クラス転移したひきこもり、僕だけシステムがゲームと同じなんですが・・・ログアウトしたら地球に帰れるみたいです

こたろう文庫

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内緒話

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僕は中貝さんと離れてヨツバと話をする。

「ヨツバは中貝さんと一緒に行きたいんだよね?」
僕は確認する

「うん、今のまま放置も出来ない」

「僕は中貝さんが同行するのは構わないと思っているけど、問題が2つあるよね?」

「うん、クオンのスキルのことだよね。……それから鈴原さんと冴木さんの事」

「同行するならスキルの事は話そうと思ってる。話さないと僕が色々と困るからね。でも僕が同級生を殺してることは話すつもりはないよ。元々ヨツバが気づいてしまっただけで、本当はヨツバにも話すつもりはなかったことだからね」

「それは……わかってるよ」

「ヨツバに聞きたいんだけど、僕が中貝さんを連れて行くつもりがないって言ったらどうするつもりだった?」

「わからない。でもいろはちゃんをこのまま放置はしないと思う」

「僕と別れるって選択はないの?」

「わからない。クオンがいろはちゃんと行くのは絶対に嫌だって言って、今のまま放置するって言ったらそうすると思う。でもそんなことは言わないでしょ?少なくても放置はしないと思う。だから、わからない」
ヨツバの僕に対する感情がよくわからないな。
恩人ではあるのかもしれないけど、仲のいい幼馴染と天秤にかけた時に迷う程、何かしたとは思えないんだけど……。

「まあ、ヨツバと行動を共にしているわけだから、ヨツバの幼馴染だっていうなら助けはするよ。ただ、ヨツバは僕が同級生を殺しているのを知ってて、行動しているわけだよね?そんな所に幼馴染の中貝さんを引き入れていいの?」

「もしかしていろはちゃんも殺すつもりなの?」
ヨツバは僕の言うことが信じられないようだ。

「ヨツバは勘違いしているみたいだけど、僕が殺そうとしている候補はクラスメイト全員だよ。中貝さんはもちろん、ヨツバもその内の1人だからね」

「……そうなんだね。怖くて聞けなかったんだけど、なんで私は殺されてないの?別にクオンは私がいなくても困りはしないでしょ?」

「困らないって言ったら語弊がありそうだけど、1人でも確かに問題はないよ。ただ、ヨツバがいることで色々と助かっているとは思っている。ヨツバを殺さないのは、前にも言ったけど僕が殺す人と殺さない人を見極めているからだよ。今のところヨツバは殺さない人の方に入っているから殺していないだけ。何かのきっかけで殺す人の方に入ったら躊躇なく殺すよ」

「理由を教えてくれる気はないんだったよね?」

「そうだね」

「いろはちゃんはどうするつもり?」

「まだ会ったばかりだからなんとも言えないけど、ヨツバがいなかったら多分殺すことになってたかな。ただ、今殺すとヨツバに恨まれそうだからね。迷ってるよ」
正直に答える

「いろはちゃんは殺さないで。お願い」
ヨツバに頼まれる

「約束は出来ないよ。ただ、ヨツバに黙って殺すことはしないって約束するよ。その時には前もって教えるから、止めるつもりなら僕を殺すつもりで立ち塞がればいいよ」

「殺さないとは約束してくれないの?」

「そうだね。守る気がない約束はしたくないかな。その代わりにさっき言ったことはちゃんと守るよ」

「……わかった。元々クオンを止めるつもりでいるんだから、いろはちゃんは私が守るわ」

「それなら中貝さんが一緒に行くことに何も問題はないね。僕が元の世界に帰れるって話は、多分ショックを受けると思うから、そのフォローはヨツバにお願いするよ。中貝さんが一緒に来たいなら、僕は3人になっても構わない。ただ、中貝さんの方に問題があるから、それは中貝さんに聞くことにするよ」

