絵本 メリーさん

るい

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【絵本】メリーさん

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よる9時。
3人の子供たちは、テレビを見て遊んでいます。

「あ、もうこんな時間だ。僕もう寝るよ。」

「ほんとうだ。急いで寝る準備して、お布団に入らなきゃ!」

「えー、もう寝るの?私、まだまだテレビ見たいよ~。」


三人兄弟のしゅんくん、こうくん、まりちゃんは、テレビを見る時間がとても大好き。
毎日お風呂の後に、3人でテレビを見るのが日課です。

「でも、9時をすぎたら寝ないと、怖いことが起こるってママが言ってたよ。」

「そうだよ。夜中まで遊んでいる子のところには、メリーさんがやってくるんだよ。それで、メリーさんの家に連れていかれちゃうんだよ。」

しゅんくんとこうくんは、急いで寝る準備をします。

「えーやだやだ!私まだテレビ見たいもん!メリーさんなんて怖くないよ。みんなで見ようよ!」

まりちゃんは、テレビに夢中でまだ寝たくないようです。

「そんなこと言ってると、ほんとにメリーさんに連れていかれちゃうよ?」

「メリーさんのお家って、真っ暗で誰もいなくて、とっても怖いらしいよ。」

しゅんくんとこうくんは、まりちゃんを説得します。

「大丈夫だよ!メリーさんなんて来ないし、ほんとに怖くないもん!今日は寝なーい。」

まりちゃんは言うことを聞かず、テレビの前から動きません。

「僕知らないよ…。先に寝るからね」

「僕ももう寝る。眠たくなっちゃったし。おやすみ~。」

2人はまりちゃんを放っておいて、先に寝ることにしました。

「2人とも怖がりなんだから~。メリーさんなんてくるわけないじゃん。どうせ、ママの作り話だよ。
テレビ面白~い!」

まりちゃんは時間を忘れて、テレビを見続けました。


そして、よる0時。

「は~あ、面白かった~。もうこんな時間か~。眠くなってきたし、そろそろ寝ようかな…。」

まりちゃんはテレビを消して、寝る準備を始めました。

「そういえばしゅんくんたち、メリーさん来るって言ってたけど、全然来ないじゃん。やっぱりママの嘘だったんだ。」

まりちゃんはあくびをしながら歯磨きを終えると、リビングの電気を消して、寝室に行こうとしました。

すると…。

プルルルル。プルルルル。

リビングの電話がなりました。

「え?こんな時間に、誰だろう?ママもパパも寝てるし…」

まりちゃんは受話器をそっと取り、耳に当てました。

「もしもし?誰ですか?」

受話器から、か細い声が聞こえました。

「わたし、メリーさん。今、公園にいるの。」

電話の相手は、メリーさん。

「え??メリーさん?もしかして、いたずら電話ですか?」

まりちゃんが聞いても、メリーさんは答えません。

ツー。ツー。

いつの間にか、電話は切れていました。

「メリーさん…。そんなわけないよね!きっとこうくん達のいたずらだよ!」

まりちゃんは確かめるため、しゅんくんたちの寝ている寝室へ向かいました。
寝室では、しゅんくんとこうくんがぐっすり寝ていました。

「あれ?2人とも寝てる…。じゃああれは、何だったの…?」

プルルルル。プルルルル。

また、リビングの電話がなりました。

「え!?また電話だ…。」

まりちゃんはもう一度リビングに戻り、受話器を取りました。

「も、もしもし?」

「わたし、メリーさん。今、あなたのお家に向かっているの。」

ツー。ツー。

電話はすぐに切れてしまいました。

「私のお家に…?メリーさんが来ちゃう!」

まりちゃんは怖くなって、パパとママの眠る寝室へ向かいました。

「ママ!パパ!起きて!メリーさんが来ちゃう!」

まりちゃんは必死に2人を起こしました。
しかし、ママもパパも全く起きません。
まりちゃんの声が聞こえていないように、眠り続けています。

「どうして…。そ、そうだ!鍵をかければ、メリーさんは入れないから安全なはず!」

まりちゃんは急いで玄関に向かい、鍵をかけました。
そしてまた、リビングの電話がなりました。

「は、はい…」

「わたし、メリーさん。今、おうちの前にいるの。」

「え…!!」

まりちゃんは思わず受話器を落としてしまいました。

「で、でも鍵がかかってるから、メリーさんは入ってこられないはず…」

まりちゃんはソファの裏に隠れ、玄関の様子を伺います。全身が脈を打ち、心臓の音が耳元で聞こえます。

「こ、こわいよぉ…。」

まりちゃんはじっと動かず、隠れていました。

プルルルル。プルルルル。
また、電話がなります。

「わたし、メリーさん。今、扉の前にいるの。」

まりちゃんは慌ててリビングの扉を見ました。
しかし、メリーさんがいる様子はありません。

「な、なんだ…。やっぱり誰かのイタズラだったんだ…。」

まりちゃんは少し安心しました。

「は、はやく寝室に行こう…。はやく寝なきゃ…。」

まりちゃんはそっと立ち上がり、ドアノブに手をかけました。
そしてゆっくりと、リビングの扉を開けました。

「ほ、ほらね…やっぱり誰もいないじゃん…。」

プルルルル。プルルルル。
リビングを出ようとした時、また電話がなりました。

「わたし、メリーさん。今…」


まりちゃんは後ろになにかの気配を感じ、振り向きました。

「あなたのうしろにいるの。」



次の日、しゅんくんとこうくんが起きると、リビングがぐちゃぐちゃに散らかっていました。

「なんだこれ!泥棒でも入ったの!?」

慌ててママとパパを起こしました。

「これはひどい…。すぐに警察を呼ぼう!」


すぐに警察が到着して、部屋を調べていました。
すると警察は、何かを持ってママとパパの所へやって来ました。

「これがソファの下に落ちていました。なにか心当たりはありますか?」

警察が持っていたものは、まりちゃんがとても大切にしていた女の子用のお人形。
まりちゃんの一番の友達でした。

「いいえ…?なぜ女の子のおもちゃが家に…?家には…」




「男の子しかいませんよ。」




メリーさんに連れていかれたまりちゃんは、暗い部屋でずっとずっと泣いていました。

「ママ…パパ…しゅんくん…こうくん…」

まりちゃんはずっとずっと泣いていました。

メリーさんの暗い部屋には、メリーさんの笑い声と他にも連れ去られた子供たちの鳴き声だけが響いていました。
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