264 / 266
第三部
3ー47 板挟みの立場
しおりを挟む
オレたちは秘密の地下道を抜けて王宮の中庭へ。
人目につかないようコソコソ進み、宮廷内の回廊をやっぱりコソコソ歩いた。
下働きに見つかるくらいは平気だが、将官クラスはマズイらしい。
相手によってはグランに筒抜けになる。
だから延々コソ泥のようにコソコソ進んだコソ。
なるべく目立たないルートを選んでくれたらしく、誰とも行きあう事なく王の居室まで辿り着いた。
プリニシア王の名前はフィリップ・ロード・プリニシアというらしい。
滅茶苦茶かっこええ。
「状況のせいで茶の用意も出来ぬ。まずはそこを詫びよう」
「かまわねえよ。暇つぶしで来た訳じゃない」
「さて魔王殿。どのような話から始めようか。質問を受ける形で良いのか?」
「それで良いぞ。まずはさっきの件だ。1発目はともかく、2発目はオレの事を試したな?」
「ライル。私にはわからない。どうしてそうなるの」
「1発目はオレを狙ったものだが、実は周りにもちゃんと配慮してたんだよ。仮にオレが避けても被害なんか出ない角度だった。だが2発目は違う。明らかに背後の建物を巻き込むものだった」
「まぁそうかもなぁ。あの時、ダンナのすぐ後ろには兵舎、砲の威力次第じゃ居住区まで飛んだかもしれねぇ」
「フィリップが実はすげぇ暴君っつうなら納得がいったが、違うようだ。しかも2発目は狙いを定めてから発射まで時間がかかった。きっと何らかの計算がされてたはずだ」
「ふふふ。そこまで読み解かれてしまったか……」
フィリップは曇りの無い笑みを見せた。
悔しさとか、負の感情は一切感じられない。
「ご明察。1射目は、多少の殺意があった。この程度の攻撃で死ぬようであれば、グラン討伐など不可能であるからな。そして見事初撃を凌いだ。私はそこで降参しようとしたのだが、貴殿は言った。『その自信ごと打ち砕いてやる』と。私はつい見たくなってしまった。暴虐の限りを尽くす、技術力で有頂天となっているグランの力が敗れ去るところを。そして2射目を放った。結果はご存知のとおりだ」
「随分大げさに聞こえるが、あの発言に深い意味はないぞ。ムカっ腹が立っただけだ」
「純粋な言葉だったのだろう。だから一層胸を打ったのかもしれぬ」
そんなもんかねぇ、と思う。
本当に出任せみたいなセリフだったんだが、一大決心の引き金みたいに言われると恥ずかしくなる。
どうせなら歴史に残せるような言葉を選べば良かったと、少しだけ後悔した。
「じゃあさっきの件はいいや。次の質問は、お前の腹の中かな」
「どうぞ。何なりと」
「東方諸国に虐げられたレジスタリアからすれば、お前もグランも敵であり、悪なんだよ。大人は殺され、食物や物資は奪われ、若い連中は仕事の斡旋をエサに攫われた。それについてはどう思う?」
「口先で詫びるなら幾度でも詫びようが、それには意味を見いだせないだろうな」
「どんな連中が先導し、儲けて、或いは胸を痛めたりしたかが知りたい」
「ふむ。では内情の話となるな」
フィリップはしばらく黙り込んだ。
片手を口に添えて、思索に耽っている。
悪巧みや嘘の算段中……とは思いたくない。
「黒幕はグランに間違いないが、誰が先導しているかまでは知らぬ。申し訳ない。略奪品の配分は、こちらにほとんど回ってきていない。せいぜい10
のうち2、3という程度だ」
「何だそれ。せいぜい実費分ってもんじゃねえか」
「むしろ赤字であったのだが、連中には逆らえぬ。そして、強硬策に異を唱えた者だが、少なからず居た。特に10年前の大掛かりな侵攻が起きる前だな。反対派に有力貴族や将官も居たのだが、不審死がいくつか続くと、誰もが口を噤(つぐ)むようになったのだ」
「暗殺……か。止められなかったのか?」
「余程の手練れらしく、一切の証拠を見つけ出せなかった。となると、自然死や事故死として処理せざるを得ず。追及など夢のまた夢であった」
「親グラン派がたくさん居るそうだが、その事件が絡んでいるのか?」
「おそらく。我が王家に媚びても栄華は極められぬ。さらには身の安全すら危ういとなれば、大抵のものは鞍替えをしてしまうだろう。信における者と言えば、そこのレクター卿かユリウス卿くらいのものだ」
