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第一章 真夜中の小道具店
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「ねえ、おせんちゃん。それ〝呪符〟だよね?気軽に写すとか言ってるけど、大丈夫なの?」
呪符。要は、呪いのかかったお札だ。
王宮内、誰かが誰かを呪おうとしていた証拠。
残しておきたいのはやまやまだ。けれど優先すべきは「浄化」だ。
いくら桜泉が国を守護する龍の子と言えど、影響がないなんて言いきれないはず。
不安げな珠葵に、桜泉は笑って右手の筆を振り回した。
一応まだ、店番としての立場は理解していて、龍河が白いふわふわの動物姿なのと比較して、桜泉は珠葵と年齢の近い、少女姿のままだ。
「大丈夫、大丈夫! 万一を考えて、一筆分だけ書かずにおくから。そうしたら呪いの札としては成立しないでしょ? 不完全な呪式になるんだから」
「え……?」
そういうものだっただろうか。
いや、でも、そう言われればそうかも知れない。
ただ、それって書き写す意味あるんだろうか……?
「何言ってるの、珠葵ちゃん! あの雪娜が、一筆分欠けたくらいで、何の呪符か分からないと思う? そんなワケでハイ、これ書けたから! とりあえずこっちをしまって、札は浄化! でもって圭琪に手紙!」
そんな珠葵の表情を読んだのか、一気にまくし立てた桜泉は「ほら、解決!」と言わんばかりだ。
珠葵は一瞬、呆気にとられてしまった。
「お店番ならアタシがいるし! だから珠葵ちゃんは、とりあえず浄化!」
お店の方は、いつ、誰が訪ねて来るとも知れないのは確かだ。
妓楼に客が来る時間帯となれば、馴染みの客がやって来たタイミングで贈られた品を預けに来たり、着飾るための小道具を借りに来たりと、店はなかなかに慌ただしくなる。
桜泉に追い立てられるように、いったん奥へと引っ込んだ珠葵は、机の上に置いた複数の紙の札に改めて手をかざした。
「……っ」
するとその瞬間、札の周りの空気がふわりと舞い上がり、珠葵の手をそのまま包み込む。
ただ、その空気はあまり触れられて心地の良いものではなかった為に、珠葵は我知らず顔を顰めてしまっていた。
「!」
しばらくすると、文字が札から離れて宙に浮かびあがり、何が起きているのかと、珠葵は茫然とそれを見つめてしまった。
後から考えれば、それでは対応としてよくなかったのかもしれないが、結局は何も出来ないうちに、あっと言う間に青い炎と化して、全ての文字が消えてしまったのだ。
そして燃え滓の代わりに、コトンと音を立てて〝珠〟が机の上、白紙になった紙の札の上に転がり落ちた。
「コレ……おせんちゃんに写しておいて貰って正解だった……かな?」
珠葵がこういった作業をする時に願うのは、殺意や呪いといった、お世辞にも前向きとは言えないどす黒い感情の昇華だ。
軽度の悪意であれば、浄化といっても昇華された悪意がただ〝珠〟になるだけで、それ以外の現象が起きることはない。
それが文字ごと燃えて〝珠〟になったのだから、そこには段階が上の「浄化」が必要だった程の何かが籠められていたと言う事なんだろう。
おせんちゃんに、呆れられるだろうなぁ……と思いながら、白紙になった紙と、その上にある〝珠〟を持って、お店の方へと戻る。
「おせんちゃん、お店番ありがと!」
わざと明るい口調でそう声をかけると、桜泉は上手くいったと察したのか、こちらを向いてから、ぱあっと顔を輝かせた。
「その顔は、ちゃんと〝珠〟に出来たってコトだよね?」
「ま、まあ、一応ね?」
お店側の軒先で、はたして文字が浮いた――などと話をしていいものなのか。
迷う珠葵の返事は曖昧だ。
「食べていい? お兄ちゃんと半分こ出来そう?」
「そ、そうね? 札は何枚かあったわけだから、一枚に一個。力はあまり強くないけど、おやつくらいにはなるかも?」
「やたっ」
嬉しそうに手を差し出されれば、珠葵としても〝珠〟は差し出すしかない。
傍から見れば、飴を口の中に放り込んでいるようにしか見えないのだから、お行儀がどうのと言うわけにもいかなかった。
