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「第一部 兆しは日出ずる国に瞬く」のおさらい
第八章から第十四章、終章のあらすじ
しおりを挟む後半のお話。
ここから始まります↓↓
〈第八章 蔦絡まる紅葉〉
十月半ば、土曜日授業の昼下がり、真実は一人商店街をさ迷い、ランチデート中の加奈を見かける。
気になって店内を覗きこんでいた真実は、偶然知り合った健太に誘われ、店内に入る。
幸せそうな加奈の様子や、加奈に惚れ込む英人を目の当たりにし安心した真実は、健太とのランチを楽しむ。
加奈や健太を思いやる心映えに感じ入り、フィーリングもピッタリな真実に恋心を覚えた健太は、勢いで交際を申し込む。
強引に許諾をもぎ取り、つかの間のデートを楽しむ。真実を見送り、幸せを感じていた健太を『シバ』=英人が待ち伏せしていた。
正彦と下校途中、人影の少ない場所に移動する健太と『シバ』を見かけた俊は、健太の身を案じて二人を追いかけた。
〈第九章 消しえない絆〉
健太の過去を尋ねる英人が、かつて二人は同じ能力開発施設『研究所』に囚われ虐げられて過ごした幼馴染みだと告げる。
その頃の健太のコードネームの「まだ」と呼び掛けられ、幼い日の優しく泣き虫だった英人を思い出す健太。
心の拠り所としていた真矢が和矢を守るため自分を捨てて、結果的に死に至ったことで、和矢を恨んでいると話す英人。
同じように真矢を奪われた健太が何故和矢を恨まないのか問い質す英人。いまだに癒えない顔の傷を見られて逃げるように走り去る英人を、健太は「8番」と呼び掛ける。
物陰から健太の身の安全を確認して安堵する俊にたいし、後を追ってきた正彦は説明を求めた。
俊の部屋で、事情を説明され、自分を卑下する俊に、「お前はいいヤツ」「お前が人を傷付けることはない」と諭す正彦。
中学時代、怒りに任せた不可思議な力に対して、俊自身はそれを止めようとしていた事実を告げる。
俊の居場所を作りたくてサッカー部に強引な勧誘を続けていたが、美術部に居場所を見つけていたことを知りそれを止めたこと、ありのままの俊を受け入れてくれる人間がきちんといることを伝える。
別れ際、これからも変わらず友で居続けることを伝える正彦。
俊の人間関係を尊重し、和矢や斎に俊を委ねる姿勢を見せる正彦。
二人の絆が強まったことを感じる和矢。
一方で心の距離が縮まる美矢と俊に対して、からかって楽しむ自分を内心揶揄する。
目的のために俊や健太を囲いこもうとする自分の行為を、けれど本人達には知られたくないと苦悩していた。
〈第十章 交錯する狂気〉
英人に夜のイルミネーションイベントに誘われた加奈。
夜のドライブを伴うデートに戸惑い、即答できない。
いまだに手もつなげていない関係に、英人の焦りを感じた加奈だったが、健太と手をつないで幸せそうに歩いていた真実を見かけたことを思い出して、もう少しだけ積極的になろうと決意し、デートを受け入れる。
同時に、英人に隠された顔があることを感じ、実際に前髪で隠した傷と共に、いつか自分に素顔を晒してほしいと願う。
加奈の誕生日にセッティングされたデートに喜ぶ加奈。
駅前のイルミネーションの前で、初めて手をつなぐ。
幸福な様子の加奈と英人を見かけた真実と健太は、その二人を剣呑な眼差しで見つめるマリカを発見する。
英人=シバに狂気めいた恋慕を抱き、乱れた生活を送っていたマリカは、本来自分が受けるはずの愛情を加奈に横取りされたと逆恨みする。
英人に忠告する健太。
健太があやふやな情報から的確に真実を導き出していることを知る。
そして、真矢の死に深く関わる組織に、和矢が属している可能性にたどり着いていることも。
英人は、最も真相に近い場所に弓子がいることを告げた。
〈第十一章 見えない虹〉
健太との出会いをきっかけにスマートフォンを購入した俊だったが、操作が分からない。
真実が操作方法を教え、気を利かせて美矢の連絡先を一番に登録させる。
その後、美矢に教えてもらいながら、健太の連絡先を登録しようとして、真実との関係を知る。
