いきなり幽霊に転生?悪役令嬢の記憶はございません。

ぽよよん

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第三話

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 歩いているうちに気がついんだけど、時々あたしがいることに気づくというか、気配を感じる人がいるみたい。
 誰かあたしの事見える人がいれば、ここがどこなのか聞いたりできるのかなと思うんだけど。
 お坊さんとか、霊能者とかいないのかな。あ、この場所の感じだと牧師さんとか?エクソシストとかだったら除霊されちゃったりして…

 人にぶつからないよう、ふわふわ歩いていると、守衛っぽい人が立っているドアがあった。
 もしかして偉い人の部屋かな?
 入ってみちゃう?失礼しまーす。

 ふぁ~すごい豪華。
 入ってすぐが部屋じゃないよ。個室なのに玄関みたいになっていて、その奥が応接室?すっごい豪華なソファがあって、その向こうには8人くらい座れるダイニングテーブルがある。床はフッカフカのラグが敷いてあって、カーテンも刺繍がしてある高級品、たぶん。

 奥の部屋から人の声が聞こえるから、そっと覗き込むと、メイドさんがいる。
 鏡台の前に座っているのは女の人みたいだ。綺麗な赤みがかった金髪をメイドさんが結っているのかな。
 どんな人なのかなぁ。
 なんとなくぼやけて見えるメイドさん達とは違う感じがする人だ。
 後ろから近づいて鏡越しに覗き込む。

 綺麗な人だ。
 綺麗っていうか、可愛らしいっていうのかな。空色の大きな瞳はキラキラしていて、メイドさんと話している笑顔に華やかさがある。年はあたしと同じくらいか、ちょっと下くらいかな。宝石箱から色とりどりのアクセサリーを取り出して、楽しそうに選んでいる。

 そのとき、鏡にもう一人映り込んでいる事に気がついた。
 淡い金髪を真っ直ぐ伸ばした美女が、碧の目でじっとあたしを見てる。思わず後ろを振り向くけど誰もいない。もう一度鏡をみると、びっくりした顔でこちらを見ているけど……幽霊?
 手を振ってみると、同じように振り返してくる。えっ……あたし?……?試しにほっぺた引っ張ってベェって舌を出すと、鏡の中の美女も同じように舌を出してる。
 夢とは言えこんな金髪碧眼の北欧美女が自分とか、妄想大爆発だよ……痛いわ……

「きゃあああっっ!!」
鏡の前に座っていた女の人が、鏡を見て叫んだ。慌てて離れるけど、女の人は椅子から転げ落ちても何か叫んでいる。アクセサリーとか化粧品が床にばら撒けられて、メイドさんがパニクってる。
「っっいやっ!!か、鏡に、誰か…!きゃぁあっ!!」
「王妃様!なにも映っておりません!落ち着いて下さい!!」

 大きな叫び声が聞こえたのか、ドアの向こうからノックの音やら声が近づいてきたので、あたしは急いで壁を通り抜けて逃げ出した。

あー!びっくりした。




 気がつけば、ここは初めにいた物置部屋だ。
 あたしは鏡の前に行くと、誰も映っていない鏡をじっと見つめてみた。やっぱりあたしの姿は映らないよね。
 さっきの北欧美女の姿を思い浮かべるけど、高橋あかりの要素はかけらもないぞ。

 
 一体あたしは、だれ?
 

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