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藕断糸連哥和弟(切っても切れぬ兄弟の絆)
057:黄霧四塞(四)
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「凰黎、どう思う?」
奇妙な話ではあるが、会話をしている二人とも実際にその死体を目にしたわけではなさそうだ。ただ、噂という意味ではこの手の話はみなが好んで広めやすい。それが見間違えであれ、真実であれ。
「そうですね。もしも本当に干からびていたというのなら、少々気になります。どう考えても岩崩れが原因ではないでしょうね」
「確かそのとき現地に赴いたのは雪岑谷と恒凰宮の者だったと記憶しています。彼らに聞けば事実が分かるかもしれません」
塘湖月が男たちに聞こえないよう、静かな声で言った。
この男は凰黎の言う通りとても冷静で聡明だ。口調は淡々としてはいるが、決して敵意などはなく、口から出る冷静な言葉に反して声色は穏やかに聞こえる。
一体死んだ人たちに何があったのか。凰黎もまだ真相は分からぬといった表情だ。
「そうそう、話は変わるけどよ。今朝がたどこぞの湖が一晩のうちに枯れ果ててたっていう噂、聞いたか?」
「それってここ最近ずっと起こってる、湖の水がとつぜん干上がるっていうアレだろ!?」
煬鳳は散茶を飲み干し、次の瞬間一気にそれを噴き出した。
前者には全く覚えがないが、後者には死ぬほど覚えのある話だ。咳き込みながら凰黎の顔色を窺うと、案の定微妙な表情で凰黎が見ている。
「お、俺じゃないよ! ほんとだ! 天に誓って俺じゃない!」
「大丈夫。貴方だなんて思っていませんよ?」
ただし、煬鳳の反応を見て面白がっていることはよく分かった。凰黎は口の端を少し上げ、したり顔で語る。
「そりゃ、そうですよね。貴方は昨日は一晩中私と……」
「わーっ! わーっ!」
慌てて煬鳳は凰黎の口を塞ぐ。特に塘湖月には……凰黎と煬鳳のことは周知の事実だが、だからといってそれを聞かれるのは恥ずかしい。
「そ、それはともかく! 俺じゃないんだって。本当に」
「分かっています。ちょっと揶揄いたかっただけですから」
こういうときの凰黎はちょっと意地悪だ。
男たちは凰黎とのそんなやり取りに気づく様子もなく、会話を続けている。
「確か、あそこはこのまえ地割れがあった場所じゃないか? 多分それで湖の水が流れたんだよ」
「そうかなあ。だからって一晩で水が無くなったりするか?」
「そんなの俺が知るか!」
男はもう片方の男を小突く。「いてっ」と声をあげた男は、ぶつぶつと文句を言いながら押し黙ってしまった。
それにしても、まさか煬鳳の仕業以外で湖の水が消えることがあったとは。うっかり自分のやらかした湖消失事件までことが及ぶのではないかと、俄かに不安になってしまう。
「なあ……」
落ち着かない気持ちを抑えきれず、つい凰黎に話しかけたのだが答えたのは凰黎ではなかった。
「湖の件はあくまで噂です。もし本当に事実であり調査が必要と判断されたなら、五行盟の誰かが向かうことになるでしょう」
塘湖月は男たちの話す内容について言及する気はないようだ。
「恐らく数日前に地震がありましたから、その影響かもしれませんね」
二人が口を開くより早く言葉を付け加え、何事もなかったように視線を茶椀に戻した。
(地震といえば、あのときのか……)
玄烏門で滞在中に起こった地震が真っ先に煬鳳の脳裏に浮かぶ。遠くで起きた地震でも、確かに場所によっては影響が出ることもあるだろう。
* * *
五行盟に黒炎山での出来事を報告した煬鳳を待ち受けていたのは、案の定ひどい罵声の数々だった。幸いなのは盟主たる瞋砂門の瞋九龍を除いて他の掌門たちがいなかったこと。早急に対応が必要だった揺爪山での案件が片付いたので、恐らくはみなひとまず帰ったのだろう。
