魔法動物ニャーキーと不思議な仲間たち

るい

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魔法を使える動物たち

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この世界には、魔法を使える動物達が存在する。
一言に魔法と言っても、その特性は様々。
物を自在に操ることが出来るもの、透明になれるもの、
体を好きな大きさに変えられるもの、まさに十人十色だ。
魔法が使えるようになるものは、生まれつき使えるようなものもいれば、歳を重ねて成長してから使えるようになるものもいる。しかし、それによってどちらが優勢か劣勢かなんてことはない。魔法の力の大小は、魔法が宿るものの心によって決まる。

魔法動物たちは、この世界のどこかで、ひそひそと隠れて過ごしている。決して自分たちの正体を、外の世界にばらしてはいけない。

そう、ここは魔法動物たちの世界なのだーーーーーー。








海に囲まれた小さな小さな街に、大きな大きな太陽が登ろうとしていた。
街のパン屋さんは朝早くから開店の支度をして、パンが焼けるいい匂いを街中に漂わせていた。




「ほおら、焼きあがったぞ。出来たてを持っていくといい」



パン屋さんのカバは、真っ黒なカラスに焼きたてのパンを渡し、にっこり微笑んだ。


「ありがとう、朝早くかすまないね。おかげで彼らの朝ごはんには間に合いそうだよ」

「それは良かった。パンが冷めないうちに早くもって言ってあげなさい。また感想を聞かせておくれよ」

「ああ。そうするよ」

「そんなにたくさんのパンを1人で持って行けるかい?」

「大丈夫さ。私はどんなに重いものでも持ち上げられるからね」



そう言うと、真っ黒なカラスは羽を広げ、バタバタと羽ばたき、飛んでいきました。







「ねえ、チャイウイ、ヤガラはまだかな?僕お腹すいたよ」

「そうだね、ニャーキー。もうすぐ帰ってくるだろう」

「そうだ、朝ごはんの準備をして待ってよう!チャイウイ、お皿とマグカップをとって!」

「よーし!任せろ!」



チャイウイと呼ばれる小さなねずみは、棚にあるお皿とコップを人差し指で指した。


「そーれ!」


チャイウイが人差し指をテーブルに向けると、棚にあったお皿とマグカップはふわふわと浮き出し、ひとりでにテーブルの方へと向かっていきました。
そしてテーブルの上まで来ると、ゆっくりと着地した。


「ニャーキー、紅茶でも入れよう。火をつけておくれ」

「おっけー!」


ニャーキーと呼ばれる黒猫は、水の入ったやかんに向かって、ふっと息を吐いた。
すると、ニャーキーの口から小さな炎が出て、やかんを包んだ。
瞬く間にやかんの顔は真っ赤になり、ピーという高い声を上げた。