「……もったいなきお言葉」
「重ね重ね、すまぬ。そなたほどの忠臣を己の力で守ってやれなかったことは、今も悔やまれてならぬ」
「もはや過ぎた事にございます。こうして一族ともども命があるのですから、お気になさいますな」
またまた懺悔と労わりみたいな会話が起こる。
仲良いなほんと、いっそ付き合っちゃえよ。
それはさておき。
ある程度話を聞き終えて、この国の実情が見えてきた。
グランと一緒になって暴れまわってるのかと思いきや、半ば脅迫されての行動だったわけだ。
逆らえば死。
だったら、勝ち馬に乗って略奪や侵略をした方がずっと良い、という考えに至ったと。
腹が立たなくもないが、それも処世術というヤツなのかもしれない。
誰しも魔王になれる訳じゃないしな。
「じゃあ最後にひとつだけ良いか?」
「ひとつだけと言わず、お好きなだけ」
「これからお前らはどうする? それだけ脅されてるなら、レジスタリアに侵攻しない訳にはいかないだろ? そのための兵器なんだし」
「その事についてなのだが……貴殿にご協力いただけたら、引き延ばす事が可能だ。更に言えば、時間を稼いで貰えれば、反グラン勢力を形成する用意がある」
「ふぅん。悪くなさそうな話だ。オレに何をさせたい?」
「都より北東に行くとタク山という名峰がある。その近くにとある施設があるのだが、そこを陥(お)としてほしい」
「よくわかんねえが、重要なもんなんだろうな」
「獣人の収容所だ。囚われたものたちは今この瞬間も生命の危機に瀕している」
「世直し、人助けの為?」
「いいや。実益のためだ。かの収容所は限られたものしか知らぬ。私とて詳細までは知らされておらぬが、強力な魔水晶を生成しているらしい」
これは穏やかな話じゃないな。
話が事実なら警備は相当厳重だろう。
でも協力して得られるものも大きいし、何より獣人を放っておきたくはない。
「いいぞ。やってやる。その代わり約束は守れよ」
「勢力の結成についてだな。もちろんだとも」
「わかった。よろしく頼む」
「……となると、私は仲間と認めて貰えたのかな?」
「今後の働き次第だ。さっきの話が出任せだったら許さないし、嘘まみれだったら命を奪うかもな」
「なら安心して欲しい。事実誤認くらいはあったかもしれぬが、私の想いに偽り無い」
真っ直ぐな眼をしてやがる。
美形のオッサンに見つめられるシチュエーションってのも困りもんだな。
エリシアの鼻息がうるせえし。
「そうだ、魔王殿。手持ちの武器が壊れていたな。替えのものは?」
「あいにく、何もねえ。一旦本拠地に帰ろうかと思ってた」
「では友好の証も込めて、こちらを進呈しよう」
フィリップが壁に飾っていた剣を鞘ごと手渡してきた。
派手な装飾のないシンプルな作りだが、妙な迫力のあるものだった。
試しに少しだけ刃を拝んでみたが、美しさを感じるほどに鋭い。
これは知る人ぞ知る名剣かもしれないな。
「この剣だが、由緒正しいものだ。銘を『聖剣ミレイア』という」
「おいその呼び名ちょっと待て」
「聖剣ミレイアですって!?」
これまで無言だったエリシアが色をなした。
一体何を慌ててんだか。
前世のお前ならいざしらず、ミレイアの事なんか知らないだろうに。
「その剣は……伝説の細工師グレンが、亡き妹のために打った唯一無二の名剣! それが何故ここに!?」
「我が父祖が、当時のレジスタリア王より譲り受けたものだ。外交取引の中でやり取りがあったようだ」
「おい、グレンは伝説の男って呼ばれてんのか?」
「ライルは物を知らなすぎる。割と有名な話」
「悪かったな! でも、そうかぁ。あのグレン兄様がなぁ……」
グレンは伝説の細工師で、クライスは伝説の宰相ねぇ。
なんだか知った顔が大出世してて、魔王さんは嬉しい限りだよ。
クライスは別にどうでも良いが。
オレは丁重に剣を受け取り、腰に差した。
アイツの名前で敵をバッサバッサ斬るのは少しためらわれるが、もはや言うだけ野暮だろう。
これから頼むぞ、ミレイア。
そして剣をありがとう、グレン。
