私、家出するけどちゃんと探してよね!

スーパー・ストロング・マカロン

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これじゃどうする事もできねえよ!!

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「神園くんの晴れ舞台。
せっかくなのですから、ワタクシ達もオシャレな衣装に着替えてライブに臨みましょうよ。」

沈痛な面持ちでいるソラの気を紛らわせようと、かつらは自分の部屋のクローゼットの扉を開けた。

「これ全部かつらちゃんの洋服なわけ?
てかさ、扉がゴツくてどっかのホールみたいだよ。」

奥行きがあってたくさんの人を収容できるであろうクローゼットを見て、セラは圧倒されている。

「ええそうですわ。」

クローゼットは一般的な公立学校の体育館並みの広さで、ハンガーにかかった洋服が数え切れないほど並んでいた。

「すごい景色ね…。これでも砂城院家には慣れたつもりだったのに、まだまだかつらちゃんの家には驚く事ばかりだわ。」

ヒロコは目を丸くして言った。

「ワタクシの洋服ばかりですが、サイズもデザインも様々です。
もしよろしければ、みなさんもどうぞ。
気にいったものがあれば、ご遠慮なく試着してくださいね。」

「やったー!」

飛び跳ねたセラは洋服の山に突っ込んでいく。
ルンルン気分で内股走りするヒロコもセラに続いた。

「ソラちゃんは、ワタクシと一緒にライブで着るお洋服を探しましょうよ。」

ソラはかつらに言われるがまま手を握り、クローゼットに入っていく。

「俺達はどうすりゃいいだい?」

190cmのオオニシは苦笑いを浮かべて隣にいる小柄なユウシンを真上から見下ろして言う。

「明らかに僕ら男には着れない洋服ばかりですもんね。」

「スッゲーとこに来てるんだな、俺…。」

オオニシになのか、ユウシンになのか、誰に向けた言葉かわからないがトモキはボソッと呟いた。

「おーい!あたしが選んだ服はどう?イケてると思わない?
男子の意見を聞かせてよ!」

女子のなかで1番早く着替えたセラが、オオニシ達の前にやってきた。

「やっぱバンドじゃん?あたしは音楽はよくわかんないけど、イメージとしてはこんな感じかな?」

「めちゃくちゃド派手ですね。」

3人の中でトモキが先に口を開いた。

「ユウシンはどう思う?」

クールな顔をしながらセラは全身を見せる為、身体をくるくる回転させている。

「革ジャンと短いパンツが格好良い…。」

ソラやかつらと同じくらい白い顔を真っ赤に染めたユウシンは、声をうわずらせて言った。

「ユウシン!おまえ、セラさんの身体をイヤラシイ目で見ていたろ?
なんてエロい奴だ!」

空手の有段者であるトモキがユウシンの肩にパンチを連打する。

「痛いよ!僕はそんなつもりはないってば!
印象操作はやめて!」

女性経験のない男子高校生2人が騒ぐのを尻目にオオニシの目の前に立った。

「オオニシさん!どう?どう?あたし?」

ギターを弾いているポーズを決めた。

「セラちゃんは、パンクだな。」

「パンク?なにそれ?」

聞き慣れないワードを聞いたセラは興味津々だ。

「俺は学生時代から好きで良く聴いた音楽ジャンルなんだけどさ。
既存の古いロックをぶっ壊してだな…まぁ、俺の解説はいいか。
それより革ジャンのびょうや缶バッジがクールだよ。
下は赤いタータン柄のマイクロミニのスカートに網タイツか。
キャスケットもクールで似合ってる。」

革ジャンから飛び出す胸の谷間を見て、ドキッとしながらもオオニシはセラのコーディネートに答えている。

「オオニシさーん!ウチもウチも!」

オオニシとセラが振り返ると、着替えをすませたヒロコがやってきた。

「どう?ウチのヒッピーファッション!」

「…とても良く似合ってるよ、ヒロコさん。ベルボトムを上手く着こなしているよな。」

「そう?撮影でクライアントさんのを撮った事あったけど、ヒッピー文化は知らないし、ウッドストックとか言われてもチンプンカンプンだよ?
けっこうコスプレ的な感覚で着たんだけどなー。」

ヒロコは疑いの目でオオニシを見た。

「オオニシさんはもしかしてウチのヒッピーファッションが似合ってないから適当な事を言ってない?」

「そ、そんな事ないさ。本心だよ。とても素敵だ。」

ヒロコを女性として好きなオオニシは嫌われたくなくて、しどろもどろになっている。

「納得いかない。別の服にします!行こっ?セラちゃん。」

「わわわっ!危ないよ!いきなしそんなに引っ張ったら転けちゃう!」

ヒロコは強引にセラを連れて再び洋服の山へ向かっていく。

「俺、なんて答えるのが正解だったんだろう?」

オオニシはうなだれてしまった。



























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