「あ!チャイウイ見て!帰ってきた!」

「ほんとうだね、ちょうどいいタイミングだ」



ニャーキーとチャイウイは窓の方へ駆け寄り、窓を開けた。




「おまたせ、2人とも。」

「待ってたよヤガラ!ちゃんとパンは持ってきた?」

「もちろん。この通り」


ヤガラはパンの入った袋を掲げ、家の中へ入った。



「うん、アールグレイのいい香りだ。清々しい朝だね」

「ヤガラとニャーキーはアイスでいいかい?」

「ああ、ありがとう」

「うん、僕は猫舌だからね」



チャイウイが指でポットを動かし、3人分の紅茶をよそった。


「それじゃあ頂こう」

「「いただきまーす!!」」



テーブルに並んだ焼きたてのパン、上品な香りの透き通った色を放つ紅茶、3人はウキウキした気分で朝を迎えた。





「あ、そうだ。ここに来る途中で不思議な動物達を見たよ」



パンを頬張りながら、ヤガラが言った。


「不思議な動物?」

「そう。あれはここら辺じゃあんまり見ない動物だったな。確か…猿に、リスが3匹、それと…」

「それと?」

「あれはハリネズミかな?いや、ただのタワシかもしれない」

「ハリネズミかたわしかわかんないの?ヤガラの目はどうなってるんだ?」

「うるさいぞ、チャイウイ。とにかく、ここら辺じゃ見ないやつらだったんだ」

「ふ~ん…だってさ、ニャーキー」

「会いに行こう!」

「やっぱりな」

「ふふっ。ニャーキーならそう言うと思った。じゃあ朝ごはんがすんだら早速見に行こう」

「そうしよう!」



3人はその不思議な動物達を見に行くため、早めに朝食を済ませた。
ニャーキーは新しいものやわくわくすることが大好きで、とても活発な猫である。
チャイウイとヤガラはニャーキーに振り回されてばかり。しかしそれも満更でもなさそうだ。




