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第六章 一芸一能の誇り
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「あの、ところで高様はこのあとお時間あります?」
珠葵の問いかけに、高冲鋒の表情に少し警戒の色が浮かんだ。
「うーん……まあ、さっきも言った通り今御史台に自由に出入り出来るのが私くらいなものだから、忙しいと言えば……いや、戻らなければ用を言い付けられることもないから、かえっていいか……? 内容による、と言っておこうか」
丹劉帆に続いてこの高冲鋒も、洩れている独り言が真面目とは言い難い気がする。
知らず珠葵の眉間に皺が寄っていたけれど、声に出してはそれは言わなかった。
ある意味官吏としての建前を振りかざさない時点で、かえって信用出来るとも言えるからだ。
雪娜至上主義仲間の鄭圭琪や、王都一の妓女・葉華にぞっこんな丹劉帆とは別のところで優先する「何か」が彼にはあって、それを基準に動いている――そんな気がしていた。
「いえ、お願い自体は単純なんですけど。今から私がここで〝浄化〟をするので、しばらく邪魔が入らないように人払いをしていただけないかと思って」
「ほう?」
「ちょっと今からやる〝浄化〟は骨が折れそうなので、ぶっ倒れちゃったら誰に何されるか分かりませんし……あっ、そうなったらぜひ、鄭様に連絡を」
持っている〝力〟を使い果たして倒れた挙句、訳の分からない妖に身体を乗っ取られでもしたら、目も当てられない。
高冲鋒は、その手のモノは全く見えないし感じないとも言っていたが、仮に変に暴れ出したとして、取り押さえるくらいはしてくれるだろう。
「わざわざ牢の中に入って不埒なことをするほどの暇人は、今はいないと思うけどね。関係者は皆、凌北斗の逃亡でバタバタしているようだし。ここに君を放り込んだ北衙禁軍の誰かにしても、君が彼の居場所を知らないことは理解しているんじゃないかな」
丹劉帆に「10年経っても葉華には及ぶまい」と鼻で笑われたうえに、高冲鋒も「そんな気にもならない」と思っているのだろうか。
12~13歳相手にそんなことを思われても困るのだけれど、これはこれで何となく面白くない。
珠葵はムッと口を尖らせながら「そんなコトは心配していませんー。もしも私がおかしな言動をしはじめたり暴れ出したりしたら、力業で止めて欲しいだけですー」といじけた態でそっぽを向いた。
「……それは危険なことを今からやる、と言っているように聞こえるね? 私としては『どうぞ』とすぐには頷きづらいな」
最初こそ少し笑っていたものの、珠葵の言葉の危うさに気付いた高冲鋒が、眉根を寄せた。
「うーん……でも、上手くいけば明明さんが殺された手がかりが見えるかも知れないし……私が牢で『何か』したと、カンのいい人には分かるかも知れないし……何もしないよりはいいと思うんですよね……」
仮にただの〝浄化〟に終わったとしても、悪用される危険性がなくなるのだから、それはそれで悪いことではない。
そう説明する珠葵に、高冲鋒はまだ今一つ納得をしかねているようだった。
「今は御史台更夜部の官吏たちとて身動きが取れずにいるだろう? 恐らくまだ相手の派閥に潰されてしまう危険が残っているからじゃないのかな。見守れと言われれば断る理由もないけれど、私ごときでは誰か来ても対抗は出来ないよ?」
さすがに大きな声で「皇帝派」と言えなかったらしい高冲鋒が、少し暈した言い方をしている。
「え、ほら、でも高様って何の術も効かないんですよね? それってある意味安心な気もするんですけど……」
雪娜なり鄭圭琪なりに知らせて戻って来るまでであれば、そう時間はかからないはずだ。
術ではなく、物理でやられそうになったなら、そこは「中丞」の地位で押し通すか、脱兎のごとく逃げて貰うしかないが。
「ふむ……もう一声、何かないかい?」
口元に手を当て、石造りの天井を見上げたまま、高冲鋒が呟いた。
「も、もうひと声?」
「ほら、下手をすると北衙禁軍と対立することになるわけだろう?御史台関係者は今、ここに来られないわけだから、孤立無援。何も起きなければ、何もしてくれなくても構わないから、まあ……正直、対価が欲しいね」
「…………」
うーん、と珠葵は思わず唸ってしまった。
どう考えても、タダの小道具屋店主より、御史台中丞の方がお給料を貰っているに決まっている。
元より不正を暴く側の御史台官吏が、お金で動いたら驚きだ。この状況下、裏があるとしか思えない。多分こちらが逆に脅されそうだ。
「さすがに私は、葉華さんと一席なんて勝手に約束出来ないし、それをしたら葉華姐さんに怒られるどころか丹様に恨まれそうだし……」