人目につかないようコソコソ進み、宮廷内の回廊をやっぱりコソコソ歩いた。
下働きに見つかるくらいは平気だが、将官クラスはマズイらしい。
相手によってはグランに筒抜けになる。
だから延々コソ泥のようにコソコソ進んだコソ。
なるべく目立たないルートを選んでくれたらしく、誰とも行きあう事なく王の居室まで辿り着いた。
プリニシア王の名前はフィリップ・ロード・プリニシアというらしい。
滅茶苦茶かっこええ。
「状況のせいで茶の用意も出来ぬ。まずはそこを詫びよう」
「かまわねえよ。暇つぶしで来た訳じゃない」
「さて魔王殿。どのような話から始めようか。質問を受ける形で良いのか?」
「それで良いぞ。まずはさっきの件だ。1発目はともかく、2発目はオレの事を試したな?」
「ライル。私にはわからない。どうしてそうなるの」
「1発目はオレを狙ったものだが、実は周りにもちゃんと配慮してたんだよ。仮にオレが避けても被害なんか出ない角度だった。だが2発目は違う。明らかに背後の建物を巻き込むものだった」
「まぁそうかもなぁ。あの時、ダンナのすぐ後ろには兵舎、砲の威力次第じゃ居住区まで飛んだかもしれねぇ」
「フィリップが実はすげぇ暴君っつうなら納得がいったが、違うようだ。しかも2発目は狙いを定めてから発射まで時間がかかった。きっと何らかの計算がされてたはずだ」
「ふふふ。そこまで読み解かれてしまったか……」
フィリップは曇りの無い笑みを見せた。
悔しさとか、負の感情は一切感じられない。
「ご明察。1射目は、多少の殺意があった。この程度の攻撃で死ぬようであれば、グラン討伐など不可能であるからな。そして見事初撃を凌いだ。私はそこで降参しようとしたのだが、貴殿は言った。『その自信ごと打ち砕いてやる』と。私はつい見たくなってしまった。暴虐の限りを尽くす、技術力で有頂天となっているグランの力が敗れ去るところを。そして2射目を放った。結果はご存知のとおりだ」
「随分大げさに聞こえるが、あの発言に深い意味はないぞ。ムカっ腹が立っただけだ」
「純粋な言葉だったのだろう。だから一層胸を打ったのかもしれぬ」
そんなもんかねぇ、と思う。
本当に出任せみたいなセリフだったんだが、一大決心の引き金みたいに言われると恥ずかしくなる。
どうせなら歴史に残せるような言葉を選べば良かったと、少しだけ後悔した。
「じゃあさっきの件はいいや。次の質問は、お前の腹の中かな」
「どうぞ。何なりと」
「東方諸国に虐げられたレジスタリアからすれば、お前もグランも敵であり、悪なんだよ。大人は殺され、食物や物資は奪われ、若い連中は仕事の斡旋をエサに攫われた。それについてはどう思う?」
「口先で詫びるなら幾度でも詫びようが、それには意味を見いだせないだろうな」
「どんな連中が先導し、儲けて、或いは胸を痛めたりしたかが知りたい」
「ふむ。では内情の話となるな」
フィリップはしばらく黙り込んだ。
片手を口に添えて、思索に耽っている。
悪巧みや嘘の算段中……とは思いたくない。
「黒幕はグランに間違いないが、誰が先導しているかまでは知らぬ。申し訳ない。略奪品の配分は、こちらにほとんど回ってきていない。せいぜい10
のうち2、3という程度だ」
「何だそれ。せいぜい実費分ってもんじゃねえか」
「むしろ赤字であったのだが、連中には逆らえぬ。そして、強硬策に異を唱えた者だが、少なからず居た。特に10年前の大掛かりな侵攻が起きる前だな。反対派に有力貴族や将官も居たのだが、不審死がいくつか続くと、誰もが口を噤(つぐ)むようになったのだ」
「暗殺……か。止められなかったのか?」
「余程の手練れらしく、一切の証拠を見つけ出せなかった。となると、自然死や事故死として処理せざるを得ず。追及など夢のまた夢であった」
「親グラン派がたくさん居るそうだが、その事件が絡んでいるのか?」
「おそらく。我が王家に媚びても栄華は極められぬ。さらには身の安全すら危ういとなれば、大抵のものは鞍替えをしてしまうだろう。信における者と言えば、そこのレクター卿かユリウス卿くらいのものだ」
「……もったいなきお言葉」
