私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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暴走するミカミ

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「危ないですよ。信号機を守ってください。」

パトカーに気付かず横断歩道を信号機を赤で渡ったミカミは、パトカーのフロントバンパーに内蔵されているスピーカーから注意された。

交差点で停止しているパトカーはサイレンを鳴らしてはおらず赤色灯も灯火していない。

深く帽子を被り、小走りで横断歩道を渡り終えて細い路地へ入った。

「はぁ…。」

信号機を守らなかったから注意されただけだ。
俺はマークされてはいない。
自分に言い聞かせながら歩いていく。

ミカミは新富福町の空き交番にて、ソラを半ば監禁した代償で警察の目をとても気にしていた。
ソラ達はミカミに襲われた当日に、警察へ出向き被害届を提出している。

交番に設置されている防犯カメラに映し出された映像を見ればミカミの素性など一目瞭然だろう。

ネットカフェでの生活に嫌気がさし、住んでいたアパートに足を伸ばした事があった。
警戒して少し離れた所から様子を窺うと、
パトカーがおり、アパートの正面で停車していた。
運転席でハンドルを握る警察官と目が合ったものの"バンカケ"をされる事もなくすれ違った。

単なる偶然だったかもしれない。

しかし、どこへ居ても警察官と遭遇する回数が非常に多い為、精神的に自らを追い込むように神経質になっていく。

細い路地の先に、地域に根ざした個人経営のスーパーマーケットがある。

開閉がぎこちない自動ドアの前で鬱陶しそうに立ち、入店すると、カゴを手に店内を徘徊している。
漠然と酒とツマミを買って、おとなしく寝泊まりしているネットカフェに向かうつもりだ。

女神はあれから、あのアパートに住んでいないんだ。
ギター野郎とどこへ行ったんだろう?
まだ妹ちゃんのマンションで同居しているのかな?
もしまだ同居しているのならば、見に行って調べてやりたい。
でも警察が張っているかもしれないしな…。
ここで捕まったら、俺の人生は終わりだ。


ミカミは心の中で生じた葛藤が叫びとなって、口から漏れでた。

「うわぁぁぁ!」

店内に居る買い物客はギョッとして見ている。

ソラを忘れるどころか日に日にソラへの歪んだ愛情を募らせており、自分勝手な欲望を制御できず暴力的な振る舞いが表れていた。

セルフレジで会計を済ませ、すごすご店を出る。

ミカミの幼稚な振る舞いは止まらず、何かを思い出したかのように人目をはばからず泣き叫んだ。

夕陽が沈む時間帯、平日という事もあり駅から住宅街へ向かう足は絶えない。
スーパーマーケットで奇声を発した時とは比べものにならないくらい注目を集めた。

ミカミの周りには10人ほど人集りができた。
主に制服を着ている男子高校生達が得体の知れない動物を見るかの如く好奇な目で見ている。
その内の1人がニヤニヤしながらミカミにスマホを向け始めた。

「おまえらそこで何をしているんだぁ!
家帰って宿題しろぉー!」

スマホを向けられた事に気づき細い両腕をグルグル振り回し威嚇をするミカミを見て、高校生達は「これは撮れ高だ」と言い退散させる事はおろか、かえって燃料を投下してしまう形となった。

「勝手に撮るなぁ!この粗チン野郎!」

ミカミはバカにしてくる高校生に対して、過去にバトル系漫画で読んだ拳法を真似てポーズを決める。

「キョエェェェ!」

「うわ。こいつ、超きめぇ。」

ピアスをしたマッシュルームヘアのリーダー格の男子が指をさして、仲間を煽ると下品な笑いが巻き起こった。

「あんな大人にだけはなりたくないな。
なぁ、みんなもそう思うだろ?」

「おまえらの学校はどこだ?絶対に許さないぞー!」

この発言に激昂げっこうしたミカミはマッシュルームの男子高校生に襲いかかろうとした時だ。

綺麗なOL2人が警察官を引き連れて、騒ぎの起きた場所へ向かってきた。

「あの男が突然、暴れ始めたんです!」

2人のうち、1人のOLが警察官に大きな声で話した。

「君らにも話を聞くから、まずはスマホでの撮影はやめてくれる?」

落ち着いた警察官は高校生に言うと、ミカミにも話しかけた。

「お兄さんも落ち着いて。
ん?どこかで、見覚えがあるな…待ちなさい!」

この警察官の発言に全てを悟ったミカミはその場から逃げ出した。



























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