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1章
自分でできます!
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「あああ、感じちゃった巧斗きゅんの声、超可愛い……!」
「ま、待ってギース様っ……、ん!」
慌てて片手で口を抑え、もう片方の手でギースの腕を退けようとする。しかし全然力が入らずに、再び股間を指先でひと撫でされて腰が戦慄いた。
ヤバい、こんなわずかな刺激なのに、勃ちそうなんだけど!
「はあ、いい匂い……どんどん濃くなりますね。気持ちいいんでしょう? もっと触っていいですか?」
「だ、駄目で、すっ……」
なんだこの感度の高さ。慣れない行為とはいえ、さすがにこれはない。もしかして『女神の加護』の影響なのか?
とにかく、このままではまずい。流されてしまう。
「そんな可愛い顔をして駄目と言われましても……息子が余計元気になってしま」
「師匠の意に沿わない不埒な真似をするなといつも言ってるでしょうが、この変態!」
「ぐふぉっ!」
その時、扉が開いて救いの神がやってきた。もちろん美由だ。
即座に彼女の跳び蹴りが入り、俺の目の前からギースが吹っ飛ぶ。いつもながら美形だろうが格上だろうが、お構いなしに鉄槌を下すのがすごい。
「師匠、大丈夫? もう、兄様はどこから入り込むのかしら油断も隙もない……。師匠の方が兄様より強いんだから、こういう時は殴っていいんだからね?」
「あ、ありがとう美由、助かった」
「……これは、すごい匂いですね。一日でここまでになるとは」
美由の後ろから、鼻と口元をハンカチで押さえたジョゼも現れた。
そんなに臭いだろうか。好きな相手でも彼にとっては臭いは別ということか。
「そこまでひどいか……? ジョゼは特に俺の臭いと相性が悪いんだろうけど」
「……私があなたの匂いと相性が悪い?」
俺の言葉にジョゼが目を丸くする。
「以前も、俺のフェロモンが臭いって言ってただろ」
「……ああ、そんなこと言いましたっけ」
「言いましたっけって……。そのせいであんまり人前で汗をかかないようにとか、修練だって一人でして気を付けていたんだぞ」
「まあ、そうして他の男に匂いを嗅がせないようにするのが目的でしたからね。でもフェロモンに惹かれる私が、あなたの匂いを臭いと思っているわけないでしょう。あなたの匂いは良すぎるんですよ。今もかなりヤバいです」
「……ヤバい?」
「おそらく殿下あたりなら5分も理性が保たないですよ」
ジョゼの言葉に、隣にいた美由も頷いた。
「正直、ここに殿下がいなかったのは幸いだったわね。兄様は変態だけど、これでもまだ師匠への自制心は強い方だし。私だってくらくら来るぐらいの良い匂いだもの」
「ミュリカ殿は『神の御印』による男性性が強いので、普通の女性より巧斗の影響を受けやすいんでしょうね。あなたの彼に対する庇護欲も、そこから来るのだと思いますよ」
「あー、そうかも。何か師匠を見ると、守ってあげなきゃって思うのよね」
俺、そんなにか弱くないと思うんだけど。……しかし、たった今も彼女に窮地を助けられたので反論できない。
「とりあえず巧斗のこの強い匂いは、今まで塞き止められていて濃縮されたフェロモンが、魔力と反応して発生していると思われます。一回出し切って解消してしまえば、後は定期的に処理すれば問題ないはずですよ。……その解消法を私が楽しくレクチャーして差し上げようと思ったのに、ギース様が種明かしをしてしまったようですがね」
「……てことは、解消法ってやっぱりそれしかないのか……」
自慰か、誰かにしてもらうか。選択するまでもない。当然自慰の一択だ。
何だか妙に身体も過敏になっているし、一度解消すれば治まるのなら、とっととしてしまうに限る。
「……ごめん、美由。ちょっと行ってくる」
「あ、トイレ? 行ってらっしゃい。部隊への出立の伝達は私がしておくから、ゆっくりでいいよ。……ああ、でも心配だなあ……トイレの前で誰も来ないように見張ってようか?」
「いやいやいや、大丈夫だから!」
ジョゼに聞いたのだろう、すでに美由は訳知りのようだ。理解がありすぎるのが逆に居たたまれない。心配してくれるのはありがたいが、自慰が終わるまで待たれるとか、絶対無理だ。
彼女の申し出を即行で断って扉に向かう。
すると、すっと近付いてきたジョゼが身を屈め、俺の耳元でこそりと囁いた。
「よろしければ、解消のお手伝いをしますよ?」
「自分でできるからいらない」
「そうですか? ……困ったことがあったら、いつでも頼って下さいね?」
意味深に笑った男は、最後に「待ってますよ」と言った。
「ま、待ってギース様っ……、ん!」
慌てて片手で口を抑え、もう片方の手でギースの腕を退けようとする。しかし全然力が入らずに、再び股間を指先でひと撫でされて腰が戦慄いた。
ヤバい、こんなわずかな刺激なのに、勃ちそうなんだけど!