「重ね重ね、すまぬ。そなたほどの忠臣を己の力で守ってやれなかったことは、今も悔やまれてならぬ」
「もはや過ぎた事にございます。こうして一族ともども命があるのですから、お気になさいますな」
またまた懺悔と労わりみたいな会話が起こる。
仲良いなほんと、いっそ付き合っちゃえよ。
それはさておき。
ある程度話を聞き終えて、この国の実情が見えてきた。
グランと一緒になって暴れまわってるのかと思いきや、半ば脅迫されての行動だったわけだ。
逆らえば死。
だったら、勝ち馬に乗って略奪や侵略をした方がずっと良い、という考えに至ったと。
腹が立たなくもないが、それも処世術というヤツなのかもしれない。
誰しも魔王になれる訳じゃないしな。
「じゃあ最後にひとつだけ良いか?」
「ひとつだけと言わず、お好きなだけ」
「これからお前らはどうする? それだけ脅されてるなら、レジスタリアに侵攻しない訳にはいかないだろ? そのための兵器なんだし」
「その事についてなのだが……貴殿にご協力いただけたら、引き延ばす事が可能だ。更に言えば、時間を稼いで貰えれば、反グラン勢力を形成する用意がある」
「ふぅん。悪くなさそうな話だ。オレに何をさせたい?」
「都より北東に行くとタク山という名峰がある。その近くにとある施設があるのだが、そこを陥(お)としてほしい」
「よくわかんねえが、重要なもんなんだろうな」
「獣人の収容所だ。囚われたものたちは今この瞬間も生命の危機に瀕している」
「世直し、人助けの為?」
「いいや。実益のためだ。かの収容所は限られたものしか知らぬ。私とて詳細までは知らされておらぬが、強力な魔水晶を生成しているらしい」
これは穏やかな話じゃないな。
話が事実なら警備は相当厳重だろう。
でも協力して得られるものも大きいし、何より獣人を放っておきたくはない。
「いいぞ。やってやる。その代わり約束は守れよ」
「勢力の結成についてだな。もちろんだとも」
「わかった。よろしく頼む」
「……となると、私は仲間と認めて貰えたのかな?」
「今後の働き次第だ。さっきの話が出任せだったら許さないし、嘘まみれだったら命を奪うかもな」
「なら安心して欲しい。事実誤認くらいはあったかもしれぬが、私の想いに偽り無い」
真っ直ぐな眼をしてやがる。
美形のオッサンに見つめられるシチュエーションってのも困りもんだな。
エリシアの鼻息がうるせえし。
「そうだ、魔王殿。手持ちの武器が壊れていたな。替えのものは?」
「あいにく、何もねえ。一旦本拠地に帰ろうかと思ってた」
「では友好の証も込めて、こちらを進呈しよう」
フィリップが壁に飾っていた剣を鞘ごと手渡してきた。
派手な装飾のないシンプルな作りだが、妙な迫力のあるものだった。
試しに少しだけ刃を拝んでみたが、美しさを感じるほどに鋭い。
これは知る人ぞ知る名剣かもしれないな。
「この剣だが、由緒正しいものだ。銘を『聖剣ミレイア』という」
「おいその呼び名ちょっと待て」
「聖剣ミレイアですって!?」
これまで無言だったエリシアが色をなした。
一体何を慌ててんだか。
前世のお前ならいざしらず、ミレイアの事なんか知らないだろうに。
「その剣は……伝説の細工師グレンが、亡き妹のために打った唯一無二の名剣! それが何故ここに!?」
「我が父祖が、当時のレジスタリア王より譲り受けたものだ。外交取引の中でやり取りがあったようだ」
「おい、グレンは伝説の男って呼ばれてんのか?」
「ライルは物を知らなすぎる。割と有名な話」
「悪かったな! でも、そうかぁ。あのグレン兄様がなぁ……」
グレンは伝説の細工師で、クライスは伝説の宰相ねぇ。
なんだか知った顔が大出世してて、魔王さんは嬉しい限りだよ。
クライスは別にどうでも良いが。
オレは丁重に剣を受け取り、腰に差した。
アイツの名前で敵をバッサバッサ斬るのは少しためらわれるが、もはや言うだけ野暮だろう。
これから頼むぞ、ミレイア。
そして剣をありがとう、グレン。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる