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雨女
距離感
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「ていうか、もともと村で祀られてたんでしょ? だったら、元の場所にちゃんと祠を作り直して祀ってあげたほうがいいんじゃないの?」
確かに一理ある。でもそうだとしたら、なぜわざわざ山姫は時雨を山から追い出したりしたのだろうか。
山姫は山の主だ。どうにかして祠を作り直すことだって不可能ではないだろう。自らがやらずとも、他のあやかしや、人間に働きかけることくらいしても良かったのではないか。
「遥さん、山の主は助けてはくれないんですか。山で暮らしていた者が困ってるってのに」
悠弥は率直な質問を投げかけた。
時雨の話を聞いた時から、どうにも腑に落ちなかったのだ。
関わりの深いものが困っているというのに、それを有無を言わさず追い出してしまうなんて。
「あやかし同士の関係は難しいところがあるんですよね……。なんていうか、人間たちよりつながりが薄いというか、群れないというのか……」
「アパートのみんなは、あんなに仲間意識があるじゃないですか」
「それは……人間社会で暮らすものたちだからです。人と積極的に接することのない者たちは存外、淡白なものですよ」
それは、元来のあやかしの在り方であるという。それぞれがそれぞれの生を全うする。
つまりは、自分のことは自分で解決しろ、ということなのだろう。
そうはいっても、行くあてもない時雨をいきなり放り出すなんて。
まだ腑に落ちるには程遠い。
「時雨さんは、山に帰りたいんでしょうか」
もし、時雨自身が山に帰りたいというのなら、その方法も模索したほうが良いのかもしれない。
「それは……どうでしょうね……」
少しの沈黙。本人不在のこの状況で、本当の答えが出ないことはわかってはいるが。
どちらにしても、山の主である山姫というあやかしが、なぜ時雨を追い出したのか。
そこに何らかの意図があるのかを問い質したいという思いが湧き上がる。
「俺、その山姫ってあやかしに会えますか」
「山姫さまに?」
「会って、なぜ時雨さんを追い出すようなことをしたのか……どうしたら時雨さんの力が戻るのか訊いてみたいんです」
悠弥の言葉に、遥はギョッとした様子で、慌てて反論する。
「悠弥さん、人間の感覚であやかしと渡り合おうとするのは危険です」
遥が悠弥に苦言を呈するのは初めてのことだった。
「彼らには、彼らなりの想いや、生き方があります。そしてそれが、時に人に害をなすこともあるんです」
遥にしては珍しく、憂いを含んだ表情を見せた。
「あやかしたちは、自然の理とより強く結びつき、存在しています。人間と同じ姿形をしていても、彼らは人間ではないのです。彼らは本来、人とは違う理の中で生きています。人間の都合を彼らに押し付けてはいけません」
悠弥が困惑した顔をしていることに気づいたのか、遥はいつもの微笑みを取り戻し、
「そう……我が家では代々教えられてきました」
と付け足した。
「うちの店に来るあやかしたちは、人の社会に混ざって生きることを選んだ者たちです。だから人間とも打ち解けようとしますが……」
再び遥は真剣な眼差しを向け、静かに、しかしはっきりと告げた。
「残念ながら、あやかしのすべてが人間に友好的なわけではありません」
遥は、あやかしに対してまるで警戒心のない悠弥と美琴を案じているようだ。
周囲を気にして声をひそめつつも、強い調子で続ける。
「とくに山姫さまのように力の強いあやかしは、いわゆる妖術のようなものも使えます。怒らせるようなことをすれば、命に関わることもあるんです」
これほどまでに饒舌な遥をはじめて目の当たりにし、美琴も驚いた様子でだんまりを決め込んでいた。
「ですから……町のあやかしたちと同じ調子で、他のあやかしに接することは避けてください。そしてメゾン江崎の皆さんのことも……彼らが人間ではないということは、決して忘れないでください」
これには黙っていた美琴が口を挟んだ。
「でもさ、人間同士だって、接し方に気をつけなきゃいけない頑固オヤジとか、うるさい上司とかいるじゃん。それと一緒じゃない?」
美琴もメゾン江崎の住人だ。持ち前のコミュニケーション能力で、既にほとんどの住人と親しく話ができるほどに打ち解けている。
「あやかしが私たちと違う考えを持ってるってことは忘れないようにする。けど……あんまり意識しすぎるとさ、なんか距離が遠くなっちゃう気がしてさみしいよ」
せっかく仲良くなったんだからさ、と微笑んだ。
悠弥も頷く。
「それに、相手が鬼だろうが蛇だろうが、誠心誠意! 真心込めておつきあいする! それが悠弥だもんね」
口にした食後のコーヒーを思わず吹き出すところだった。
「なに、違うの?」
「いや、そう……だけど……」
「じゃあオッケーじゃん。私も同じ! ね、大丈夫だよ、遥」
美琴は遥に向けてウインクしてみせた。