「はあ、いい匂い……どんどん濃くなりますね。気持ちいいんでしょう? もっと触っていいですか?」
「だ、駄目で、すっ……」
なんだこの感度の高さ。慣れない行為とはいえ、さすがにこれはない。もしかして『女神の加護』の影響なのか?
とにかく、このままではまずい。流されてしまう。
「そんな可愛い顔をして駄目と言われましても……息子が余計元気になってしま」
「師匠の意に沿わない不埒な真似をするなといつも言ってるでしょうが、この変態!」
「ぐふぉっ!」
その時、扉が開いて救いの神がやってきた。もちろん美由だ。
即座に彼女の跳び蹴りが入り、俺の目の前からギースが吹っ飛ぶ。いつもながら美形だろうが格上だろうが、お構いなしに鉄槌を下すのがすごい。
「師匠、大丈夫? もう、兄様はどこから入り込むのかしら油断も隙もない……。師匠の方が兄様より強いんだから、こういう時は殴っていいんだからね?」
「あ、ありがとう美由、助かった」
「……これは、すごい匂いですね。一日でここまでになるとは」
美由の後ろから、鼻と口元をハンカチで押さえたジョゼも現れた。
そんなに臭いだろうか。好きな相手でも彼にとっては臭いは別ということか。
「そこまでひどいか……? ジョゼは特に俺の臭いと相性が悪いんだろうけど」
「……私があなたの匂いと相性が悪い?」
俺の言葉にジョゼが目を丸くする。
「以前も、俺のフェロモンが臭いって言ってただろ」
「……ああ、そんなこと言いましたっけ」
「言いましたっけって……。そのせいであんまり人前で汗をかかないようにとか、修練だって一人でして気を付けていたんだぞ」
「まあ、そうして他の男に匂いを嗅がせないようにするのが目的でしたからね。でもフェロモンに惹かれる私が、あなたの匂いを臭いと思っているわけないでしょう。あなたの匂いは良すぎるんですよ。今もかなりヤバいです」
「……ヤバい?」
「おそらく殿下あたりなら5分も理性が保たないですよ」
ジョゼの言葉に、隣にいた美由も頷いた。
「正直、ここに殿下がいなかったのは幸いだったわね。兄様は変態だけど、これでもまだ師匠への自制心は強い方だし。私だってくらくら来るぐらいの良い匂いだもの」
「ミュリカ殿は『神の御印』による男性性が強いので、普通の女性より巧斗の影響を受けやすいんでしょうね。あなたの彼に対する庇護欲も、そこから来るのだと思いますよ」
「あー、そうかも。何か師匠を見ると、守ってあげなきゃって思うのよね」
俺、そんなにか弱くないと思うんだけど。……しかし、たった今も彼女に窮地を助けられたので反論できない。
「とりあえず巧斗のこの強い匂いは、今まで塞き止められていて濃縮されたフェロモンが、魔力と反応して発生していると思われます。一回出し切って解消してしまえば、後は定期的に処理すれば問題ないはずですよ。……その解消法を私が楽しくレクチャーして差し上げようと思ったのに、ギース様が種明かしをしてしまったようですがね」
「……てことは、解消法ってやっぱりそれしかないのか……」
自慰か、誰かにしてもらうか。選択するまでもない。当然自慰の一択だ。
何だか妙に身体も過敏になっているし、一度解消すれば治まるのなら、とっととしてしまうに限る。
「……ごめん、美由。ちょっと行ってくる」
「あ、トイレ? 行ってらっしゃい。部隊への出立の伝達は私がしておくから、ゆっくりでいいよ。……ああ、でも心配だなあ……トイレの前で誰も来ないように見張ってようか?」
「いやいやいや、大丈夫だから!」
ジョゼに聞いたのだろう、すでに美由は訳知りのようだ。理解がありすぎるのが逆に居たたまれない。心配してくれるのはありがたいが、自慰が終わるまで待たれるとか、絶対無理だ。
彼女の申し出を即行で断って扉に向かう。
すると、すっと近付いてきたジョゼが身を屈め、俺の耳元でこそりと囁いた。
「よろしければ、解消のお手伝いをしますよ?」
「自分でできるからいらない」
「そうですか? ……困ったことがあったら、いつでも頼って下さいね?」
意味深に笑った男は、最後に「待ってますよ」と言った。
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