丹劉帆がそれを確約されたのは、相手が游皐瑛、つまりは皇太子の発言だからだ。
一介の小道具店店主が、そんなこと出来るわけもない。
そんな心の声はともかく、丹様に恨まれる……あたりの声は恐らく聞こえたんだろう。
高冲鋒がクスリと笑うのが聞こえた。
「丹様とは、北衙禁軍の丹劉帆殿のことかな? そうか、彼は南陽楼の常連か」
「お知り合いですか?」
「親しくはないが、北衙禁軍でも上位に位置する人だから、まあ王宮内ですれ違えば挨拶くらいはね」
「なるほど。あ、丹様の名誉のために言っておくと、あの方南陽楼に通い詰めていらっしゃるわけではないです。多分ある程度まとまって貯まったところで、葉華姐さんにだけ会いにいらっしゃってるみたいです」
「ああ……それは色々と大変そうだ……」
揶揄うどころか本気で大変そうだと思っていそうで、いったい葉華と一席設けるのにいくらかかるのかと、珠葵は薄ら寒くなってしまった。
そして高冲鋒自身は、あまり妓楼通いには興味が無さそうで、それはそれで手札のない珠葵は困ってしまい、話が振り出しだ。
牢にいる珠葵の時間に余裕はあっても、高冲鋒はそうではないはずで、困ったなと考え込む仕種を見せたところで、不意に何かを思い立ったのか「ああ、そうだ」と、高冲鋒が声をあげた。
「じゃあ、今の『情報』を対価にしよう」
「え?」
顔を上げた珠葵に、高冲鋒は不敵に微笑んだ。
「君の話からすれば、丹殿に何かをお願いしたい場合は南陽楼で一席設ければ良いということだろう?」
「え、でも葉華姐さんのお座敷ですよ。いくらかかるか……」
値引きを期待されても困る。
珠葵の言いたいことを察したのか、高冲鋒が笑って片手を振った。
「今はまだ彼に何を頼むつもりもないから、安心してくれて良い。それに頼むとしても、正規の料金でもちろんお願いするよ。そうでなければ丹殿を愚弄するようなものだ。何を願おうと首を縦には振るまいよ」
「そ、そうですね」
「ただその時は、優先予約くらいはお願い出来るかな? 君の顔に泥は塗らないと約束するから、それを今回の対価にしておこうか」
高冲鋒の申し出は、問題が起きなければ無償、互いに貸し借り無しと言っているようなものだ。
タダより高いモノは無いと言うが、これならばギリギリ妥協出来る気がした。
……もしそんな機会が来たら、丹劉帆には「身売りしてごめんなさい」と、潔く頭を下げよう。うん。
そう内心で決断した珠葵は「じゃあ、それでお願いします」と、顔を上げた。
「承知した。早速始めるのかい?」
「はい、もちろんです」
気が変わられても、また珠葵の知らない官吏の誰かが押しかけて来ても困る。
珠葵は息をひとつ吸って、目の前の包み袋に手をかけた。
珠葵の問いかけに、高冲鋒の表情に少し警戒の色が浮かんだ。
「うーん……まあ、さっきも言った通り今御史台に自由に出入り出来るのが私くらいなものだから、忙しいと言えば……いや、戻らなければ用を言い付けられることもないから、かえっていいか……? 内容による、と言っておこうか」
丹劉帆に続いてこの高冲鋒も、洩れている独り言が真面目とは言い難い気がする。
知らず珠葵の眉間に皺が寄っていたけれど、声に出してはそれは言わなかった。
ある意味官吏としての建前を振りかざさない時点で、かえって信用出来るとも言えるからだ。
雪娜至上主義仲間の鄭圭琪や、王都一の妓女・葉華にぞっこんな丹劉帆とは別のところで優先する「何か」が彼にはあって、それを基準に動いている――そんな気がしていた。
「いえ、お願い自体は単純なんですけど。今から私がここで〝浄化〟をするので、しばらく邪魔が入らないように人払いをしていただけないかと思って」
「ほう?」
「ちょっと今からやる〝浄化〟は骨が折れそうなので、ぶっ倒れちゃったら誰に何されるか分かりませんし……あっ、そうなったらぜひ、鄭様に連絡を」
持っている〝力〟を使い果たして倒れた挙句、訳の分からない妖に身体を乗っ取られでもしたら、目も当てられない。
高冲鋒は、その手のモノは全く見えないし感じないとも言っていたが、仮に変に暴れ出したとして、取り押さえるくらいはしてくれるだろう。
「わざわざ牢の中に入って不埒なことをするほどの暇人は、今はいないと思うけどね。関係者は皆、凌北斗の逃亡でバタバタしているようだし。ここに君を放り込んだ北衙禁軍の誰かにしても、君が彼の居場所を知らないことは理解しているんじゃないかな」
丹劉帆に「10年経っても葉華には及ぶまい」と鼻で笑われたうえに、高冲鋒も「そんな気にもならない」と思っているのだろうか。
12~13歳相手にそんなことを思われても困るのだけれど、これはこれで何となく面白くない。
珠葵はムッと口を尖らせながら「そんなコトは心配していませんー。もしも私がおかしな言動をしはじめたり暴れ出したりしたら、力業で止めて欲しいだけですー」といじけた態でそっぽを向いた。