煬鳳たちは、事前にどこまで彼らに真実を話すべきかということを相談しておいた。馬鹿正直に全てを話せば、それこそ煬鳳の立場が危うくなってしまうかもしれないからだ。
まず、鸞快子には煬鳳の身に起こっていること、清林峰での一件、それに黒冥翳魔との因縁と黒炎山で彩鉱門の世話になったことなどを全て包み隠さず話した。『話したうえで理解してもらわねば、心からの味方にはなってくれないし、いざ助けようと思ったときもどうして良いか分からないだろう』と思ったからだ。
そのうえで鸞快子を含めた四人で、五行盟に伝える情報の範囲としていくつかのことを決めた。
まず、黒冥翳魔と煬鳳とは血縁関係でも本人でもなく、ましてや仲間でもない、完全に無関係である。
たまたま封じられていた土地に住んでいたことにより、何らかのきっかけで翳炎――翳炎の一部が宿ってしまった。
現状復活した黒冥翳魔は既に暴走しておらず我を失っているわけでもない。
比較的思考も破綻していない。
もしかすると彼の脅威を無効化することができるかもしれない。
この三点だ。
黒冥翳魔の無効化について明確に根拠を告げないことには理由がある。あまり好意的なことを言ってしまうと、五行盟の敵と見なされかねないからだ。慎重に言葉を選んだ結果『思考は破綻していない』『脅威を無効化することができるかもしれない』この二つの表現に留めておくことにした。
それでも恐らく彼らは煬鳳のことを敵視するだろう。それも凰黎と塘湖月の意見だった。
あともう一つ。
『彩鉱門については触れない』
蓬静嶺の他に、五行盟内にも彩鉱門の存在に気づいている者もいるかもしれないが、敢えて身を隠した彼らのことをわざわざ報告する必要はないだろう。特に万晶鉱の存在はとても微妙だ。ことを荒立てぬためにも一旦そのことは伏せておくことに決めた。
「――というわけで、煬昧梵は完全に黒冥翳魔とは無関係でありながら不運にもその力の一部を宿すことになってしまったというわけです」
鸞快子が盟主の前であらかじめ相談した内容を語ると、盟主と共にいた者たちがざわついた。
「そのような言い分は詭弁に過ぎぬ!」
「そうだ! ならばなぜ、山に住んでいた他の者たちは同様の力を持たなかったのだ!?」
「本当は黒冥翳魔に操られているのではないか」
「盟主、ご決断を!」
みなの催促を受け瞋九龍も難しい顔をしている。彼が一声煬鳳を敵と見なし、処刑するなどと言おうものなら、すぐさまこの場にいる者たちは煬鳳を捉えようとするだろう。もちろんそうなったときは凰黎たちが場をかく乱させて逃げ道を用意するつもりだ。
しかし、それは最終手段であり、逃げる手助けをした蓬静嶺を糾弾するような事態はできるだけ避けておきたい。
瞋九龍はひとしきり皆の訴えを聞いたあとでゆっくりと目を開く。
「静かに。……先ほど皆は、なぜ他の者たちは同様の力を持たなかったのか、と申したが、黒炎山の噴火で生き残ったのは現状において煬昧梵ただひとり。なのになぜ他の者が力を持っていなかったと断言できようか?」
その言葉にみなは黙ってしまう。確かに、表向きには生き残ったのが煬鳳だけということは誰から見ても事実。もちろん彩藍方や彩鉱門の人たちもいるが、それは五行盟の知らぬこと。
「それこそ煬昧梵が村の者たちを、噴火のどさくさに紛れて殺したのではないか!?」
ある程度その言葉も予想はしていた。
しかし、いくら何でも無理がありすぎやしないだろうか。
塘湖月は他の者たちに分かるよう手を上げると高らかに言葉を発する。
「残念ながら当時の彼は五歳か六歳。そのうえ彼が玄烏門の掌門に拾われる前、彼は術を使うことも戦うこともできない、本当にただの子供でした。前玄烏門の掌門と交流のあった蓬静嶺の嶺主がその証人です」
