あの日から彼は口を聞いてくれない

廃墟のアリス

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第1話 あの日から彼は口を聞いてくれない

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12月25日午後7時30分。
私は彼氏の冬真とクリスマスデートに行く予定だった。なのに運悪く私は行けなくなってしまい、結局ドタキャン。
せめて連絡くらいはしようと思ったけどそんな時間もなく、そのまま私は次の日を迎えてしまった。
確かにあの日の私の冬真への対応は確かに酷かったと自分でも思う。
(でも…でも……!!無視は酷くない!?)
そう、あの日から彼は口を聞いてくれない。

「ねぇ冬真…!まだ怒ってるの…?ごめんって。私だって楽しみにしてたんだよ?」

「………………………」

一向に口を開こうとしない冬真。正直心が折れそうだった。でも私だって絶対折れてやらないんだから…!

「た、確かに連絡もなくドタキャンした私が悪いけど…、そんなに無視しなくてもいいじゃん…。ねぇ、聞いてるの?ねぇってば!」

「……………………」

(むぅ……。なぜだ…なぜこんなにも頑なに喋ろうとしないのだ。私だって…私だってホントは行きたかったのに。)

「ねぇ、私どうすればいい?どうしたら私と話してくれるの?……黙ってたってわからないじゃん!!ねぇ……教えてよ…っ」

「はぁ………………」

冬真がため息をつく。

「………ッ!もういい!奏ちゃん怒りました!そっちがその気なら私だって相応の態度とってやるんだから!もう帰っちゃんもんね!」

「………………」

こう言っても冬真の表情は一切変わらない。口元も動く気配がない。
(私…、嫌われちゃったのかな)
かれこれ一ヶ月も彼と話せてない。

「……どうしたら、喋ってもらえるの?どうしたら…、気づいてもらえるの…?」

………なんて呟いても結局何も変わらない。
もう…、諦めようかな。そしたらきっと私は楽になれる。でも……………

「………とりあえず、帰ろう」

今日はとりあえずこれで終わりにしよう。
また明日、頑張ればいい。
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