Freedom Evolved Online ~ランキング一位のソロプレイヤーは異世界でも無双する~

煌月由奈人

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1話 未知なる世界

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…きて…起きて……早く来て…こっちの世界へ
銀髪の真紅のような赤い目の少女が璃玖に向かって言う。

「…誰…だ……?」
目が覚めると、自分のベットの上だった。変な夢を見た....不思議な夢....
「お兄ちゃん!早く起きて!!遅刻するよ」
この可愛く起こしてくれるのは、我が家で一番可愛い妹の深雪だ。
深雪は俺とは血が繋がっていない義理の妹でそれを知ってすぐに納得した。

…俺と血が繋がっていたらこんなに可愛いはずがない!!!

璃玖は家では重度のシスコンである。
「わかったよ」
璃玖はそう言って急いで深雪のいるリビングへ向かった。
深雪はエプロン姿で猫を抱き上げていた。猫の名前は(クロ)だ。
クロは深雪が紅刃家に来た時に飼った猫で、深雪が少しでも家に馴染めたらいいなと父が仕事帰りに飼って来た猫だ。
「ニャ~」
「は~い、クロご飯だよ。」
妹が可愛過ぎて天使だと思ってしまう自分がいる。
エプロン姿に猫にご飯をあげる姿は天使にしか見えないんだよ....
「深雪が可愛い....」
「も!もうお兄ちゃんったら……」
深雪は璃玖の唐突な言葉で顔が赤くなっていた。
二人はその後、ご飯を食べ、着替えてから鞄を手に取った。
「んじゃ学校行こうか。」
「はい!行きましょう。」

そして二人は玄関を出て学校へ向かう。

二人が通うのは同じ名門校、神ノ宮高校という....いわゆるお金持ちが通う学校だ。
璃玖は神ノ宮高校の二年生で生徒会副会長をしていて、深雪は同じ高校の一年生で風紀委員をしている。

二人が学校へ向かう途中、街の中にあるモニターに今流行りのVRMMORPGゲームFreedom Evolved Online フリーダム エボルヴ オンラインのプロモーションビデオが流れていた。

「あ!お兄ちゃん見て!様だぁ!!」
深雪が言うゼレンとは流行りのゲーム(Freedom Evolved Online)の中で今一番の人気を誇るプレイヤー、ゼレン・フィム・クロスフォード。ゼレンはゲーム内の世界一の軍事力を誇る国ファーストエンパイアのプレイヤーランキングにゲーム開始から僅か半年でランキング一位となった天才と言われているプレイヤーで、その強さは持ち前の反射神経だけでなく、職業ジョブが剣を駆使して戦う剣士で、本来、プレイヤーなら誰でも使用可能なスキルがあるにも関わらず、スキルを一切使わず剣術のみでランキングを駆け上がった天才。今まで彼がスキルを使用したところは過去の大会の映像にも他のプレイヤーですら見たことがないという……バケモノ…
そして最も彼の噂で有名なのは……今まで誰ともチームを組まず、大会やイベントではソロで優勝している孤高の天才プレイヤー。

深雪はゼレンの大ファンで彼の過去のプレイなどは全て見ている……その映像を見る度、家でハイテンションになったりしたこともあるぐらいだ……
そんな妹も家以外ではハイテンションになることはない。

「ゼレン様……次の大会って明日よね?絶対見なくちゃ....あ、でもお兄ちゃんはいつも通り見ないんでしょ?」
「ん?あ、あぁ……見ないかな……」
「むぅ~!お兄ちゃん本当に損してるよ?....私がゼレン様のファンでよかったね!ちゃんと録画しておくから二回目は一緒に見ようね!」
深雪ゼレンの出るイベントや大会の映像は必ず録画している。そのため、二回目以降は一緒に見ている。

「分かったよ....一緒に見ような....」
そして二人はそんな話をしながら学校へ到着した。「んじゃ二年の教室向こうだから....深雪また放課後な!」
「はい!ではお兄ちゃんも頑張ってね。」
深雪はニコッと笑ってから自分の教室へ向かった。

い、妹よ....その笑顔は....ずるい....

