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密談②
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僕が異世界人ではないということで話は終わったように思えた。
しかし話はまだ続くようだ。
「ここからは長としてではなく、私個人として話をしよう。正直、異世界というものをもっと知りたい」
さっきも言っていたけど、個人的に異世界の事を知りたいらしい。冒険者の長をやっているだけあって、こういうことには興味を隠し切れないようだ。
「わかりました。その前に田中君……賊はどうなるんですか?」
僕は覚悟を決めて聞くことにする
「ああ、処刑が決定している。知り合いだったな、だがこれは覆せないから諦めてくれ。さっきの話を聞くと尚更な」
「知り合いと言っても同じ学校だったというだけですので……。それで彼は処刑されるような事をしたんですか?」
思うところがないわけではないけど、僕が不登校だったこともあり田中君との思い出は特にない。
ただ、盗賊だったというだけで処刑されるのならば可哀想だ。
「調べた所、先日馬車を襲った時にも強奪に参加していて、冒険者に大怪我をさせている。治療が間に合わなければ死んでいた可能性もあった。さらに、討伐作戦の際にも抵抗して冒険者の手を落としている。減刑の余地はない」
フラットさんの怪我は、やっぱり田中君の仕業だったけど、まさかクリスさんの欠損までもがそうだとは思わなかった。
正直、庇うことが出来ない。
エアリアさんが鬼の形相をしている。詳細までは知らなかったのだろう。
「エアリアくん、クリスくんの容体はどうだい?優秀な冒険者だったのに残念だが、クリス君が望むなら、新人の育成の為にギルドに迎え入れる事は可能だよ」
ギルマスがエアリアさんに聞く
エアリアさんは僕の方を見る。
クリスさんの手が治っていて本当に良かったと思う。そうでなければ鬼の顔のまま見られていただろう。
僕は頷く
「ここだけの話にして欲しいのですが、クリスの手は完治しています」
「何を言っている?手を落としただろう?昨日包帯を巻いているところを見たが、あれは義手が出来るまでの処置じゃないのか?」
「クオンの治癒魔法で治りました。クリスから聞きましたが、手が腕から生えてきたそうです。一昨日の時点では見るに堪えない状態でしたが、昨日の朝に再度治癒してもらったところ完全に元通りになりました」
「……本当か?」
「はい。神官の祝福でもこうはならないでしょう」
ん?神官の祝福なら同じようなことが出来るんじゃないの?
「神官様の祝福なら欠損でも治せるんじゃないんですか?」
僕はエアリアさんに聞く
「ああ、勘違いしているな。神官の祝福でも確かに欠損を治すことは可能だ。だが、祝福で手が生えてくることはない。切断面がキレイな状態であればくっ付けることが出来るだけだ。新しく生えてくるわけではない。それにくっ付くにはかなりの時間を要する。外れないように固定した状態で、毎日祝福をかけ続けてもらって、少しずつくっ付いていくんだよ」
全然違った。回復魔法はお手軽すぎる。
「そうでしたか…」
「なんでそんなことが出来るんだ?」
ギルマスに聞かれる
「僕達がこの世界に来る時に神から1つずつスキルを貰いました。人によってスキルの種類はバラバラですが、僕のもらったスキルが少し変わっているようですね。自分でも手が生えてくるとは思ってませんでしたよ」
これで僕のもらったスキルは回復魔法だと思うだろう。
流石にスキルは貰ってなくて、代わりにゲームみたいになってるなんてことは言えない。
「そうか」
「すみませんが、これはあまり広めないようにして下さい」
「ああ、わかった。クリスくんの手は義手だということにしておこう。魔工技師が作った義手なら見た目は本物と近いからな。本物のようには動かないが、よく見ない限りはバレないだろう」
「助かります」
クリスさんの手のことも話の流れで誤魔化してくれることになった。ラッキーだ
「話が逸れたが、そういう理由で処刑が決まっている」
「わかりました」
日本の法律と比べて、死人が出ていない事を考えると処刑は厳しい気がするけど、僕に何が出来るわけでもない
その後、ギルマスとエアリアさんに地球の事を他言しない事を条件に話す。
色々と驚いていたが、レベルや魔法、スキルが無いという事に1番驚いていた。
それでどうやって魔物と戦っているのか聞かれたので、そもそも魔物がいないと答えて、冒険者という職業もないと話す。
探検家や冒険家といった肩書きは存在するけど、冒険者とは本質的に意味合いが異なる。