「まあ、まあ、そんな複雑そうな顔しないで? おやつ分はちゃんと働くから」
自らが書き上げた「不完全な呪符」を見ながら、桜泉がこちらを窺う様に首をこてんと傾ける。
「圭琪への手紙はちゃんと届けるし、何ならこのお札はそのまま雪娜に届けるから!」
「いや、さすがにおせんちゃんでも、雪娜さんのところは難しいんじゃないかな……?」
そのあざと可愛さにうっかり絆されそうになったものの、ふと浮かんだ疑問が珠葵の首も傾げさせる。
「だって、御史台の更夜部だよ? 王宮内で王族のいるところ並みに警護されてるんだよ? 御史台の周りで呪詛入りの札を剥がしてくるのとワケが違うと思うんだけど……?」
王宮における通常の政務は当然昼間の仕事だ。御史台にも本店と呼ばれる監査中心の部署があり、主軸はそちらだとされている。
ただ御史台の中に設置されている更夜部は、主に夜間に跋扈する魑魅魍魎が相手となる特殊な部署なのだ。
その御史台を束ねる朱雪娜は、持っている〝力〟の大きさと希少性からも、昼よりは夜に王宮内にいることがほとんどだ。
監査であれば代理を立てられても、妖を駆逐する能力となればそうそう代わりは利かないのだ。
それ以前に、雪娜は余程の事がない限りは、御史台からは出ない。
本人の持つ〝力〟が規格外すぎて、小物を退治しようとしても、王宮が吹き飛ぶくらいの威力が発揮されてしまうからだとさえ噂されている。
珠葵が拾われたあの夜、雪娜が外に出ていたのは、国を守護すると言われている「龍の子」が行方不明になると言う、国の根幹に関わる事件だったからに他ならない。
日頃から雪娜の〝力〟の大半は、王宮を囲む結界の維持に使われている。
珠葵の能力も特殊だが、雪娜の持つ力も規格外なのだ。
昼間の部署である御史台本店を束ねる資格はさておき、更夜部の長就任の条件は、その結界が維持出来るかどうかが全てだとさえ言われているくらいだ。
まだ二十代であるはずの雪娜がその長となっているのは、その証左だと言えるだろう。
代々の御史台更夜部の長が王宮内の結界を維持し、国を守護する龍が国全体に目を光らせ、魑魅魍魎たちの暴走を防ぐ。
長くこの国に受け継がれている守護の仕組みだ。
どちらかを崩せば、国が傾いたとて不思議じゃないのだ。
実際、雪娜の右腕と自他共に認められている鄭圭琪でさえ、王宮の結界は維持出来ない。
雪娜様の負担を減らして差し上げるのにも限界がある――と、口惜しそうに呟いている事が一再ではない。
もちろん、そう聞いていても、珠葵とて結界の手助けは出来ない。
圭琪の口惜しい気持ちは嫌と言う程理解が出来るのだ。
――ただ、捨てられて死を迎えるのみかも知れなかった暗闇に、灯りをくれた朱雪娜。
今の珠葵に出来るのは、こうやって浄化や妖退治に必要な武器の修復を請け負う事だけだ。
それが龍河や桜泉の力の源にもなるのだから、やらない理由がない。
小指の先ほどでも良いから、雪娜の手助けになっていると信じたい。
「んー……じゃあとりあえず圭琪のところに行ってくるよ。別に無理やり入りこまなくったって、入れてくれるかも知れないし」
悪意はないだろうが、桜泉とて「人外のモノ」には違いない。
果たして御史台の奥深くまで入れるものなのか。
珠葵は不安が隠せなかった。
呪符。要は、呪いのかかったお札だ。
王宮内、誰かが誰かを呪おうとしていた証拠。
残しておきたいのはやまやまだ。けれど優先すべきは「浄化」だ。
いくら桜泉が国を守護する龍の子と言えど、影響がないなんて言いきれないはず。
不安げな珠葵に、桜泉は笑って右手の筆を振り回した。
一応まだ、店番としての立場は理解していて、龍河が白いふわふわの動物姿なのと比較して、桜泉は珠葵と年齢の近い、少女姿のままだ。
「大丈夫、大丈夫! 万一を考えて、一筆分だけ書かずにおくから。そうしたら呪いの札としては成立しないでしょ? 不完全な呪式になるんだから」
「え……?」
そういうものだっただろうか。
いや、でも、そう言われればそうかも知れない。
ただ、それって書き写す意味あるんだろうか……?