そう思いつつ璃玖は自分の教室へ向かった。
「あ!おっはよ~リッくん。」
教室に入り最初に声をかけてきたのは璃玖の幼馴染の星宮紗雪だ。
「おはよう紗雪....今日も元気だね。」
「うん!私はいつだって元気だよ。」
「よっ!俺もいるんだがね……綺麗にスルーするじゃん。」
そう言って璃玖に声をかけたのはもう一人の璃玖の幼馴染の海道優人だ。
「スルーしてねぇよ!」
「今日も深雪ちゃんと来たのか?好きだねぇ........あ、そう言えば、明日だっけ?深雪ちゃんの好きなゼレンの出る大会は」
「そうらしいな....詳しくは知らんが。」
璃玖はゼレンの話をする時はいつも元気がなくなる。
「ふ~ん....あ、今日さ深雪ちゃんと俺とでFEOで遊ぶ約束してるんだ!」

……はぁ?

璃玖はその話を今初めて聞いた。
「なんだそれ……聞いてねぇぞ……お前、まさか妹に!」
「わぁ!!大丈夫だよ!リッくん!!その中に私も入ってるから!!」
優人に対して怒りのオーラを出していた璃玖に紗雪が落ち着かせるかのように割って話をしてきた。
「ハハハ....璃玖は相変わらずのシスコンだなぁ....俺は親友の妹に手を出すようなクズじゃないぜ?」
優人は昔から璃玖が妹の深雪のことになると落ち着かない性格なことを知っているが故に今みたいなイタズラをして楽しんでいる。

「というか、俺や深雪ちゃん、紗雪はVR持ってて一緒に遊んだりするけど....璃玖はなんでやらないんだよ....お前もVRは持ってるだろ?」
「あるにはあるが....他にすることがあるんでな....悪いが俺はパスだ。」
「なんだよやることって....はっ!まさかお前....俺たちに内緒で....女でもできたか?」
優人がそういうと紗雪が慌てた様子で璃玖の方を見た。

「え??リッくん彼女できたの?」

ん?紗雪さんや、なぜそんな涙目で俺を見るのかな?

「紗雪落ち着け!俺に彼女なんているわけないだろ....優人がからかってるだけだ。」
「へ?....あ!そ、そうなのね....そ、そっか....」
紗雪はその後、小声で「よかったぁ」と言っていたが璃玖には聞こえていなかった。
そして璃玖たちはその日の授業を受けた。



時間が経ち、夜の22時....深雪はいつもこの時間は朝早く起きるため就寝している。
「....やるか。」
そう言って璃玖はVRを着けてゲームを開始した。

「..さぁて、今日もやりますか。」

俺は妹たちに隠していることがある。俺は深雪とは共に大会を観戦しないんじゃない..

何故なら、そう……俺は……

「はあ、…俺がゼレン・フィム・クロスフォードであることは誰にもバレないようにしなければな…妹には…申し訳ないけど、」
璃玖..いや、ゼレンはそう言いつつゲーム内の魔物を討伐し始めた。



次の日、VRゲームの大会が今、始まろうとしていた。
深雪はその日、大好きなゼレンを直接見れるいい機会だと思い、璃玖の幼馴染でゲーム内では共にチームを組んでいる紗雪と優人を連れて、ゲーム内の大会スタジアムへと足を運んだ。

「今日は二人共来てくれてありがとう!!」
「全然!今日は暇だったから、誘ってくれてありがとね深雪ちゃん....っとこっちではミユちゃんだったね!リアルの癖がどうしても抜けないなぁ。」
深雪はゲーム内では大好きなゼレンの所属している国ファーストエンパイアに所属していて、職業ジョブは剣士。名前はリアルの名前からとってミユと名乗っている。
「仕方ないよユウ....それよりも、リッくんも来てほしかったな。」
「あはは、そうだねモモ....あいつは用事があるとパスされたし。」
優人はゲーム内ではユナイトサンクチュアリに所属していて、職業ジョブ聖騎士パラディン。名前は深雪と同じくリアルの名前からとってユウと名乗っていて、紗雪も優人と同じくユナイトサンクチュアリに所属していて、職業ジョブは剣士。名前はモモと名乗っている。