「よし、片付けも済んだことだし…」

「ヤガラ、頼むよ」

「しっかり掴まってろよ」


3人は朝食を済ませ、出かける支度をして外に出た。
ヤガラは翼を広げ、2人の上に飛んだ。


「私の足に掴まれ。落ちたくなかったら離すんじゃないぞ」


ニャーキーは肉球でしっかり掴み、チャイウイは長いしっぽでくるりと巻きついた。


「よ~し、それ!」


ヤガラは翼を羽ばたかせ、空を飛んだ。





「うおー!高い高い!」

「ニャーキー、あまり暴れるんじゃない。バランスが崩れるだろう」

「ああ、ごめんごめん」

「ヤガラ、その動物たちはどこら辺で見たんだい?」

「雑貨屋とお菓子屋の前の道だよ。なんだか迷子みたいでね、気になったんだ。そろそろ見えてくると思うんだけどね…」

「あ!ヤガラ、あれじゃない?」



ニャーキーが指さす方に目をやると、そこには猿と、リスが3匹、そしてハリネズミが1匹見えた。


「あれだ!よし、着地しよう」


ヤガラは少しずつ下に下がっていき、ゆっくりと着地した。
ヤガラ達が着地すると、猿、リス3匹、ハリネズミが振り向いた。



「ん?なんだい、君たちは」


猿が突然現れたヤガラ達に声をかけた。


「こんにちは、僕はニャーキー。君たちはこの街の人?」

「いいえ、私たちは隣の街から来たばかりなの。ここへ来るのは初めてよ」


ハリネズミが答える。



「立派な針だ…」


チャイウイがハリネズミの針を見てうっとりしながら、そう呟いた。


「あら、ありがとう。小さなねずみさん」

「おいらはチャイウイって言うんだ。あなたは?」

「挨拶が遅くなってごめんなさい。私はリリーよ。ハリネズミのリリー。そしてこっちは…」

「俺は猿のフリマル。よろしくな」

「私たちは3つ子のリス!チョッキの色で区別してね!赤いチョッキの私が長女のマイ!青いチョッキが次女のミイ!黄色のチョッキは末っ子のムイ!」

「私はヤガラだ。真っ黒いカラスのヤガラ。よろしく。ところで、なにか探しているようだけど、迷子か何かかい?」


ヤガラはリリーを見つめながら問いかけた。


「私たち、お買い物をしに来たの。この街で有名な虹色の綺麗なティーカップ。午後のティータイムに使いたいんだけど、でもお店がどこか分からなくて…」

「ああ、それなら孔雀のケニーがやってるお店のやつじゃないかい?」

「ケニーの作る食器は一級品だからね!僕たちが案内してあげるよ!」

「え?いいのかい?」

「いいよいいよ!ケニーのお店はここから遠いから、飛んでいったほうが早いかもね」

「確かにそうだね、ここはヤガラの出番だ!」

「チャイウイ、君はまるで自分の手柄のように言うね…」

「はは!ヤガラの手柄は僕の手柄ってね!」

「チャイウイ…」



ヤガラは怪訝な顔をしながらチャイウイを眺めた。


「飛んでいくって、気球か飛行機でもあるんですか?」


マイ、ミイ、ムイが首を傾げながらニャーキーに聞いた。


「大丈夫、ヤガラが居ればどんなとこでもひとっ飛びさ!」

「え?でもこんな人数じゃ運べないでしょう?」

「大丈夫大丈夫、ヤガラは魔法動物だからね!魔法の力でどんなに重たいものでも運べるんだ!」

「それは凄いわね!」

「ほら、そうと決まったら、早速向かおう!」

「はいはい、じゃあ、みんな落ちないようにしっかりと掴まるんだぞ」


みんなはヤガラの周りに集まり、ヤガラの足に捕まった。
羽を羽ばたかせ、ヤガラは空へと飛び立った。



「す、すごいわね…この人数を1人で運んでしまうなんて…」

「へへ、こんなの大したことないさ」

「そうそう、あなた達も魔法動物なのね!」

「そうだよ!…あなた達もってことは、もしかして君たちも?」

「ええ、そうです。わたしたちの街以外にも、魔法動物はいっぱいいるのですね…。私の能力は、この自慢の針を自由自在に操ることが出来るの。上下左右、好きな動きをさせながら飛ばしたり、無限に伸ばしたり、色んなことが出来るわ」

「へー!それは面白いね!フリマルは?」

「俺は、壁や天井、木の上はもちろん、水の上も、何処でも張り付いて歩けるんだ」

「私たちは3人ともかじるのが得意よ!どんなに硬い鉄や金でもかじってしまうわ!ニャーキーとチャイウイはどんな能力を持っているの?」

「おいらは物を自在に操れるんだ!手を使わなくても動かしたりできるぞ!」

「僕は体の中で火を作れるんだ。口から吐いたり、手から出したりできるよ」



みんなはそれぞれの能力を紹介し合い、楽しそうに談笑した。
魔法動物はそれぞれの個性を生かしたり、弱点をカバーするような魔法を持ち、自分にピッタリの魔法を使うことが出来る。




「みんな、そろそろケニーのお店に着くよ」


ヤガラが上からみんなに声をかけた。


「あ!あれだね!」



ニャーキーが指を指したところには、屋根がキラキラと虹色に輝くお店が見えた。



「ティーカップはここで買えるよ、いいものが見つかるといいね」

「ありがとう!ニャーキー、チャイウイ、ヤガラ。本当に助かったわ!」

5人はニャーキーたちにお礼を言い、お辞儀をした。


「そうだ!また今度私たちの街にもおいでよ!みんなでお菓子パーティーをしましょうよ!」


リリーがそういうと、ニャーキーたちは顔を見合わせて、にっこりと笑った。


「ありがとう!もちろんいくよ!」

「これ、私たちの住所よ。空を飛んできたらすぐに着くかもね!」

「わーい!たのしみだなー!」

「私たちの他にも魔法動物の仲間がたくさんいるから、ぜひいらしてね。みんなで待ってるわ」

「うん!僕らもお菓子を作って必ず行くよ!」

「ええ!待ってるわ!」


そしてニャーキーとリリーは握手を交わし、フリマルとヤガラ、マイ・ミイ・ムイの3つ子とチャイウイも握手を交わした。



「じゃあ、またね!」



ニャーキーとチャイウイはヤガラの足に掴まり、空を飛んで帰った。






翌週、リリー達からお茶会のお手紙が届いた。
ニャーキー、チャイウイ、ヤガラの3人は、美味しい紅茶と出来たてのクッキー、ふわふわのマフィンを持って、友達に会いに隣町へと遊びに行きました。



「3人ともいらっしゃい!待ってたわよ!」


美味しそうな焼きたてカップケーキの匂いと、香ばしい焼きマシュマロの匂いが3人の胃袋を刺激した。
リリーに家の中へ招かれ、3人は日が暮れるまでお茶会を楽しみました。
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