他にも街並みや化学的な事、文化や歴史について、聞かれた事に答えていく。
話しているだけなので、どこまで伝わっているのかは不明だが、結構な時間、地球の事を話していたと思う。
「聞かせてくれてありがとう。これ以上話し込んでいると職員に叱られるからな。また教えてくれて」
「わかりました」
「それから、これは話してもいいのならで大丈夫だが、他にも異世界人はいるのか?」
「はい。僕の知っている限りでは全部で30人がこの世界に転移させられています」
「そうか……。そうなると神の件はどこかでバレるかもな」
「かもしれませんね。みんなには冷静に動いてもらいたいです」
自ら話して回るような事はしないと信じたいけど、田中君みたいに捕まったら、普通に話してしまいそうだな……
「他の者がどこにいるのかは知っているのか?」
「知りませんよ。神は街の側にバラバラに転移させると言っていました。実際に僕もこの街の近くに気づいたらいましたよ。他の大きい街にいるのではと思いますが、誰がどこにいるのかは知りません」
もちろん、ヨツバの事を話したりはしない。信用していると言っても知っている人は少ない方がいいだろう。
僕と一緒にいる時点で怪しいとは思うかもしれないけど、確証は得られないはずだ。
「クオンはこれからどうするつもりだ?急にこの世界に来てしまったということだが、この街で冒険者を続けるのか?」
「いえ、少ししたらこの街を出ようと思っています。行き先は特に決めていませんが、色々と見て回りたいと思ってます」
「そうか…。ギルドとしては離れてほしくはないが、仕方ないな。この街に戻ってくることがあれば、ギルドに寄ってくれ。いつでも歓迎する」
「ありがとうございます。そうさせてもらいます」
僕達はギルマスの部屋を出る
「エアリアさん、今日はありがとうございました」
「私もいい話が聞けて良かったわ。それでいつこの街を出る予定なの?」
「ヨツバとニーナに相談してになりますけど、急いで出る必要はなくなったので10日後くらいですかね」
「わかったわ。その前にニーナちゃんを勧誘しておくわね。君が言うより、私から勧誘した方がいいでしょ?君に頼まれなくても、欲しい人材なのは本当だしね」
「ありがとうございます。お願いします」
しかし話はまだ続くようだ。
「ここからは長としてではなく、私個人として話をしよう。正直、異世界というものをもっと知りたい」
さっきも言っていたけど、個人的に異世界の事を知りたいらしい。冒険者の長をやっているだけあって、こういうことには興味を隠し切れないようだ。
「わかりました。その前に田中君……賊はどうなるんですか?」
僕は覚悟を決めて聞くことにする
「ああ、処刑が決定している。知り合いだったな、だがこれは覆せないから諦めてくれ。さっきの話を聞くと尚更な」
「知り合いと言っても同じ学校だったというだけですので……。それで彼は処刑されるような事をしたんですか?」
思うところがないわけではないけど、僕が不登校だったこともあり田中君との思い出は特にない。
ただ、盗賊だったというだけで処刑されるのならば可哀想だ。
「調べた所、先日馬車を襲った時にも強奪に参加していて、冒険者に大怪我をさせている。治療が間に合わなければ死んでいた可能性もあった。さらに、討伐作戦の際にも抵抗して冒険者の手を落としている。減刑の余地はない」
フラットさんの怪我は、やっぱり田中君の仕業だったけど、まさかクリスさんの欠損までもがそうだとは思わなかった。
正直、庇うことが出来ない。
エアリアさんが鬼の形相をしている。詳細までは知らなかったのだろう。
「エアリアくん、クリスくんの容体はどうだい?優秀な冒険者だったのに残念だが、クリス君が望むなら、新人の育成の為にギルドに迎え入れる事は可能だよ」
ギルマスがエアリアさんに聞く
エアリアさんは僕の方を見る。
クリスさんの手が治っていて本当に良かったと思う。そうでなければ鬼の顔のまま見られていただろう。
僕は頷く
「ここだけの話にして欲しいのですが、クリスの手は完治しています」
「何を言っている?手を落としただろう?昨日包帯を巻いているところを見たが、あれは義手が出来るまでの処置じゃないのか?」
「クオンの治癒魔法で治りました。クリスから聞きましたが、手が腕から生えてきたそうです。一昨日の時点では見るに堪えない状態でしたが、昨日の朝に再度治癒してもらったところ完全に元通りになりました」
「……本当か?」
「はい。神官の祝福でもこうはならないでしょう」
ん?神官の祝福なら同じようなことが出来るんじゃないの?
