考える葦だって

文字の大きさ
上 下
3 / 5

かき氷

しおりを挟む
暑い。熱い。あっつい。
たいそうな熱帯夜。

もう23時だというのに。
アッツイアッツイ。

身体がアツアツ。汗はじんわり。
体温を下げなければ。
命に関わる。仕方あるまい。

ソサクサと冷凍庫を開ける。
ジッと見渡し一度閉める。

さて。さてさてさて。

練乳。いちご練乳。あずき。抹茶。コーヒー。果実。

いやはやいやはや。
結構買ってた。カップのかき氷。

再度確認。
練乳。いちご練乳。あずき。抹茶。コーヒー。果実。

どれもひとつずつ。
メロンはなかった。ソーダもなかった。うむ。
うむ。…。

ん~~~~。
選択肢多すぎやん。ありすぎや。

えーーと。
ここは一先ず消去法だな。うん。消去法。

うーん。
まずは…っと。

コーヒー。これは昼だな。うん。昼だ。今ではない。

お次はっと…
果実。うん。これはご褒美系だな。体温下げる用ではないな。

抹茶もデザート系だな。お上品だわ。

さて。
練乳。いちご練乳。あずき。
大事なことなのでもう一度。

練乳。いちご練乳。あずき。

ここからは三つ巴の戦いだ。

が、いちご練乳。
キミは何だかこの戦いにはそぐわない気がするぞ。
ちょっと可愛い過ぎないかw

さあ佳境だ。
右コーナー、練乳!
左コーナー、あずき!

んーーー。
良いよね。どちらも良いよね。
んーーーーーー。

今食すべきかどちらの巨星かッ
おお神よ…!

ーーーー。

はんぶんこ…。

そうだ!天才か!!
はんぶんこにしよう!!!
天啓だ!!!!

心晴れやかに冷凍庫から練乳とあずきを取り出す。
皿も用意し、いざはんぶんこ。

特に意図せず手前のあずきから。
蓋をカパっと外すとシャクシャク感満載のかき氷がコンバンハ!

真ん中にエイヤとスプーンを突き立てるーー。

かっ、た…。

固いです。ええ。固いですね。
ちょっと固すぎやしませんかね。
固いのはバーだけでイイんですけどね。

なんとか半分にと、ザクザク続ける。
ザクザクザクザクザクザク。
表面はスプーンが入るようになったが、
底がまだ固い。

ふと顔を上げる。
ガラスに反射した真顔な自分にちょっと吹き出してしまった。

やれやれだぜ。
と、表面の柔らかくなった氷をスプーンで削り取り口へと運ぶ。
ひょ~~~。コレコレ!
冷え冷えシャクシャクと、
あずきのほんのりとした甘さが最高です。

走り出したら止まらない。
氷を削っては食べ削っては食べ。

潔く練乳は冷凍庫に戻し、
今夜はあずき氷で確定です!







しおりを挟む

処理中です...