私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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妹のピンチ、姉は大ピンチ!?

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「ケンスケー!出血が酷いよぉ。
もうそんなヤツ、モモはどうでもいいよ!今すぐ手当てしなきゃヤバいって。」

心配しているモモがケンスケに近寄って腕を掴んだ。

「俺に触るな。」

ケンスケの放った裏拳がモモの顔面を捉えた。

顔面を殴られたモモは背中から倒れかけたが、間一髪セラがモモを受け止めた。

「おまえ、なんて事をしたんだ!彼女がこのまま倒れたらコンクリに頭をぶつけて重症を負ったかもしれないんだぞ!」

セラの顔はみるみる紅潮していく。

「…いいじゃないか。そんな女は。
それより、もっとキミと楽しみたいな。」

ケンスケを無視して、シャッターが閉まったままのBARの壁を背もたれにして座らせたセラが心配をして話しかけると、モモはゆっくり瞼を開いた。

「おまえ大丈夫か?」

「うるせぇよぉ…ビッチのくせに。
モモより格上みたいな顔しないで。おまえもモモと大差ないんだからね…。」

セラは皮肉を混えて言い返そうとしたが、涙を流しているモモを見ると口を閉じた。

モモの度重なる暴言や、しつこく付き纏う行為ーーーー
これらの耐え難い怒りをモモがゾッコンになるほど惚れているケンスケにぶつける事にした。

「ケンスケだっけ?おまえに使う時間はないけどさ、今ここでおまえをブチのめしておかなきゃ、きっと後悔すると思うんだ。
だから、やってやるよ。ほら、来なよ。」

手招きをするセラをクスクス笑いながら、ケンスケはユラユラ歩いて再び近づいて行く。

「兄貴ぃ!暴対法を忘れたんすか?
俺ら下手打ったら組に迷惑かけてしまうだけではすまないんすよ!」

「組?おまえら暴力団なの?」

セラは2人が暴力団だと知って驚いていた瞬間、ケンスケはセラの懐に入り込んでいた。

「なぁ、お姉ちゃん。俺に腹が立ってるんだろう?
それなら思う存分、俺を殴ってくれないかい?
今、ようやく求めていたものがなんなのかわかったんだ。薄々は気付いていたがね…。
キミから受ける暴力は心地良いんだ。
痛みが与えてくれるものは、苦痛だけではない。
憎しみの基礎となる土台には深い愛情がある。
直接、俺に対する愛がまったくもってなくとも、何かを愛する気持ちがあるからこそ憎しみが湧く。
キミの怒りは愛に溢れているよ。」

「…何を言ってんだ?」

セラは気味が悪くなり及び腰になって後退りした。

「俺のこの性癖…いやいや、そんな安っぽくて平べったいものじゃない。
愛する何かを守るーーーーそれは人でも義理でもかまわない。
愛を守る為には時として憎しみを増幅させる必要があるんだ。
憎しみを燃やして生きる、深い愛情に溢れたキミに出会えて幸せだ…。」

意味不明な言動を抑揚なく話すケンスケに、なんともいえない怪しさを感じ取りセラは更に後ろへ引いていく。

「しかしこのままでは憎しみは鎮火して愛は優しさだけの、ただ甘いだけの蜜のような無味乾燥なものに成り下がってしまう。
それでは俺は救われない。
憎しみが消失した愛というのは、誰にでも平等で特別ではなくなる。
優しさには簡単に嘘が入り込む。
憎しみには嘘が入り込む余地はない。なぜなら損得勘定なんて一切なくピュアな感情だからだ。」

「あの、兄貴…?」

ヤナセはセラの顔を見て解説を求めたが、セラは"あたしに聞くな"といわんばかりに冷たくあしらった。

「アハ、よくわかんないけど、人は色んな趣味があるよね。
用事があるんで、あたしはこれにて失礼しちゃいまーすぅ!
あっ、それとね、このピンクさんをちゃんと病院に連れていくよーに!忘れちゃダメよぉ。」

目を泳がせているセラはわざとらしく可愛くおどけて逃げようとした時だった。





















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