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誰もいなくなっちゃった
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とある国に、とてもわがままな王様がいました。
王様はまだ若く、気分屋な性格でした。
毎日毎日わがままを言って、家来たちを困らせていました。
「王様、シュークリームをお持ちしました」
「やだやだ!俺様はアイスクリームが食べたい!」
「し、しかし、先程はシュークリームと…」
「気分が変わった!早くアイスを持ってこい!」
家来は王様に怒鳴られ、急いでアイスクリームを買いに行きました。
「遅いよ~早くしてよ~」
王様は鼻をほじりながら、ため息をつきました。
別の日、王様は犬を飼いたいと言い出しました。
「俺様は大きな大きなかっこいい犬が欲しいんだ!早く持ってこーい!」
「しかし王様…犬を飼うというのは大変でして…お散歩や餌やりなどは出来るのでしょうか…」
「そんなのお前たちの仕事だろ?俺様は忙しんだ!」
「そ、そんなぁ~」
「いいから早く連れてこーーい!!」
そうして王様は、とても大きな犬を手に入れました。
王様は、大きな犬にケロと名付け、可愛がりました。
しかし王様は、全く面倒を見ませんでした。
毎日の餌やりも、毎朝のお散歩も、トイレのしつけも、全て家来たちが手分けして行いました。
そのため、ケロは王様には懐かず、王様はケロを捨てると言いだしました。
これには家来たちも怒ってしまい、王様を懲らしめようと、ある作戦を立てました。
そして、ある晴れた日、王様はゆっくりと目を覚ましました。
「おーい、朝ごはんを持ってきてくれー」
王様はベッドから叫びました。
しかし、いつまで経っても誰も来ません。
「おーい!俺様が呼んでるんだぞ!早くこーい!」
王様はまた叫びますが、それでも誰も来ません。
「全く!家来の奴らは何やってるんだ!」
王様は仕方なくベッドから起き上がり、家来を探しに行きました。
「おーい!おーい!」
王様が何度呼んでも、誰も返事をしません。
それどころか、お城は歩く物音ひとつせず、静まり返っていました。
「誰もいないのか?」
王様はお城を歩き回りますが、誰もいませんでした。
「なんでだ!なんで誰もいないんだ!」
王様は黙っていなくなってしまった家来たちに怒ってしまいました。
すると、王様の頭の上にメモ用紙が落ちてきました。
「ん?なんだこれ?なんか書いてあるぞ。なになに…」
王様へ
わたしたち家来は、もう王様について行けません。
これからは、料理に洗濯、お城のお掃除を一人で頑張ってください。
ケロは連れていきます。
お元気で さようなら。
「な、なんだってーーー!?!?」
王様はメモ用紙を見てびっくり。その場にひっくり返ってしまいました。
そして、お城の中をくまなく探しましたが、やはり誰もいませんでした。
「ちくしょ~!ふん、いいさ!そっちがその気なら!」
王様は開き直り、1人で暮らす決意をしました。
「さあ、まずは洗濯からだ!」
王様はしばらく洗濯機とにらめっこ。
「えっと…どうやるんだ?」
もちろん洗濯なんてしたことがありません。
洗濯機の使い方なんて、これっぽっちも知りません。
「まあいいか!明日やろう!」
王様は洗濯ものを放り出して、キッチンへ向かいました。
「さて、今度は料理だ」
お腹がすいた王様は、カレーライスを作ろうとしました。
「えっと…どうやるんだ?」
これまた、料理の仕方が分かりません。
もちろん、食材がどこにあるのかも知りませんし、調理器具の使い方なんてもってのほか。
「ええい!今日はお菓子で我慢してやる!」
王様はお菓子を大量に持ち出し、ベッドで食べました。
「よし!今度こそ!」
満腹になった王様は、今度はお掃除をしようとしました。
「えっと…どこにあるんだ?」