本当のことをいえば、ただの一度だけ人買いから逃れるために無意識に黒曜の力を使ったらしいのだが、本当にその一度だけ。あとは玄烏門に入って修行するまではなにもできない、ただの生意気な子供だった。しかし入門してじきに目覚ましい上達を見せ、半年もかからぬうちに玄烏門において、同年代の子供たちの中では一番強くなってしまったのだ。
だから一応嘘は言っていない。
「盟主様のお考えを伺いたい。これは好機なのではないかと、私は考えます」
「好機だと?」
進み出た鸞快子。彼の言葉に瞋九龍の眼光が鋭く閃いた。
「はい。彼は黒冥翳魔と同じ力を使うことができます。つまり、彼に対抗しうる手段を持っているということになります。そして、彼は『脅威を無効化することができるかもしれない』と言っている。黒冥翳魔の力は以前より弱いとはいえ侮れないでしょう。わざわざ大量の人員を死地に差し向けるよりはずっと効率的かと存じます」
「ふうむ……」
「かつて五行盟は五行全ての力を合わせ、黒冥翳魔を封じました。五行使い全てが集うことができない現状において、いたずらに被害を増やすよりもできるだけ賢く立ち回るほうが五行盟全体の評価向上に繋がると考えますが」
ここで一番重要なのは『黒冥翳魔が過去いかに強敵であったか』ということだ。誰だって好んで死地に赴きたいとは思わない。穏便に済む方法がもしもあるのなら、そちらを試してからでも遅くはないと考えるだろう。
さらに言うなら、『そのほうが五行盟の評価に繋がる』というくだりが重要だ。もしも周辺に被害が及ぶなら五行盟には苦情が押し寄せ、地位すら危うくなるかもしれない。少なくとも、評価を気にする者たちには効果がある言葉だ。
そして、五行盟の名誉を一身に背負っている瞋九龍にさえも。
「分かった――。鸞快子の顔を立てて、一旦この件は不問にしよう」
瞋九龍のその一言で、他の者たちもそれ以上なにもいうことはなくなった。
奇妙な話ではあるが、会話をしている二人とも実際にその死体を目にしたわけではなさそうだ。ただ、噂という意味ではこの手の話はみなが好んで広めやすい。それが見間違えであれ、真実であれ。
「そうですね。もしも本当に干からびていたというのなら、少々気になります。どう考えても岩崩れが原因ではないでしょうね」
「確かそのとき現地に赴いたのは雪岑谷と恒凰宮の者だったと記憶しています。彼らに聞けば事実が分かるかもしれません」
塘湖月が男たちに聞こえないよう、静かな声で言った。
この男は凰黎の言う通りとても冷静で聡明だ。口調は淡々としてはいるが、決して敵意などはなく、口から出る冷静な言葉に反して声色は穏やかに聞こえる。
一体死んだ人たちに何があったのか。凰黎もまだ真相は分からぬといった表情だ。
「そうそう、話は変わるけどよ。今朝がたどこぞの湖が一晩のうちに枯れ果ててたっていう噂、聞いたか?」
「それってここ最近ずっと起こってる、湖の水がとつぜん干上がるっていうアレだろ!?」
煬鳳は散茶を飲み干し、次の瞬間一気にそれを噴き出した。
前者には全く覚えがないが、後者には死ぬほど覚えのある話だ。咳き込みながら凰黎の顔色を窺うと、案の定微妙な表情で凰黎が見ている。
「お、俺じゃないよ! ほんとだ! 天に誓って俺じゃない!」
「大丈夫。貴方だなんて思っていませんよ?」
ただし、煬鳳の反応を見て面白がっていることはよく分かった。凰黎は口の端を少し上げ、したり顔で語る。
「そりゃ、そうですよね。貴方は昨日は一晩中私と……」
「わーっ! わーっ!」
慌てて煬鳳は凰黎の口を塞ぐ。特に塘湖月には……凰黎と煬鳳のことは周知の事実だが、だからといってそれを聞かれるのは恥ずかしい。
「そ、それはともかく! 俺じゃないんだって。本当に」
「分かっています。ちょっと揶揄いたかっただけですから」
こういうときの凰黎はちょっと意地悪だ。
男たちは凰黎とのそんなやり取りに気づく様子もなく、会話を続けている。
「確か、あそこはこのまえ地割れがあった場所じゃないか? 多分それで湖の水が流れたんだよ」
「そうかなあ。だからって一晩で水が無くなったりするか?」
「そんなの俺が知るか!」
男はもう片方の男を小突く。「いてっ」と声をあげた男は、ぶつぶつと文句を言いながら押し黙ってしまった。
それにしても、まさか煬鳳の仕業以外で湖の水が消えることがあったとは。うっかり自分のやらかした湖消失事件までことが及ぶのではないかと、俄かに不安になってしまう。
「なあ……」
落ち着かない気持ちを抑えきれず、つい凰黎に話しかけたのだが答えたのは凰黎ではなかった。
「湖の件はあくまで噂です。もし本当に事実であり調査が必要と判断されたなら、五行盟の誰かが向かうことになるでしょう」
塘湖月は男たちの話す内容について言及する気はないようだ。
「恐らく数日前に地震がありましたから、その影響かもしれませんね」
二人が口を開くより早く言葉を付け加え、何事もなかったように視線を茶椀に戻した。
(地震といえば、あのときのか……)
玄烏門で滞在中に起こった地震が真っ先に煬鳳の脳裏に浮かぶ。遠くで起きた地震でも、確かに場所によっては影響が出ることもあるだろう。
* * *
五行盟に黒炎山での出来事を報告した煬鳳を待ち受けていたのは、案の定ひどい罵声の数々だった。幸いなのは盟主たる瞋砂門の瞋九龍を除いて他の掌門たちがいなかったこと。早急に対応が必要だった揺爪山での案件が片付いたので、恐らくはみなひとまず帰ったのだろう。
煬鳳たちは、事前にどこまで彼らに真実を話すべきかということを相談しておいた。馬鹿正直に全てを話せば、それこそ煬鳳の立場が危うくなってしまうかもしれないからだ。
まず、鸞快子には煬鳳の身に起こっていること、清林峰での一件、それに黒冥翳魔との因縁と黒炎山で彩鉱門の世話になったことなどを全て包み隠さず話した。『話したうえで理解してもらわねば、心からの味方にはなってくれないし、いざ助けようと思ったときもどうして良いか分からないだろう』と思ったからだ。
そのうえで鸞快子を含めた四人で、五行盟に伝える情報の範囲としていくつかのことを決めた。
まず、黒冥翳魔と煬鳳とは血縁関係でも本人でもなく、ましてや仲間でもない、完全に無関係である。
たまたま封じられていた土地に住んでいたことにより、何らかのきっかけで翳炎――翳炎の一部が宿ってしまった。
現状復活した黒冥翳魔は既に暴走しておらず我を失っているわけでもない。
比較的思考も破綻していない。
もしかすると彼の脅威を無効化することができるかもしれない。
この三点だ。
黒冥翳魔の無効化について明確に根拠を告げないことには理由がある。あまり好意的なことを言ってしまうと、五行盟の敵と見なされかねないからだ。慎重に言葉を選んだ結果『思考は破綻していない』『脅威を無効化することができるかもしれない』この二つの表現に留めておくことにした。
それでも恐らく彼らは煬鳳のことを敵視するだろう。それも凰黎と塘湖月の意見だった。
あともう一つ。
『彩鉱門については触れない』
蓬静嶺の他に、五行盟内にも彩鉱門の存在に気づいている者もいるかもしれないが、敢えて身を隠した彼らのことをわざわざ報告する必要はないだろう。特に万晶鉱の存在はとても微妙だ。ことを荒立てぬためにも一旦そのことは伏せておくことに決めた。
「――というわけで、煬昧梵は完全に黒冥翳魔とは無関係でありながら不運にもその力の一部を宿すことになってしまったというわけです」