自分の知らない間に俊や真実と関係を作っていた健太に不審を抱く和矢。
取材の後、弓子と遠野家の事務所スペースで打合せをしていた健太は、よそよそしい態度で接していた和矢と実は親しいことを見破られ、真矢との関係も知られてしまう。
和矢に対して不審な思いを隠せない健太に、弓子は「一番ツラい思いをしているのは和矢」と話す。
真矢の生い立ちや出奔、和矢の属する組織について説明する。
外部の人間には知りえない事実を知る弓子は、真矢の死の真相を知るため、財産を投じて組織の一員となっていた。
和矢と美矢を守るため、敵対するなら健太でも許さないと言い切る弓子。
健太は自分も二人が大切だと伝えて弓子を安心させる。
二人の話を立ち聞きしていた和矢。
守っていたつもりの二人が自分を守ろうとしていた事実に打ちのめされる。
身の置き所なく家を出た和矢を、不意に斎が現れて自宅に誘う。
女子会で別行動をしていた美矢が帰宅すると、和矢からスマホに夕食不要メッセージが入る。
突然の行動に面食らう美矢だが、「年頃の高校生男子ならおかしくない」と弓子はおおらかに受け止める。
弓子からイルミネーションイベントの招待券をもらった美矢は、俊を誘う口実が出来たことを喜ぶ。
そんな美矢のもとには、和矢から外泊のメッセージが届いていた。
〈第十二章 哀哭の二重奏〉
和矢が斎の家に泊まり、翌日学校を欠席した。
巽から唐沢家所蔵の骨董品や書籍に興奮して徹夜だったと聞かされ、和矢の趣味嗜好を知る美矢は納得する。
和矢の欠席を心配する俊にメールで様子を伝え、ささやかなやり取りに心が踊る美矢。
そんな美矢が俊をイルミネーションイベントに確実に誘えるよう、珠美と真実は作戦会議を開く。
和矢も斎も欠席し、久しぶりに正彦と昼食を摂っていた俊は、正彦から斎が真実に恋愛感情を抱いている可能性を知らされる。
実は正彦自身も真実に恋していたが、それに気付かず、俊は真実に恋人がいることを告げる。
落ち込む正彦を見て、斎の気持ちを慮っているのだと誤解する俊。
放課後、美矢は順調に俊をイベントに誘うが、夜の外出であることを気遣い、俊は和矢の同行を求める。
結果的に加奈以外の部員全員と保護者代わりの健太とでイベントに参加することになった。
和矢が、美矢から心理的独立できるよう、俊と美矢の関係を深めるよう画策していた珠美。
幼馴染みの巽と恋人関係にあったが、本心では斎をずっと慕っていた。
斎が真実に恋している事実を受け入れがたい珠美は、巽に対して真実を揶揄する。
珠美の思いを知る巽は、真実を擁護しつつ、珠美の詰めの甘さを指摘する。
武道家を隠れ蓑に要人護衛を生業とする一族で婚約者として認められている二人。
珠美を得るために次期総領の座を目指してきた巽は、例え珠美が斎を思っていても、その身を得ること、公的に珠美を伴侶と出来る立場は手放さないと決意している。
幸せな恋人を演じながら、二人の思いは相容れない。
加奈の誕生日。
イルミネーションイベントを前に英人からバースデープレゼントを贈られる加奈。
誕生石のネックレスに喜びながらも、英人がどうしてここまで自分を愛してくれるのか自信が持てない加奈は、不安を表す。
加奈が嫌ならデートを取り止めようと提案する英人。
いつまで愛されるのか、いつまでも共にいられるのか分からず、今が幸せすぎて不安なのだと正直に告げる加奈。
英人は永遠に加奈を愛すると誓う。
ただし、「いつまでも一緒に」とは口にしなかった。
それに気付かず、英人に身を寄せる加奈。
二人はイルミネーションイベントの会場に向かう。
その後を、マリカが追っていた。
前日に訪れるはずだったイルミネーションイベントに加奈達と同じ日に行くことになってしまった美術部のメンバー。
弓子が運転手として同行してくれることになり、正彦も加わりイベント会場へ向かう。
家が会場に近い斎達と同行している和矢。
弓子に対してわだかまりを抱きつつも、巽に八つ当たりしながら精神的に回復してきていた。
駐車場で弓子達の到着を待つ和矢達の目前を英人の車が通り過ぎていった。
〈第十三章 冬空を貫く雷光〉
真実の采配で会場内に分散したメンバー達。