「神官様の祝福なら欠損でも治せるんじゃないんですか?」
僕はエアリアさんに聞く
「ああ、勘違いしているな。神官の祝福でも確かに欠損を治すことは可能だ。だが、祝福で手が生えてくることはない。切断面がキレイな状態であればくっ付けることが出来るだけだ。新しく生えてくるわけではない。それにくっ付くにはかなりの時間を要する。外れないように固定した状態で、毎日祝福をかけ続けてもらって、少しずつくっ付いていくんだよ」
全然違った。回復魔法はお手軽すぎる。
「そうでしたか…」
「なんでそんなことが出来るんだ?」
ギルマスに聞かれる
「僕達がこの世界に来る時に神から1つずつスキルを貰いました。人によってスキルの種類はバラバラですが、僕のもらったスキルが少し変わっているようですね。自分でも手が生えてくるとは思ってませんでしたよ」
これで僕のもらったスキルは回復魔法だと思うだろう。
流石にスキルは貰ってなくて、代わりにゲームみたいになってるなんてことは言えない。
「そうか」
「すみませんが、これはあまり広めないようにして下さい」
「ああ、わかった。クリスくんの手は義手だということにしておこう。魔工技師が作った義手なら見た目は本物と近いからな。本物のようには動かないが、よく見ない限りはバレないだろう」
「助かります」
クリスさんの手のことも話の流れで誤魔化してくれることになった。ラッキーだ
「話が逸れたが、そういう理由で処刑が決まっている」
「わかりました」
日本の法律と比べて、死人が出ていない事を考えると処刑は厳しい気がするけど、僕に何が出来るわけでもない
その後、ギルマスとエアリアさんに地球の事を他言しない事を条件に話す。
色々と驚いていたが、レベルや魔法、スキルが無いという事に1番驚いていた。
それでどうやって魔物と戦っているのか聞かれたので、そもそも魔物がいないと答えて、冒険者という職業もないと話す。
探検家や冒険家といった肩書きは存在するけど、冒険者とは本質的に意味合いが異なる。
他にも街並みや化学的な事、文化や歴史について、聞かれた事に答えていく。
話しているだけなので、どこまで伝わっているのかは不明だが、結構な時間、地球の事を話していたと思う。
「聞かせてくれてありがとう。これ以上話し込んでいると職員に叱られるからな。また教えてくれて」
「わかりました」
「それから、これは話してもいいのならで大丈夫だが、他にも異世界人はいるのか?」
「はい。僕の知っている限りでは全部で30人がこの世界に転移させられています」
「そうか……。そうなると神の件はどこかでバレるかもな」
「かもしれませんね。みんなには冷静に動いてもらいたいです」
自ら話して回るような事はしないと信じたいけど、田中君みたいに捕まったら、普通に話してしまいそうだな……
「他の者がどこにいるのかは知っているのか?」
「知りませんよ。神は街の側にバラバラに転移させると言っていました。実際に僕もこの街の近くに気づいたらいましたよ。他の大きい街にいるのではと思いますが、誰がどこにいるのかは知りません」
もちろん、ヨツバの事を話したりはしない。信用していると言っても知っている人は少ない方がいいだろう。
僕と一緒にいる時点で怪しいとは思うかもしれないけど、確証は得られないはずだ。
「クオンはこれからどうするつもりだ?急にこの世界に来てしまったということだが、この街で冒険者を続けるのか?」
「いえ、少ししたらこの街を出ようと思っています。行き先は特に決めていませんが、色々と見て回りたいと思ってます」
「そうか…。ギルドとしては離れてほしくはないが、仕方ないな。この街に戻ってくることがあれば、ギルドに寄ってくれ。いつでも歓迎する」
「ありがとうございます。そうさせてもらいます」
僕達はギルマスの部屋を出る
「エアリアさん、今日はありがとうございました」
「私もいい話が聞けて良かったわ。それでいつこの街を出る予定なの?」
「ヨツバとニーナに相談してになりますけど、急いで出る必要はなくなったので10日後くらいですかね」
「わかったわ。その前にニーナちゃんを勧誘しておくわね。君が言うより、私から勧誘した方がいいでしょ?君に頼まれなくても、欲しい人材なのは本当だしね」
「ありがとうございます。お願いします」
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