「……それは危険なことを今からやる、と言っているように聞こえるね? 私としては『どうぞ』とすぐには頷きづらいな」
最初こそ少し笑っていたものの、珠葵の言葉の危うさに気付いた高冲鋒が、眉根を寄せた。
「うーん……でも、上手くいけば明明さんが殺された手がかりが見えるかも知れないし……私が牢で『何か』したと、カンのいい人には分かるかも知れないし……何もしないよりはいいと思うんですよね……」
仮にただの〝浄化〟に終わったとしても、悪用される危険性がなくなるのだから、それはそれで悪いことではない。
そう説明する珠葵に、高冲鋒はまだ今一つ納得をしかねているようだった。
「今は御史台更夜部の官吏たちとて身動きが取れずにいるだろう? 恐らくまだ相手の派閥に潰されてしまう危険が残っているからじゃないのかな。見守れと言われれば断る理由もないけれど、私ごときでは誰か来ても対抗は出来ないよ?」
さすがに大きな声で「皇帝派」と言えなかったらしい高冲鋒が、少し暈した言い方をしている。
「え、ほら、でも高様って何の術も効かないんですよね? それってある意味安心な気もするんですけど……」
雪娜なり鄭圭琪なりに知らせて戻って来るまでであれば、そう時間はかからないはずだ。
術ではなく、物理でやられそうになったなら、そこは「中丞」の地位で押し通すか、脱兎のごとく逃げて貰うしかないが。
「ふむ……もう一声、何かないかい?」
口元に手を当て、石造りの天井を見上げたまま、高冲鋒が呟いた。
「も、もうひと声?」
「ほら、下手をすると北衙禁軍と対立することになるわけだろう?御史台関係者は今、ここに来られないわけだから、孤立無援。何も起きなければ、何もしてくれなくても構わないから、まあ……正直、対価が欲しいね」
「…………」
うーん、と珠葵は思わず唸ってしまった。
どう考えても、タダの小道具屋店主より、御史台中丞の方がお給料を貰っているに決まっている。
元より不正を暴く側の御史台官吏が、お金で動いたら驚きだ。この状況下、裏があるとしか思えない。多分こちらが逆に脅されそうだ。
「さすがに私は、葉華さんと一席なんて勝手に約束出来ないし、それをしたら葉華姐さんに怒られるどころか丹様に恨まれそうだし……」
丹劉帆がそれを確約されたのは、相手が游皐瑛、つまりは皇太子の発言だからだ。
一介の小道具店店主が、そんなこと出来るわけもない。
そんな心の声はともかく、丹様に恨まれる……あたりの声は恐らく聞こえたんだろう。
高冲鋒がクスリと笑うのが聞こえた。
「丹様とは、北衙禁軍の丹劉帆殿のことかな? そうか、彼は南陽楼の常連か」
「お知り合いですか?」
「親しくはないが、北衙禁軍でも上位に位置する人だから、まあ王宮内ですれ違えば挨拶くらいはね」
「なるほど。あ、丹様の名誉のために言っておくと、あの方南陽楼に通い詰めていらっしゃるわけではないです。多分ある程度まとまって貯まったところで、葉華姐さんにだけ会いにいらっしゃってるみたいです」
「ああ……それは色々と大変そうだ……」
揶揄うどころか本気で大変そうだと思っていそうで、いったい葉華と一席設けるのにいくらかかるのかと、珠葵は薄ら寒くなってしまった。
そして高冲鋒自身は、あまり妓楼通いには興味が無さそうで、それはそれで手札のない珠葵は困ってしまい、話が振り出しだ。
牢にいる珠葵の時間に余裕はあっても、高冲鋒はそうではないはずで、困ったなと考え込む仕種を見せたところで、不意に何かを思い立ったのか「ああ、そうだ」と、高冲鋒が声をあげた。
「じゃあ、今の『情報』を対価にしよう」
「え?」
顔を上げた珠葵に、高冲鋒は不敵に微笑んだ。
「君の話からすれば、丹殿に何かをお願いしたい場合は南陽楼で一席設ければ良いということだろう?」
「え、でも葉華姐さんのお座敷ですよ。いくらかかるか……」
値引きを期待されても困る。
珠葵の言いたいことを察したのか、高冲鋒が笑って片手を振った。
「今はまだ彼に何を頼むつもりもないから、安心してくれて良い。それに頼むとしても、正規の料金でもちろんお願いするよ。そうでなければ丹殿を愚弄するようなものだ。何を願おうと首を縦には振るまいよ」
「そ、そうですね」
「ただその時は、優先予約くらいはお願い出来るかな? 君の顔に泥は塗らないと約束するから、それを今回の対価にしておこうか」
高冲鋒の申し出は、問題が起きなければ無償、互いに貸し借り無しと言っているようなものだ。
タダより高いモノは無いと言うが、これならばギリギリ妥協出来る気がした。
……もしそんな機会が来たら、丹劉帆には「身売りしてごめんなさい」と、潔く頭を下げよう。うん。
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