クラス転移したひきこもり、僕だけシステムがゲームと同じなんですが・・・ログアウトしたら地球に帰れるみたいです

こたろう文庫

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捕まえた賊の中で色々と情報を握っていそうな幹部連中の口は固く、殺せの一点張りで、本当に舌を噛んで死のうとする始末なので、スキルを新しく取得してクロウトが孤児院が潰れるように頼んだことを吐かせた。

捕まえた賊は『不浄の大地』という名の知れた盗賊団の下部組織だった。
『不浄の大地』という名前は僕も聞いたことがある。

元々は、魔王復活を企む邪教徒が金策の為に作った団体だったそうで、大部分は規模が大きいだけの盗賊団に変わってしまっているが、根っこの部分では邪教徒と繋がっているらしい。
そう禁書庫の本に書かれていた。

まあ、そんなことより今はクロウトの弱みを握る為の証拠集めの方が大事だ。

賊側は、クロウトのことを金を落とす上客としており、金がこれからも入り続けるように、孤児院を再建不可能に潰すことはせず、クロウトが納得はするように調整して嫌がらせをしていたそうだ。
その方が長く苦しめられると言って。

証拠も手に入ったので、後は子爵が到着してからでいいだろう。

僕は王都にファストトラベルして、レイハルトさんのところへ行く。

「早かったな。何かトラブルか?」

「魔法都市で不浄の大地の下部組織の賊を捕まえましたので、その報告に来ました。繋がりを追っていけば、大元に辿り着くかもしれません」

「了解した。しかし、あいつらは結束が強いのか口が固い。以前も下部組織と思われる賊のトップを捕まえたが、数ヶ月尋問をし続けても得られた情報はわずかだった」

「僕のスキルで、既に捕まえた賊の幹部からは情報を得ています。大元ではなく、他の拠点がどこにあるかという情報しか持っていませんでしたが、順番に潰していけばいつかは辿り着くかもしれません。口が固い理由ですが、幹部は邪教徒のようで、自分の命よりも魔王復活を望んでいるからみたいです。下っ端は簡単に口は割りましたが、重要な情報は何も持ってませんでした」

「その情報というのは確かなのか?罠という可能性はないか?」

「絶対ということはないですけど、僕のスキルに掛かっているなら、罠ということはありません。拠点の場所はこの地図に印を付けておきました」
レイハルトさんに地図を渡す。

「3ヶ所だな。これを見る限りだと、自身が管理する拠点の近くの情報しか与えられていないのだろうな。とりあえずこの3ヶ所は早急に制圧する」

「それから、ダンノラ伯爵が金を流しているそうです。金を受け取っていたのが話を聞いた幹部ではありませんので、確証はありませんが……」

「大規模な盗賊団が見つからずに規模を拡大し続けているんだ。繋がりのある貴族もいるだろう。こちらで調べておく」

「お願いします。あと、今回の任務は第10騎士団に任せてもらえますか?アルマロスさんに個人的に少し頼みたいことがありますので、その対価として評価のされやすい任務を回したいと思ってます。頼みたいことというのは、以前話した違う世界に関係することです」

「元々団長が得てきた情報だ。それは構わない」

「それでは、アルマロスさんと話をして来ますので、それまで待機でお願いします」

「了解した」

レイハルトさんとの話は一旦終わりにして、次は第10騎士団の宿舎へと向かう。

「あれ、もう戻ってきたの?早くない?」
アルマロスさんの部屋に着く前に委員長に見つかった。

「急用が出来てね。アルマロスさんは部屋にいるかな?」

「いると思うわよ。団長に急用があるの?」

「仕事を回そうかと思ってね。委員長にも関係あることだから一緒に話を聞く?」

「そうさせてもらうわ」

委員長と2人でアルマロスさんの所に行く。

「お久しぶりです。前に仕事を回して欲しいようなことを言っていたので持ってきたんですけど、仕事が溜まっていたりはしませんか?」

「それはありがたい話です。何人かは依頼の為に抜けていますが、人員は空いています。どういった内容でしょうか?」

「不浄の大地の拠点の情報を3ヶ所得ました。情報を持っているであろう幹部を死なせずに捕らえるのが任務の内容になります。拠点は潰してもらいますが、情報を持っていなさそうな下っ端の処理は任せます。捕らえた幹部が情報を話さない場合には、僕が聞き取りをしますので、第1騎士団の方に引き渡してください」

「その情報というのは確かなのですか?」

「僕が聞き取ったので確かだとは思いますが、まだ処刑されずに魔法都市にいますので、突入する前にご自身で確認されてもいいと思います。不浄の大地の大元まで辿り着いて根絶させるのが今回の任務の最終目標ですので、その足掛かりとして、成功すればかなり評価されるのではないですか?」

「正直話がうま過ぎると思います。失礼ですが何を企んでいますか?もしかして、私達を捨て石として考えていますか?」

「そんなことは考えていませんよ。もちろん安全が約束された任務ではありませんが、それはどの任務でも同じことです。ただ、一つ条件はあります」

「やはりそんなにうまい話はないということですか。その条件とはなんでしょうか?」

「この任務を最後に委員長を退団させてください。もう十分貸しは返してもらっているはずです。委員長はお人好しなので、このままではいつまでもズルズルと騎士団に居続けるでしょうから」

「……わかりました。その条件をのみます」
予想通りアルマロスさんはこの条件を飲んだな。
アルマロスさんの騎士団の問題点は委員長がいなかったことではなく、的確に指揮をする人間を配置していなかったということだ。
委員長でないといけないことはない。

「決まりですね。委員長もそういうことだから、ロゼさんに教え忘れていることがあれば、それまでにね」

「そういうことじゃないわよ。勝手に決めないで欲しいわ」

「帰還方法も探さずにずっと騎士の仕事をしてるよね?本当に帰る気があるの?」

「帰る気はあるわよ。私はロゼさんの教育を途中で投げ出したくないだけ」

「言いたくないけど、委員長はロゼさんの成長の妨げになっているよ。優秀過ぎる人が近くにいるというのも辛いものだからね?ましてや、考える暇もなく委員長が指示を出してたら勉強にもならない。委員長はそれでも自分のものに出来るかも知れないけど、普通の人には無理だから」

「それはわかっているわよ。でも、任務の最中は1秒でも早く指示を出す必要があるから、ロゼさんよりも先に私が指示を出せるなら、ロゼさんの指示を待っていることは出来ないの。結果的には問題なかったとしても、もしかしたらその数秒で誰かか命を落としてしまうかもしれないから。だから、任務が終わった後にちゃんと時間をとって反省会をしているわよ。それから、クオン君は私なら出来るようなことを言うけど、近くにいるだけで成長するには限度があるわ。私にも無理よ」

「ちゃんと考えてたんだね。そうとは知らずに失礼なことを言ったのは謝るよ。でも、反省会までやってるならロゼさんが十分実戦で指示を出せるレベルになってるのはわかってるでしょ?僕がロゼさんを試した時はちゃんと指示を出せてたよ。後はアルマロスさんがロゼさんが潰れないように人員配置を考えれば問題ないことだね。まあ、この任務が終わった後も委員長が騎士を続けたいなら、もう僕は止めないよ。アルマロスさんが引き止めるのは無しでお願いします」
正直、これ以上は面倒見切れないな。
これで残るようなら、委員長には自力で帰る方法を見つけてもらおう。
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