王様は汚いものが嫌いです。そのため、掃除なんてしたことありません。
「くそ~!こんなところにホコリが積もってる!ここにも!…もういいや!」
王様はホコリを見るだけで嫌になり、掃除を辞めました。
そして、結局何もしないまま、いつの間にか夜になりました。
「はぁ…なんだか眠れないな…」
いつもは家来に絵本を読んでもらって眠りにつく王様。
しかし今日は読み聞かせをしてくれる家来がいません。
王様は、だんだん寂しくなってきました。
「こんなことなら、わがままなんて言わないで、もっとみんなに優しくしておけばよかったな…」
王様の目から小さな涙のつぶが流れました。
「みんな、ごめんなさい。これからはちゃんとした王様になります。わがままも言わないし、みんなに優しくするし、ケロの面倒だってちゃんとみます。だから、だから…」
王様の枕はいつのまにかびしゃびしゃになっていました。
「だから…帰ってきて!」
王様がそう呟くと、いきなり王様の部屋の扉が開きました。
「王様、わたしたちのありがたみがわかってくれましたか?」
扉を開けたのは、出ていったはずの王様の家来たちでした。
「な、なんでここに!?」
「王様が寂しがっているだろうと思って、帰ってきました」
王様はベッドから飛び起きて、家来たちに抱きつきました。
「ごめんなさい!心を入れ替えて、立派な王様になります!だから、もうどこにも行かないで!」
王様は泣きながらそう訴えました。
「大丈夫ですよ。王様が分かってくれたのならば、もうどこにも行きません」
家来は王様に優しい言葉をかけました。
そして、王様はベッドに戻り、家来の読み聞かせを聴きながら安心したように眠ってしまいました。
次の日から、王様は変わりました。
わがままを言うことも無くなり、困っている家来がいたら真っ先に助けるようになりました。
そして、洗濯、料理、掃除もお手伝いするようになり、みんなから頼られる王様になりました。
それから、数年たっても、何十年経っても、王様は立派な王様だったと語り継がれていくようになりました。
王様はまだ若く、気分屋な性格でした。
毎日毎日わがままを言って、家来たちを困らせていました。
「王様、シュークリームをお持ちしました」
「やだやだ!俺様はアイスクリームが食べたい!」
「し、しかし、先程はシュークリームと…」
「気分が変わった!早くアイスを持ってこい!」
家来は王様に怒鳴られ、急いでアイスクリームを買いに行きました。
「遅いよ~早くしてよ~」
王様は鼻をほじりながら、ため息をつきました。
別の日、王様は犬を飼いたいと言い出しました。
「俺様は大きな大きなかっこいい犬が欲しいんだ!早く持ってこーい!」
「しかし王様…犬を飼うというのは大変でして…お散歩や餌やりなどは出来るのでしょうか…」
「そんなのお前たちの仕事だろ?俺様は忙しんだ!」
「そ、そんなぁ~」
「いいから早く連れてこーーい!!」
そうして王様は、とても大きな犬を手に入れました。
王様は、大きな犬にケロと名付け、可愛がりました。
しかし王様は、全く面倒を見ませんでした。
毎日の餌やりも、毎朝のお散歩も、トイレのしつけも、全て家来たちが手分けして行いました。
そのため、ケロは王様には懐かず、王様はケロを捨てると言いだしました。
これには家来たちも怒ってしまい、王様を懲らしめようと、ある作戦を立てました。
そして、ある晴れた日、王様はゆっくりと目を覚ましました。
「おーい、朝ごはんを持ってきてくれー」
王様はベッドから叫びました。
しかし、いつまで経っても誰も来ません。
「おーい!俺様が呼んでるんだぞ!早くこーい!」
王様はまた叫びますが、それでも誰も来ません。
「全く!家来の奴らは何やってるんだ!」
王様は仕方なくベッドから起き上がり、家来を探しに行きました。
「おーい!おーい!」
王様が何度呼んでも、誰も返事をしません。
それどころか、お城は歩く物音ひとつせず、静まり返っていました。
