考える葦だって

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ラーメン

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外に出ると、
飲み会上がりの人々が元気にごちそう様!のかけ声。
また明日!気をつけてー。

仕事終わりの俺との差よ。
だがやっとこ終わらせてなんとか締め日に間に合わせる事が出来た。
勲章ものでしょう!

無理と分かっていても、こなさなければならない時もある。
ああ無情。残業代は出るのは救いだな。

さて御褒美タイムの始まりだ。
23時という時間。開いている店も限られてくる。

だがしかし。ビバ。大都会。
結構な選択肢がある。

だがしかしかし。
決めていたのだ。

俺、これが終わったら、ラーメン食べる。って。

ラーメン!ラーメン!
さて何にしようか。

ラーメンには言わずもがな、
沢山の宗派がある。
門戸は広く開け放たれている
ああ、ここは大都会。
そこらかしこに様々な宗派が!

さらに門を叩いてみれば、
そこからも派生が!

しょうゆ。塩。味噌。
坦々麺。ワンタン麺。エトセトラエトセトラ。

ふむ。

今夜はここだ。

ガラリと戸を開けると、元気なヘイラッシャイ!
券売機でお目当てを。

食券をカウンターに置く。
店員さんが注文内容を確認し、千切った半券を厨房へ。

クールタイム。
待ち切れない態度を表に出さないよう、
進行状況は気にしてませんよと。
さも興味がない風でスマフォに目をおとす。

耳はビンビンです!
俺のラーメンの進行状況はどの辺りかな。
心ソワソワ。

そろそろといったところで店員さんが声を掛けてくる。
待ってましたと、だがそんな待ってませんよと。
ワクテカな心を見透かされないよう、
努めて通常のトーンで呪文を唱える。

ヤサイニンニクアブラカラメ

ーーー。

満足。
疲れた身体に脂が染み込む。
あっさり淡麗ラーメンでは味わえない背徳感。
素晴らしい。

至福の時を終え、終電を目指す。
時間確認でスマホを見ると、
業務連絡が届いていた。

お疲れ様と。こんな時間にゴメンネと。
明日は代休でお休みしてねと。

マヂか!
明日は休み!いやっふ~~~~!
さすが上司!サスジョウ!

……。………。


ニンニクマシマシにすれば良かったな…。


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