何が大丈夫なのか悠弥にはいまいちわからないが、女子同士は通じ合うものがあるのか、遥は少し驚いたような表情を見せた後、穏やかに微笑み返した。
ソファ席に座っている客から声がかかり、美琴はそちらの注文を取りに席をはずした。
「まったく、無茶苦茶だなぁ……。けど、俺も美琴と同意見です。颯太みたいに、人間との間に因縁のある者もいるだろうし、必ずしも全員が友好的なわけではないっていうこと……」
自分の考えをまとめながら、言葉を選ぶ。
「そして、相手が人間でないことは、肝に銘じます。でも、あやかしだからって理由で付き合い方を変えるわけじゃない。相手のことを少しずつ知って、互いに受け入れていけたらいいなって、俺は思います」
「お二人の気持ち、わかりました。でも、山姫さまは会おうと思って会える方ではありませんよ。私も一度しかお目にかかったことがありませんし」
遥がまだ小学校に上がる前のこと。朝霧不動産に訪ねてきた山姫を一度だけ見たという。遥の母親と一緒に何かを話していたところに出くわし、山姫に紹介されたそうだ。
「とても美しい方でした。いろいろと話を伝え聞いた感じでは、どうも少々クセのある方のようですが」
その時は挨拶をしただけで、会話をした覚えはないという。
噂では、たいそう気難しいあやかしだそうだ。
山姫というのは、山姥の類のあやかしで、山の主になる以前は人を喰っていたことも知られているらしい。
「山の主となってからこちら、人を襲うことはないといいますが……あまり無茶なことは考えないほうが良いかと……」
そう言われると確かに、人間の感覚で渡り合うのは危険かもしれない。
猛獣と対峙するようなものだろうか。こちらが間違った行動をすれば、どうなるかわからない。相手に敬意と細心の注意を払う必要がありそうだ。
「わかりました……。山の主に会うというのは、ひとまず置いておきます」
いま考えるべきことは、時雨の力を取り戻すために、住処の他に必要なもの。ここであれこれ憶測を飛ばすだけでは答えにたどり着けそうにない。
「俺、一度その廃村へ行って、祠を確かめてきます。運良く山の主に出会えたら、相談を持ちかけてみるってことで……」
食事を終え、時刻は午後一時を回ったところだった。
「じゃあ、早速行ってきます。大体の場所はネットに出てましたから……」
「今から、ですか?」
「善は急げって言いますしね」
「それなら、私も連れて行ってください。一人で山に入るなんて心配ですから」
「一緒に行ってくれるんですか?」
遥の提案を断る理由はない。むしろ、山姫のいる山の道先案内は、あやかしの事情に長けた遥がいたほうが安心だ。
「もちろん、ご一緒します」
食器を丁寧に端に寄せ、少し慌てた様子で遥が身支度を始める。
悠弥が椅子から立ち上がろうとした瞬間、店内に美琴の声が響いた。
「ウソでしょ?! あんただったの!」
周りの客が一斉に美琴に注目した。
確かに一理ある。でもそうだとしたら、なぜわざわざ山姫は時雨を山から追い出したりしたのだろうか。
山姫は山の主だ。どうにかして祠を作り直すことだって不可能ではないだろう。自らがやらずとも、他のあやかしや、人間に働きかけることくらいしても良かったのではないか。
「遥さん、山の主は助けてはくれないんですか。山で暮らしていた者が困ってるってのに」
悠弥は率直な質問を投げかけた。
時雨の話を聞いた時から、どうにも腑に落ちなかったのだ。
関わりの深いものが困っているというのに、それを有無を言わさず追い出してしまうなんて。
「あやかし同士の関係は難しいところがあるんですよね……。なんていうか、人間たちよりつながりが薄いというか、群れないというのか……」
「アパートのみんなは、あんなに仲間意識があるじゃないですか」
「それは……人間社会で暮らすものたちだからです。人と積極的に接することのない者たちは存外、淡白なものですよ」
それは、元来のあやかしの在り方であるという。それぞれがそれぞれの生を全うする。
つまりは、自分のことは自分で解決しろ、ということなのだろう。
そうはいっても、行くあてもない時雨をいきなり放り出すなんて。
まだ腑に落ちるには程遠い。
「時雨さんは、山に帰りたいんでしょうか」
もし、時雨自身が山に帰りたいというのなら、その方法も模索したほうが良いのかもしれない。
「それは……どうでしょうね……」
少しの沈黙。本人不在のこの状況で、本当の答えが出ないことはわかってはいるが。
どちらにしても、山の主である山姫というあやかしが、なぜ時雨を追い出したのか。
そこに何らかの意図があるのかを問い質したいという思いが湧き上がる。
「俺、その山姫ってあやかしに会えますか」
「山姫さまに?」
「会って、なぜ時雨さんを追い出すようなことをしたのか……どうしたら時雨さんの力が戻るのか訊いてみたいんです」
悠弥の言葉に、遥はギョッとした様子で、慌てて反論する。
「悠弥さん、人間の感覚であやかしと渡り合おうとするのは危険です」
遥が悠弥に苦言を呈するのは初めてのことだった。
「彼らには、彼らなりの想いや、生き方があります。そしてそれが、時に人に害をなすこともあるんです」