「誰もいないのか?」
王様はお城を歩き回りますが、誰もいませんでした。
「なんでだ!なんで誰もいないんだ!」
王様は黙っていなくなってしまった家来たちに怒ってしまいました。
すると、王様の頭の上にメモ用紙が落ちてきました。
「ん?なんだこれ?なんか書いてあるぞ。なになに…」
王様へ
わたしたち家来は、もう王様について行けません。
これからは、料理に洗濯、お城のお掃除を一人で頑張ってください。
ケロは連れていきます。
お元気で さようなら。
「な、なんだってーーー!?!?」
王様はメモ用紙を見てびっくり。その場にひっくり返ってしまいました。
そして、お城の中をくまなく探しましたが、やはり誰もいませんでした。
「ちくしょ~!ふん、いいさ!そっちがその気なら!」
王様は開き直り、1人で暮らす決意をしました。
「さあ、まずは洗濯からだ!」
王様はしばらく洗濯機とにらめっこ。
「えっと…どうやるんだ?」
もちろん洗濯なんてしたことがありません。
洗濯機の使い方なんて、これっぽっちも知りません。
「まあいいか!明日やろう!」
王様は洗濯ものを放り出して、キッチンへ向かいました。
「さて、今度は料理だ」
お腹がすいた王様は、カレーライスを作ろうとしました。
「えっと…どうやるんだ?」
これまた、料理の仕方が分かりません。
もちろん、食材がどこにあるのかも知りませんし、調理器具の使い方なんてもってのほか。
「ええい!今日はお菓子で我慢してやる!」
王様はお菓子を大量に持ち出し、ベッドで食べました。
「よし!今度こそ!」
満腹になった王様は、今度はお掃除をしようとしました。
「えっと…どこにあるんだ?」
王様は汚いものが嫌いです。そのため、掃除なんてしたことありません。
「くそ~!こんなところにホコリが積もってる!ここにも!…もういいや!」
王様はホコリを見るだけで嫌になり、掃除を辞めました。
そして、結局何もしないまま、いつの間にか夜になりました。
「はぁ…なんだか眠れないな…」
いつもは家来に絵本を読んでもらって眠りにつく王様。
しかし今日は読み聞かせをしてくれる家来がいません。
王様は、だんだん寂しくなってきました。
「こんなことなら、わがままなんて言わないで、もっとみんなに優しくしておけばよかったな…」
王様の目から小さな涙のつぶが流れました。
「みんな、ごめんなさい。これからはちゃんとした王様になります。わがままも言わないし、みんなに優しくするし、ケロの面倒だってちゃんとみます。だから、だから…」
王様の枕はいつのまにかびしゃびしゃになっていました。
「だから…帰ってきて!」
王様がそう呟くと、いきなり王様の部屋の扉が開きました。
「王様、わたしたちのありがたみがわかってくれましたか?」
扉を開けたのは、出ていったはずの王様の家来たちでした。
「な、なんでここに!?」
「王様が寂しがっているだろうと思って、帰ってきました」
王様はベッドから飛び起きて、家来たちに抱きつきました。
「ごめんなさい!心を入れ替えて、立派な王様になります!だから、もうどこにも行かないで!」
王様は泣きながらそう訴えました。
「大丈夫ですよ。王様が分かってくれたのならば、もうどこにも行きません」
家来は王様に優しい言葉をかけました。
そして、王様はベッドに戻り、家来の読み聞かせを聴きながら安心したように眠ってしまいました。
次の日から、王様は変わりました。
わがままを言うことも無くなり、困っている家来がいたら真っ先に助けるようになりました。
そして、洗濯、料理、掃除もお手伝いするようになり、みんなから頼られる王様になりました。
それから、数年たっても、何十年経っても、王様は立派な王様だったと語り継がれていくようになりました。
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