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大事なもの
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次の日・・・
タルはペコを探すため、朝から歩き回った。
だが、ペコの姿はどこにも見当たらなかった。
(もう俺とは会ってくれないか…)
タルは朝から晩まで探した。
次の日も、その次の日も・・・
(タルに悪いことしちゃったかな…)
ペコはここ数日家から出ていなかった。あの日のことを思い出し、外に出るのが怖くなってしまったこと、タルとどう向き合えばいいのかわからなくなってしまったこと、色々悩んでいたのだ。
「ペコ、今日は父さんと魚を取りに行こう」
「うん、いくよ」
ペコを心配した両親が、ペコを魚取りへと誘った。
ペコはそんな気分になれなかったが、せっかくの誘いなので行くことにした。
「ペコ、ちゃんと着いてくるんだぞ」
「うん、わかってるよ」
ペコのお父さんはとても優しい人だ。小さい時から目の見えないペコを色んなところに連れていった。ペコが行きたいといえば着いてきてくれて、やりたいことも全てやらせてくれた。ペコに多くの体験をさせてくれたのだ。ペコはそんなお父さんが大好きだった。
「お父さん」
「なんだい?」
「僕ね、最近友達ができたんだ」
「え!?」
ペコのお父さんはとてもびっくりしていた。いや、喜びとも取れる驚き方だった。
「どんな友達なんだい?」
「えっと…その…」
ペコはタルのことを話したかったが、言えなかった。
狼と仲良くすることをお父さんは決して認めてはくれないと思ったからだ。
「言いにくいのかい?」
お父さんは気にしていた。
「その…友達って言うのは…狼なの」
お父さんはさらに驚いていた。驚きすぎて言葉を失っていたようだった。
(怒られるかな…)
ペコは謝ろうと、お父さんの方を見た。
お父さんはじっと黙って何かを考えているようだった。
すると、静かな口調で話し始めた。
「ペコはその子のことが好きなのかい?」
「うん、大好きだよ」
「その子はペコを大事にしてくれるのかい?」
「うん!僕のことを助けてくれるし、いっぱい遊んでくれるの!この前はね~…」
ペコはいつの間にか夢中になってタルの事を話していた。お父さんは嬉しそうに、そして楽しそうにペコの話を聞いていてくれた。
ペコとお父さんは釣りに行くのを忘れてしまうほど話に夢中になっていた。
いつの間にか日が暮れ、2人は帰る支度をした。
「すっかり話に夢中になっちゃったな~、ごめんなペコ、釣りはまた今度にしよう」
「ううん!僕すっごく楽しかった!」
ペコの顔はスッキリしていた。
お父さんも嬉しそうな顔をしていた。
「ペコの友達か~きっと優しい子なんだろうなぁ」
「うん!そうなんだよ!すごく優しいの!」
「はっはっは!そうかそうか!」
2人はまだまだ話し足りない様子で、夕日の中を歩いて帰っていった…。
タルはペコを探すため、朝から歩き回った。
だが、ペコの姿はどこにも見当たらなかった。
(もう俺とは会ってくれないか…)
タルは朝から晩まで探した。
次の日も、その次の日も・・・
(タルに悪いことしちゃったかな…)
ペコはここ数日家から出ていなかった。あの日のことを思い出し、外に出るのが怖くなってしまったこと、タルとどう向き合えばいいのかわからなくなってしまったこと、色々悩んでいたのだ。
「ペコ、今日は父さんと魚を取りに行こう」
「うん、いくよ」
ペコを心配した両親が、ペコを魚取りへと誘った。
ペコはそんな気分になれなかったが、せっかくの誘いなので行くことにした。
「ペコ、ちゃんと着いてくるんだぞ」
「うん、わかってるよ」
ペコのお父さんはとても優しい人だ。小さい時から目の見えないペコを色んなところに連れていった。ペコが行きたいといえば着いてきてくれて、やりたいことも全てやらせてくれた。ペコに多くの体験をさせてくれたのだ。ペコはそんなお父さんが大好きだった。
「お父さん」
「なんだい?」
「僕ね、最近友達ができたんだ」
「え!?」
ペコのお父さんはとてもびっくりしていた。いや、喜びとも取れる驚き方だった。
「どんな友達なんだい?」
「えっと…その…」
ペコはタルのことを話したかったが、言えなかった。
狼と仲良くすることをお父さんは決して認めてはくれないと思ったからだ。
「言いにくいのかい?」
お父さんは気にしていた。
「その…友達って言うのは…狼なの」
お父さんはさらに驚いていた。驚きすぎて言葉を失っていたようだった。
(怒られるかな…)
ペコは謝ろうと、お父さんの方を見た。
お父さんはじっと黙って何かを考えているようだった。
すると、静かな口調で話し始めた。
「ペコはその子のことが好きなのかい?」
「うん、大好きだよ」
「その子はペコを大事にしてくれるのかい?」
「うん!僕のことを助けてくれるし、いっぱい遊んでくれるの!この前はね~…」
ペコはいつの間にか夢中になってタルの事を話していた。お父さんは嬉しそうに、そして楽しそうにペコの話を聞いていてくれた。
ペコとお父さんは釣りに行くのを忘れてしまうほど話に夢中になっていた。
いつの間にか日が暮れ、2人は帰る支度をした。
「すっかり話に夢中になっちゃったな~、ごめんなペコ、釣りはまた今度にしよう」
「ううん!僕すっごく楽しかった!」
ペコの顔はスッキリしていた。
お父さんも嬉しそうな顔をしていた。
「ペコの友達か~きっと優しい子なんだろうなぁ」
「うん!そうなんだよ!すごく優しいの!」
「はっはっは!そうかそうか!」
2人はまだまだ話し足りない様子で、夕日の中を歩いて帰っていった…。
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