鸞快子が盟主の前であらかじめ相談した内容を語ると、盟主と共にいた者たちがざわついた。
「そのような言い分は詭弁に過ぎぬ!」
「そうだ! ならばなぜ、山に住んでいた他の者たちは同様の力を持たなかったのだ!?」
「本当は黒冥翳魔に操られているのではないか」
「盟主、ご決断を!」
みなの催促を受け瞋九龍も難しい顔をしている。彼が一声煬鳳を敵と見なし、処刑するなどと言おうものなら、すぐさまこの場にいる者たちは煬鳳を捉えようとするだろう。もちろんそうなったときは凰黎たちが場をかく乱させて逃げ道を用意するつもりだ。
しかし、それは最終手段であり、逃げる手助けをした蓬静嶺を糾弾するような事態はできるだけ避けておきたい。
瞋九龍はひとしきり皆の訴えを聞いたあとでゆっくりと目を開く。
「静かに。……先ほど皆は、なぜ他の者たちは同様の力を持たなかったのか、と申したが、黒炎山の噴火で生き残ったのは現状において煬昧梵ただひとり。なのになぜ他の者が力を持っていなかったと断言できようか?」
その言葉にみなは黙ってしまう。確かに、表向きには生き残ったのが煬鳳だけということは誰から見ても事実。もちろん彩藍方や彩鉱門の人たちもいるが、それは五行盟の知らぬこと。
「それこそ煬昧梵が村の者たちを、噴火のどさくさに紛れて殺したのではないか!?」
ある程度その言葉も予想はしていた。
しかし、いくら何でも無理がありすぎやしないだろうか。
塘湖月は他の者たちに分かるよう手を上げると高らかに言葉を発する。
「残念ながら当時の彼は五歳か六歳。そのうえ彼が玄烏門の掌門に拾われる前、彼は術を使うことも戦うこともできない、本当にただの子供でした。前玄烏門の掌門と交流のあった蓬静嶺の嶺主がその証人です」
本当のことをいえば、ただの一度だけ人買いから逃れるために無意識に黒曜の力を使ったらしいのだが、本当にその一度だけ。あとは玄烏門に入って修行するまではなにもできない、ただの生意気な子供だった。しかし入門してじきに目覚ましい上達を見せ、半年もかからぬうちに玄烏門において、同年代の子供たちの中では一番強くなってしまったのだ。
だから一応嘘は言っていない。
「盟主様のお考えを伺いたい。これは好機なのではないかと、私は考えます」
「好機だと?」
進み出た鸞快子。彼の言葉に瞋九龍の眼光が鋭く閃いた。
「はい。彼は黒冥翳魔と同じ力を使うことができます。つまり、彼に対抗しうる手段を持っているということになります。そして、彼は『脅威を無効化することができるかもしれない』と言っている。黒冥翳魔の力は以前より弱いとはいえ侮れないでしょう。わざわざ大量の人員を死地に差し向けるよりはずっと効率的かと存じます」
「ふうむ……」
「かつて五行盟は五行全ての力を合わせ、黒冥翳魔を封じました。五行使い全てが集うことができない現状において、いたずらに被害を増やすよりもできるだけ賢く立ち回るほうが五行盟全体の評価向上に繋がると考えますが」
ここで一番重要なのは『黒冥翳魔が過去いかに強敵であったか』ということだ。誰だって好んで死地に赴きたいとは思わない。穏便に済む方法がもしもあるのなら、そちらを試してからでも遅くはないと考えるだろう。
さらに言うなら、『そのほうが五行盟の評価に繋がる』というくだりが重要だ。もしも周辺に被害が及ぶなら五行盟には苦情が押し寄せ、地位すら危うくなるかもしれない。少なくとも、評価を気にする者たちには効果がある言葉だ。
そして、五行盟の名誉を一身に背負っている瞋九龍にさえも。
「分かった――。鸞快子の顔を立てて、一旦この件は不問にしよう」
瞋九龍のその一言で、他の者たちもそれ以上なにもいうことはなくなった。
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