遥にしては珍しく、憂いを含んだ表情を見せた。
「あやかしたちは、自然の理とより強く結びつき、存在しています。人間と同じ姿形をしていても、彼らは人間ではないのです。彼らは本来、人とは違う理の中で生きています。人間の都合を彼らに押し付けてはいけません」
悠弥が困惑した顔をしていることに気づいたのか、遥はいつもの微笑みを取り戻し、
「そう……我が家では代々教えられてきました」
と付け足した。
「うちの店に来るあやかしたちは、人の社会に混ざって生きることを選んだ者たちです。だから人間とも打ち解けようとしますが……」
再び遥は真剣な眼差しを向け、静かに、しかしはっきりと告げた。
「残念ながら、あやかしのすべてが人間に友好的なわけではありません」
遥は、あやかしに対してまるで警戒心のない悠弥と美琴を案じているようだ。
周囲を気にして声をひそめつつも、強い調子で続ける。
「とくに山姫さまのように力の強いあやかしは、いわゆる妖術のようなものも使えます。怒らせるようなことをすれば、命に関わることもあるんです」
これほどまでに饒舌な遥をはじめて目の当たりにし、美琴も驚いた様子でだんまりを決め込んでいた。
「ですから……町のあやかしたちと同じ調子で、他のあやかしに接することは避けてください。そしてメゾン江崎の皆さんのことも……彼らが人間ではないということは、決して忘れないでください」
これには黙っていた美琴が口を挟んだ。
「でもさ、人間同士だって、接し方に気をつけなきゃいけない頑固オヤジとか、うるさい上司とかいるじゃん。それと一緒じゃない?」
美琴もメゾン江崎の住人だ。持ち前のコミュニケーション能力で、既にほとんどの住人と親しく話ができるほどに打ち解けている。
「あやかしが私たちと違う考えを持ってるってことは忘れないようにする。けど……あんまり意識しすぎるとさ、なんか距離が遠くなっちゃう気がしてさみしいよ」
せっかく仲良くなったんだからさ、と微笑んだ。
悠弥も頷く。
「それに、相手が鬼だろうが蛇だろうが、誠心誠意! 真心込めておつきあいする! それが悠弥だもんね」
口にした食後のコーヒーを思わず吹き出すところだった。
「なに、違うの?」
「いや、そう……だけど……」
「じゃあオッケーじゃん。私も同じ! ね、大丈夫だよ、遥」
美琴は遥に向けてウインクしてみせた。
何が大丈夫なのか悠弥にはいまいちわからないが、女子同士は通じ合うものがあるのか、遥は少し驚いたような表情を見せた後、穏やかに微笑み返した。
ソファ席に座っている客から声がかかり、美琴はそちらの注文を取りに席をはずした。
「まったく、無茶苦茶だなぁ……。けど、俺も美琴と同意見です。颯太みたいに、人間との間に因縁のある者もいるだろうし、必ずしも全員が友好的なわけではないっていうこと……」
自分の考えをまとめながら、言葉を選ぶ。
「そして、相手が人間でないことは、肝に銘じます。でも、あやかしだからって理由で付き合い方を変えるわけじゃない。相手のことを少しずつ知って、互いに受け入れていけたらいいなって、俺は思います」
「お二人の気持ち、わかりました。でも、山姫さまは会おうと思って会える方ではありませんよ。私も一度しかお目にかかったことがありませんし」
遥がまだ小学校に上がる前のこと。朝霧不動産に訪ねてきた山姫を一度だけ見たという。遥の母親と一緒に何かを話していたところに出くわし、山姫に紹介されたそうだ。
「とても美しい方でした。いろいろと話を伝え聞いた感じでは、どうも少々クセのある方のようですが」
その時は挨拶をしただけで、会話をした覚えはないという。
噂では、たいそう気難しいあやかしだそうだ。
山姫というのは、山姥の類のあやかしで、山の主になる以前は人を喰っていたことも知られているらしい。
「山の主となってからこちら、人を襲うことはないといいますが……あまり無茶なことは考えないほうが良いかと……」
そう言われると確かに、人間の感覚で渡り合うのは危険かもしれない。
猛獣と対峙するようなものだろうか。こちらが間違った行動をすれば、どうなるかわからない。相手に敬意と細心の注意を払う必要がありそうだ。
「わかりました……。山の主に会うというのは、ひとまず置いておきます」
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「俺、一度その廃村へ行って、祠を確かめてきます。運良く山の主に出会えたら、相談を持ちかけてみるってことで……」
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「善は急げって言いますしね」
「それなら、私も連れて行ってください。一人で山に入るなんて心配ですから」
「一緒に行ってくれるんですか?」
遥の提案を断る理由はない。むしろ、山姫のいる山の道先案内は、あやかしの事情に長けた遥がいたほうが安心だ。
「もちろん、ご一緒します」
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