仕方なく斎とペアで巡ることになった正彦は、真実への思いについて尋ねる。
真実を深く愛するが、最優先に出来ないので手に入れようとは思わないと話す斎。
そして、好き、か、無関係以外の好悪の情がないと話す斎。
その序列で自分が斎にかなり好かれていたことを知り驚く。
和矢は弓子と腹を割って話し、自分が深い愛情で守られていたことを知る。
その上で、和矢に守って貰えると信じていると無条件の信頼を寄せられ、改めて弓子を守ることを決意する。
イルミネーションを観賞しながら、俊は文化祭前に美矢に手を挙げたことを謝罪し、美矢も受け入れる。
イルミネーションに夢中になって転びかけた美矢を支え、そのまま手をつないで歩き始める二人は、恋人向けイベントの『赤いリンゴのオブジェ』を目指す。
そこでキス寸前までいっていた加奈と英人に遭遇する。気まずさから目を逸らしていた俊は、英人が『シバ』であることに気付き、凝視する。
俊の誰何から逃れるように立ち去ろうとする英人に、二人は知り合いなのかと驚く加奈。
そこに現れたマリカから、英人が『シバ』であり、俊を陥れるために自分や須賀野らを操っていた事実を暴露し、英人にふさわしいのは自分だと話す。
マリカへの愛情を否定する英人に対して、『シバ』でないことに気付いたマリカは、『シバ』を返せとわめき、英人の存在を否定する。
幼少期に存在価値を否定され続け、虐待を受けたことをきっかけに、解離性同一症、いわゆる多重人格を生じていた英人。
攻撃的人格の『シバ』がマリカを操るために誘惑していたことからマリカは『シバ』に恋していた。
英人本人は頑なにマリカを拒む。
憤ったマリカは、隠し持っていたナイフを手に、英人に襲いかかる。
英人を庇って負傷する加奈。
瀕死の加奈を抱きしめ、慟哭する英人。
その声なき嘆きに伴って、冬空を雷光が走り抜け、イルミネーションのライトを破壊した。
衝撃で引火した木々が勢いよく燃え上がり、反比例するように加奈の体温は失われていった。
〈第十四章 蒼き氷雪の曙光〉
駆けつけた健太が加奈の傷を止血しようと試みる。
呆然としている英人を叱咤し、加奈の救命に励むが、生命徴候はどんどん失われていく。
健太と共に救命にあたる俊の心の奥で、加奈を愛護する声が響く。
突然、大粒の雪が舞い落ちる。
温度を感じさせない不思議な雪は、燃え上がる木々の炎を消失させ、その傷を慰撫した。
同じく、加奈の傷もふさぐ。
生命の危機を脱した加奈の体には、臓器も含めて一切の傷が残っていなかった。
傷ひとつなく出血多量となった加奈を斎は唐沢家に運び治療にあたる。
中途半端な奇跡に、和矢は「試練を好むあの神の一族らしい」と妙に納得する。
英人の状態とその才覚、関係者のほとんどを心理的に掌握する健太のカリスマを、手元に欲しいと漏らす斎。
自分を安全圏に遠ざけて、蚊帳の外に置いたことを不満に思うと斎に訴え、逆にとっとと全員ひっさらって、組織に閉じ込めるのが最も安全で確実だと非難される。
それを厭う和矢に、斎をーー唐沢宗家の影の総領を動かしたければ、本音を話せと告げられる。
自分の思いを素直に口にした和矢に、斎は「気に入った」と守護を約束する。
数日後、順調に回復した加奈を見舞う俊と美矢。
甘い雰囲気を醸し出す加奈と英人、真実と健太にあてられて、早々に退室する。
美矢と手をつなぐ流れになってから、いまだに告白していないことに気付かされ、何とか思いを告げる俊。
人目を気にするように真実に揶揄され、逃げ出した二人の手は、しっかりつながれていた。
〈終 火種〉
唐沢宗家の保護を獲得した和矢の日本残留をアストラ師に確認する主。
また、英国方面に問題が生じているらしいことを示唆されるアストラ師。
和矢と美矢、英人にまで深い思いやりを示す主に、アストラ師は不快感を覚える。
主と同じ意味の名を持つ、アストラ師……サッティヤーストラはかつて英人や健太と共に『研究所』に囚われていたナンバーズ『フォー』であった。
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