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夫婦ってなんぞや
第十五話
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カヒル軍の軍服は黒を基調とした開襟式のジャケットに褐色のシャツと黒又はアイボリーのボトムスが基本だ。その他、白の正装やカーキ色の作業着などなどその職務によって変わってくる。
ディアナに支給された軍服は黒ジャケットにアイボリーのマキシ丈のタイトスカートだ。
「すごいわね、一人で着れる服って。すごく楽だわ。」
「街で見かけるお洋服もすごく動きやすそうでおしゃれなんですよ。今度は可愛いお出かけ着を買おうと思ってるんです。」
かっちりとしたクリスティーン侯爵家のお仕着せにつけた可愛らしいエプロンは先日街で購入していたらしい。
「この前面のスリットは、なかなか挑発的ですね。バルドゥル様、喜ぶでしょうね~。」
タイトスカートの前面には動きやすいように入っているスリットをディアナは手で押さえた。
「バルドゥル様がこんな事で喜ぶ訳ないでしょう。おかしな事言わないで。」
ふいっと部屋を出て行くディアナの耳がほんのり赤い。
うちのお嬢様、可愛いんですけど!!
リルは上機嫌でディアナのあとについて廊下に出た。
早々に出勤の準備を終え、リビングでソワソワと待っていたバルドゥルは、足音に気がつくと慌ててソファに座り、なんでもない風を装う。
「バルドゥル様、お待たせしました。」
軍服など見慣れていると言うのに、ディアナが着るとなんと艶やかなのだろう。
長い黒髪をポニーテールにしたディアナは慣れない格好のせいか、ほんの少しはにかんでいる。
凛々しいのに愛らしいとは!それにスカートのスリットからチラリと見える足!あし?
「っディアナ!その足はまずい!!」
焦ったバルドゥルの声にディアナはスカートを押さえて俯く。
(恥ずかしくて、泣きそう……!!)
「すみません、一番長いスカートがこれだと言われましたの。やはり足を出すなんてはしたないですよね……」
「いや!違う。足はいいんだ、はしたなくなんてない。
ただディアナの膝が衝撃的で……」
あの問題のあった初夜以降、バルドゥルですらディアナの膝など見たことがないのに、なぜ、基地の連中に披露せねばならないのか?
「ほら、ディアナ様!足を出すのは大丈夫ですよ。街ではもっと短いスカート見ましたし。
やっぱり、制服の中のあのミニスカートってのを選んだ方が良かったんじゃないですか?ディアナ様の足はとても美しいですし!!」
「ダメ!駄目だ!!ミニスカートなんて履いたら家から出さないぞ!!」
今の格好ですら出したくないのに…。
「家に軟禁は困りますわ。リル、変なこと言わないで。」
「はい、申し訳ございません。」
殊勝に頭を下げたが、リルの野望は尽きない。
「バルドゥル様、そろそろ参りましょう。」
**************
「ディアナちゃん!おはよう!!」
「おはようございます。ラビアさん。」
統合本部で挨拶を終え、その部屋から出るとラビアが廊下で待ち構えていた。
「アドレイ伍長。ディアナをよろしく頼む。」
「まーかせてください!」
うふふ~と嬉しそうなラビアの尻尾がブンブンと振られる。
先ほどディアナに辞令を渡したモルゼコフが、力のない半笑いだったのを思い出す。モルゼコフとラビアの間で壮絶なディアナ獲得合戦があったのである。
結果は、満面の笑みを浮かべるラビアの完全勝利である。どうやって統合本部長であるモルゼコフに勝利したのか……、ほんの少しカヒル軍の面々と顔を合わせただけのディアナだが、ひとつだけ間違いなく学んだことがある。
気にしたら負けだ!!!
ディアナに支給された軍服は黒ジャケットにアイボリーのマキシ丈のタイトスカートだ。
「すごいわね、一人で着れる服って。すごく楽だわ。」
「街で見かけるお洋服もすごく動きやすそうでおしゃれなんですよ。今度は可愛いお出かけ着を買おうと思ってるんです。」
かっちりとしたクリスティーン侯爵家のお仕着せにつけた可愛らしいエプロンは先日街で購入していたらしい。
「この前面のスリットは、なかなか挑発的ですね。バルドゥル様、喜ぶでしょうね~。」
タイトスカートの前面には動きやすいように入っているスリットをディアナは手で押さえた。
「バルドゥル様がこんな事で喜ぶ訳ないでしょう。おかしな事言わないで。」
ふいっと部屋を出て行くディアナの耳がほんのり赤い。
うちのお嬢様、可愛いんですけど!!
リルは上機嫌でディアナのあとについて廊下に出た。
早々に出勤の準備を終え、リビングでソワソワと待っていたバルドゥルは、足音に気がつくと慌ててソファに座り、なんでもない風を装う。
「バルドゥル様、お待たせしました。」
軍服など見慣れていると言うのに、ディアナが着るとなんと艶やかなのだろう。
長い黒髪をポニーテールにしたディアナは慣れない格好のせいか、ほんの少しはにかんでいる。
凛々しいのに愛らしいとは!それにスカートのスリットからチラリと見える足!あし?
「っディアナ!その足はまずい!!」
焦ったバルドゥルの声にディアナはスカートを押さえて俯く。
(恥ずかしくて、泣きそう……!!)
「すみません、一番長いスカートがこれだと言われましたの。やはり足を出すなんてはしたないですよね……」
「いや!違う。足はいいんだ、はしたなくなんてない。
ただディアナの膝が衝撃的で……」
あの問題のあった初夜以降、バルドゥルですらディアナの膝など見たことがないのに、なぜ、基地の連中に披露せねばならないのか?
「ほら、ディアナ様!足を出すのは大丈夫ですよ。街ではもっと短いスカート見ましたし。
やっぱり、制服の中のあのミニスカートってのを選んだ方が良かったんじゃないですか?ディアナ様の足はとても美しいですし!!」
「ダメ!駄目だ!!ミニスカートなんて履いたら家から出さないぞ!!」
今の格好ですら出したくないのに…。
「家に軟禁は困りますわ。リル、変なこと言わないで。」
「はい、申し訳ございません。」
殊勝に頭を下げたが、リルの野望は尽きない。
「バルドゥル様、そろそろ参りましょう。」
**************
「ディアナちゃん!おはよう!!」
「おはようございます。ラビアさん。」
統合本部で挨拶を終え、その部屋から出るとラビアが廊下で待ち構えていた。
「アドレイ伍長。ディアナをよろしく頼む。」
「まーかせてください!」
うふふ~と嬉しそうなラビアの尻尾がブンブンと振られる。
先ほどディアナに辞令を渡したモルゼコフが、力のない半笑いだったのを思い出す。モルゼコフとラビアの間で壮絶なディアナ獲得合戦があったのである。
結果は、満面の笑みを浮かべるラビアの完全勝利である。どうやって統合本部長であるモルゼコフに勝利したのか……、ほんの少しカヒル軍の面々と顔を合わせただけのディアナだが、ひとつだけ間違いなく学んだことがある。
気にしたら負けだ!!!
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