加奈を貶め、襲撃を指示しようとする須賀野に、俊は怒りをぶつける。
 
 一方、美術室を襲撃した男達を瞬時に拘束し、俊を拉致した須賀野の居所を突き止める巽。
 
 和矢に連絡を取り、無事俊を発見するが、時前後して加奈がトランス状態に陥る。
 意識を失う寸前、「ワガキミガ……」という謎の呟きを残す。ただ一人その声を聴いた美矢は、加奈に宿る謎の存在を感じる。




〈第五章 疾風の帰還者〉

 夏休みが終わり、和矢は再び学校生活が始まった。
 フリーライターをしている和矢の叔母・弓子に雑誌から仕事の依頼が入る。

 そのやり取りの最中、弓子は俊の様子を尋ねる。
 文化祭での暴力事件で負傷した俊の療養、そして被害者の俊を誹謗中傷から守るため、事件の隠蔽に弓子は協力していた。
 その弓子をリスペクトしながらも、加害者である須賀野は行方をくらまし当初は謝罪し影を潜めていたマリカが態度を翻したことに不安を感じる真実だった。
 
 数日後、弓子の新しい仕事仲間として、打合せのために遠野家を訪れた、新人カメラマンの笹木ささき健太けんたを出迎えた和矢は、健太にインドでの幼名で呼び掛けられる。
 健太は、かつてインドの下町で父や幼い美矢と共に暮らしていた少年・ムルガンであった。
 懐かしい思い出話に花を咲かせる二人だったが、父・真矢の死を確認され、暗く微笑む和矢だった。





〈第六章 忘れられた守り手〉

 和矢との再会で幼い頃の記憶を甦らせる健太。
 自身の不可解な生い立ちや、和矢の父・真矢の死の真相に思いを馳せる。
 養子になって日本に連れてこられたこと、結果的にそれが真矢との永訣となってしまったことの後悔から、強い喪失感を埋めるようにインドでカメラマン修行と称して放浪を続けていた。
 
 しかしこの夏に、突然、助けを求める意思を感じて帰国しようという衝動が芽生えた。
 その正体が分からぬまま、真矢に言われた『いつか守るべき人が現れ、苦しんでいたら、その時は守って』という言葉を思い返す。

 三年生が引退し、美術部の新部長に選ばれた加奈。
 副部長に斎が選ばれたことに不満を漏らした真実に対して、和矢はもちろん、最近とみに女子の間で注目されている俊を加奈と組ませることは、騒ぎのもとになると珠美に聞かされる。
 真実が斎や珠美、巽らと軽口を叩きあい賑やかな雰囲気の美術部の変化に、加奈は微笑ましく思う一方で、他人と衝突しがちな美矢の頑なな様子に痛ましさを覚える。
 そんな加奈自身も、文化祭で告白された井川英人と交際を始めていた。
 幸せな恋をする加奈の様子に一抹の不安を感じる真実だったが、順調な交際の様子に取り越し苦労だったと無理矢理自分を納得させる。
 
 編集者との電話のやり取りで、真矢の死を知らないはずの弓子がかつて新聞社に勤めていた頃、インドに赴任していたことを聞いた健太。
 その時期が真矢の死亡したと思われる時期に重なっていることに不審を覚えた健太は、衝動的に部屋を飛び出した。




〈第七章 嵐呼ぶ遭遇〉

 加奈の恋人を話題に盛り上がっていた美術部のメンバー。
 評判のスイーツの話に発展し、和矢は美矢に俊を誘うように促す。
 話題には入らず傍観していた俊は、突然誘われ難色を示す。

 意気消沈する美矢に、「単に甘いものが苦手なだけ」と必死にフォローし、スイーツ以外なら付き合うと約束する。

 下校途中、笑顔になった美矢の感情の変化を微笑ましく思い返していた俊の目の前に謎の男『シバ』が現れる。

 須賀野に暴力を受けたあとPTSDを患っていた俊は、その名を聞き身をこわばらせる。
 そんな俊を捕らえて、『シバ』は俊に告げる。

「お前こそが、『シヴァ』なんだ」と。

 衝動的に弓子の元へ走り出した健太だったが、弓子にどのように問い質すべきか悩み、また弓子にショックを与えないために真矢の死については話題にしないという和矢との約束を思い出す。
 そして、弓子の経歴をきっかけに、ほんのわずかな期間暮らしていた英国で弓子と邂逅していた過去を思い出す。

 その時突然、かつてインドで感じ、帰国の理由となった助けを求める意思を感じる。気が急くまま駆けつけた健太は、男に取り押さえられる少年に遭遇する。

 見知らぬ健太を「ムルガン」と呼ぶ少年を助けようと手を伸ばす健太。

 二人を謎の青い靄が包み込み、現場から消え去る。

 
 突然現れた健太に向かい、男は「イエット」と呼び掛けた。

 俊が目覚めると、そこは健太の部屋だった。
 俊の事情を尋ねられパニックに陥る俊を労る健太に、今までにないほど安心感と信頼感を寄せる俊。

 『シヴァ』と『ムルガン』という父子の神を通して繋がっていることを本能的に感じ、また素直に受け入れる俊。

 健太に渡された連絡先のメモをお守りのように大切にしまいこむ俊だった。
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