「何かいろはちゃんに問題があるの?」

「少なくてもあの酒場関係で問題はあるね。どっちの問題かは聞かないとわからないから、とりあえず戻ろうか」
よくわかっていないヨツバと中貝さんのところへと戻る。
ヨツバにあそこで説明するのは2度手間なので許して欲しい。

「ごめん、お待たせ」

「内緒話は終わったの?」

「うん。僕は中貝さんのことをよく知らないからね。一緒に行くなら僕の方に色々と問題があるから、それをヨツバに相談してたんだよ。それで僕は中貝さんと一緒でもいいって結論になったけど、中貝さんはどうしたい?」

「誰かに会いたいからあんなことしてて、しかも会えたのが四葉ちゃんなんだから、離れたくはないよ」
やっぱり中貝さんはヨツバと離れたくないようだ。

「一緒に行くなら、聞かないといけないことがあるよ」

「何?」

「あの酒場の人はいい人?それとも悪い人?」

「どういうこと?」

「中貝さんが酒場に食材を売らないって言った時に、どんな対応をする人かって話だよ。あの酒場だけど、中貝さんがいなくなったら経営が傾くよね?すんなりと中貝さんを手放してくれるのかどうかと思ってね」

「店主の人はいい人だと思うよ。部屋もタダで貸してくれてるくらい。それでなんで経営が傾くの?私が来る前に戻るだけじゃないの?」
僕の性格が曲がっているのかもしれないけど、店主が中貝さんを他に取られないように囲い込もうとしていると考えてしまう。

それから、あの酒場の周辺を探しても見つけれなかった理由もわかった。そもそも酒場から出てなかったみたいだ。

「いい人に出会えて良かったね」
ヨツバは疑っていないようだ。やっぱり僕がひねくれてるだけなのかな……

「戻るだけではないよ。ちなみに中貝さんはあの酒場の人とどうやって出会ったの?」

「四葉ちゃん達も知ってるみたいだけど、私のスキルで地球の食材が手に入るの。それを買ってくれるところを探してた時に、あそこの酒場の人が買ってくれたの」
普通は見たことない食材を持ち込まれても買わないよな……。

「よく買ってくれたね」

「試食してもらったからね。トマトを食べてもらったら、他の食材も買ってくれたよ。その時にどこに泊まってるか聞かれたから、宿に泊まってるって言ったら、部屋が空いてるから使っていいって言われたんだよ」

「そうなんだね。それで店が傾く理由だけど、中貝さんがいなくなるってことは、今出してる料理のほとんどは出せなくなる。そうなるとその料理を目的にしてた人は離れていくよね?」

「でもそれって私が来る前に戻るってことじゃないの?」

「実際はそうなんだけど、あの酒場は元々人気がなかったみたいだからね。落差でそれまで来てた人も離れちゃうんじゃないかなって。元々が人気の酒場だったら、今よりは減っても結果的には集客出来たから、以前より増えると思うんだけどね」

「そうなるの?」

「僕がそう思うだけだから、実際どうなるかはわからないよ。中貝さんが友人と再会したから出て行くと言ったら、店主がすごく良い人なら祝福して送り出してくれるかもしれない。でも、中貝さん自身が自分がいなくなることに抵抗があるかなって思ったから言っただけだよ」
後からこの事に気づいたり、この街に戻ってきた時に潰れてたりしてショックを受けないように、僕は話をしている。

「そう言われると、悪いことをしている気がしてきたよ。どうしたらいいのかな?」

「あの酒場の為に中貝さんはここに残る選択をするつもりはないでしょ?だったら割り切るしかないよ」

「……そうだね」
中貝さんは納得はしてなさそうだけど、僕の言っていることを理解はしてくれたようだ

「荷物とかもあると思うし、黙って出て行くのも気がひけるでしょ?いつこの街を出るかはわからないけど、とりあえず明日の昼にここに集合でいいかな?街を出るまであの酒場にいてもいいし、その辺りは中貝さんに任せるよ」

「うん、ありがとね」

僕は少し厳しく言い過ぎたかなと思いつつも、中貝さんを見送った。
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