「何言ってるの、珠葵ちゃん! あの雪娜が、一筆分欠けたくらいで、何の呪符か分からないと思う? そんなワケでハイ、これ書けたから! とりあえずこっちをしまって、札は浄化! でもって圭琪に手紙!」
そんな珠葵の表情を読んだのか、一気にまくし立てた桜泉は「ほら、解決!」と言わんばかりだ。
珠葵は一瞬、呆気にとられてしまった。
「お店番ならアタシがいるし! だから珠葵ちゃんは、とりあえず浄化!」
お店の方は、いつ、誰が訪ねて来るとも知れないのは確かだ。
妓楼に客が来る時間帯となれば、馴染みの客がやって来たタイミングで贈られた品を預けに来たり、着飾るための小道具を借りに来たりと、店はなかなかに慌ただしくなる。
桜泉に追い立てられるように、いったん奥へと引っ込んだ珠葵は、机の上に置いた複数の紙の札に改めて手をかざした。
「……っ」
するとその瞬間、札の周りの空気がふわりと舞い上がり、珠葵の手をそのまま包み込む。
ただ、その空気はあまり触れられて心地の良いものではなかった為に、珠葵は我知らず顔を顰めてしまっていた。
「!」
しばらくすると、文字が札から離れて宙に浮かびあがり、何が起きているのかと、珠葵は茫然とそれを見つめてしまった。
後から考えれば、それでは対応としてよくなかったのかもしれないが、結局は何も出来ないうちに、あっと言う間に青い炎と化して、全ての文字が消えてしまったのだ。
そして燃え滓の代わりに、コトンと音を立てて〝珠〟が机の上、白紙になった紙の札の上に転がり落ちた。
「コレ……おせんちゃんに写しておいて貰って正解だった……かな?」
珠葵がこういった作業をする時に願うのは、殺意や呪いといった、お世辞にも前向きとは言えないどす黒い感情の昇華だ。
軽度の悪意であれば、浄化といっても昇華された悪意がただ〝珠〟になるだけで、それ以外の現象が起きることはない。
それが文字ごと燃えて〝珠〟になったのだから、そこには段階が上の「浄化」が必要だった程の何かが籠められていたと言う事なんだろう。
おせんちゃんに、呆れられるだろうなぁ……と思いながら、白紙になった紙と、その上にある〝珠〟を持って、お店の方へと戻る。
「おせんちゃん、お店番ありがと!」
わざと明るい口調でそう声をかけると、桜泉は上手くいったと察したのか、こちらを向いてから、ぱあっと顔を輝かせた。
「その顔は、ちゃんと〝珠〟に出来たってコトだよね?」
「ま、まあ、一応ね?」
お店側の軒先で、はたして文字が浮いた――などと話をしていいものなのか。
迷う珠葵の返事は曖昧だ。
「食べていい? お兄ちゃんと半分こ出来そう?」
「そ、そうね? 札は何枚かあったわけだから、一枚に一個。力はあまり強くないけど、おやつくらいにはなるかも?」
「やたっ」
嬉しそうに手を差し出されれば、珠葵としても〝珠〟は差し出すしかない。
傍から見れば、飴を口の中に放り込んでいるようにしか見えないのだから、お行儀がどうのと言うわけにもいかなかった。
「まあ、まあ、そんな複雑そうな顔しないで? おやつ分はちゃんと働くから」
自らが書き上げた「不完全な呪符」を見ながら、桜泉がこちらを窺う様に首をこてんと傾ける。
「圭琪への手紙はちゃんと届けるし、何ならこのお札はそのまま雪娜に届けるから!」
「いや、さすがにおせんちゃんでも、雪娜さんのところは難しいんじゃないかな……?」
そのあざと可愛さにうっかり絆されそうになったものの、ふと浮かんだ疑問が珠葵の首も傾げさせる。
「だって、御史台の更夜部だよ? 王宮内で王族のいるところ並みに警護されてるんだよ? 御史台の周りで呪詛入りの札を剥がしてくるのとワケが違うと思うんだけど……?」
王宮における通常の政務は当然昼間の仕事だ。御史台にも本店と呼ばれる監査中心の部署があり、主軸はそちらだとされている。
ただ御史台の中に設置されている更夜部は、主に夜間に跋扈する魑魅魍魎が相手となる特殊な部署なのだ。
その御史台を束ねる朱雪娜は、持っている〝力〟の大きさと希少性からも、昼よりは夜に王宮内にいることがほとんどだ。
監査であれば代理を立てられても、妖を駆逐する能力となればそうそう代わりは利かないのだ。
それ以前に、雪娜は余程の事がない限りは、御史台からは出ない。
本人の持つ〝力〟が規格外すぎて、小物を退治しようとしても、王宮が吹き飛ぶくらいの威力が発揮されてしまうからだとさえ噂されている。
珠葵が拾われたあの夜、雪娜が外に出ていたのは、国を守護すると言われている「龍の子」が行方不明になると言う、国の根幹に関わる事件だったからに他ならない。
日頃から雪娜の〝力〟の大半は、王宮を囲む結界の維持に使われている。
珠葵の能力も特殊だが、雪娜の持つ力も規格外なのだ。
昼間の部署である御史台本店を束ねる資格はさておき、更夜部の長就任の条件は、その結界が維持出来るかどうかが全てだとさえ言われているくらいだ。
まだ二十代であるはずの雪娜がその長となっているのは、その証左だと言えるだろう。
代々の御史台更夜部の長が王宮内の結界を維持し、国を守護する龍が国全体に目を光らせ、魑魅魍魎たちの暴走を防ぐ。
長くこの国に受け継がれている守護の仕組みだ。
どちらかを崩せば、国が傾いたとて不思議じゃないのだ。
実際、雪娜の右腕と自他共に認められている鄭圭琪でさえ、王宮の結界は維持出来ない。
雪娜様の負担を減らして差し上げるのにも限界がある――と、口惜しそうに呟いている事が一再ではない。
もちろん、そう聞いていても、珠葵とて結界の手助けは出来ない。
圭琪の口惜しい気持ちは嫌と言う程理解が出来るのだ。
――ただ、捨てられて死を迎えるのみかも知れなかった暗闇に、灯りをくれた朱雪娜。
今の珠葵に出来るのは、こうやって浄化や妖退治に必要な武器の修復を請け負う事だけだ。
それが龍河や桜泉の力の源にもなるのだから、やらない理由がない。
小指の先ほどでも良いから、雪娜の手助けになっていると信じたい。
「んー……じゃあとりあえず圭琪のところに行ってくるよ。別に無理やり入りこまなくったって、入れてくれるかも知れないし」
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