そして、大会のメインイベントであり、今回は特別にVRMMORPGゲームFreedom Evolved Online フリーダム エボルヴ オンラインのプロモーションバトルの出場者二名がフィールドに現れた。

「初めましてだねファーストエンパイアのナンバーワンプレイヤー!私はユナイトサンクチュアリ所属のプロプレイヤーのキョウヤだ!」
今回のプロモーションバトルに招待されたFEOの初代プロプレイヤーで職業ジョブ聖騎士パラディン。ユナイトサンクチュアリのランキング一位で、(星の剣聖)の異名を持つプレイヤー。
「俺はファーストエンパイア所属のソロプレイヤー、ゼレン....プロだろうと手加減なしだ。」
「私もそのつもりだよ....いいバトルをしよう。」
ユナイトサンクチュアリのランキング一位対ファーストエンパイアのランキング一位のバトル。プロモーションバトルとは言え、ランキング一位同士のバトルは過去に前例がないほど、貴重な試合。

【Battle…………START!!】

「私から行こう!!『ジェネレーション・ブースト』」
キョウヤはスキルを使用し、移動速度を通常の5倍まで上げ、ゼレンの場所まで向かった。ゼレンはキョウヤの剣筋をまるで一度見たことがあるかのように自分の剣で受け止めた。
「な!なるほどね…一つ聞きたいのだが、私の剣筋を何処かで見たことがあるのかな?」
「あるわけ無いだろ…むしろ、この程度の相手を試すような剣を止められない者がどこにいる?」
そう言いつつ、その後もゼレンはキョウヤの剣筋をどれだけキョウヤが速度を上げようとも、同じように止められた。
「……なるほど、これが噂の人間離れした反射神経か…悪くないね…でも、ここからだ!!」
キョウヤがそう言うと同時にキョウヤやゼレンはもちろん、ユウ、モモ、ミユ達が光に包まれた。
「うっ…なんだ…これ、」
「……何が起こって」
そして光に包まれた数名のプレイヤー達はスタジアムから一斉に姿を消した。

そして………

「こ、ここは?」
「どこなの…ここ……って!えぇ!!!ぜ、ゼレン様!!」
ミユの目の前には大好きなゼレンがいて驚いた表情をしていた。
ま、まずい…この子、絶対に深雪だろ…なんとかバレないようにしなければな……てかスタジアムにいたのかよ…
ゼレンは妹がテレビで見ているものだと思っていたため、目の前にいる少女にびっくりしていた。

「あ、あの!ゼレン様!い、いつも戦い見てました!!そ、その、ファンです!あ、握手していただけませんか!!!」
妹と握手ってどんな状況だよ……
「ファン…そうか、それは嬉しいよ…ありがとう。でもね、今は状況を確認するのが最善だ、俺達はスタジアムにいたはずなんだからな」
うん、握手は後でするとして、問題はこの場所だよな

ゼレンがそういうと、ミユはより目を輝かせていた。
「さ、流石ゼレン様!そうですよね!状況把握が先ですね!はい!……にしても、私達だけなんでしょうか」
確かに…あのとき、微かに見えた。俺と同じくキョウヤも光に包まれる瞬間を…もし間違いでないなら、キョウヤもまたこっちに……
「よく来た!運命に導かれし者よ!」

あれ?この子....知ってる。数日前に....この子に似た子を夢で見た。

ゼレンたちの目の前に銀髪の真紅のような赤い目の少女が突如として現れ、話を続けた。
「私はこの国、ファーストエンパイアの王、ゼクリウスだ。ゼレンよ!君は選ばれた!この国の未来は君のその手の中にある。」
「何を…言っている?」
ゼレンは少女の言葉の意味が分からず、状況を把握しきれていない。

「君は今この瞬間、この国ファーストエンパイアの選定者に選ばれたのだ!」
俺が……選定者?…選定者って…なんだ?なんのことを言っている?

こうして、ゼレンとその仲間たちの物語はここから始まる。





そして、ゼレンはこのとき、まだ知らない。
これから始まる幸せも……悲しみも……恨みも……全て………
この始まりですら、………であったことさえも……まだ…
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