262 / 286
愚者
しおりを挟む
「クオン君、何かした?」
勝敗を決定付ける為に手に入れたカードを数える所で、委員長に怖い顔を向けられる。
「どうかしたの?」
「またクオン君が一瞬ブレたわ」
「そんなこと言われても、僕に心当たりはないからなんとも言えないよ」
「……カードをすり替えたのね。私が手に入れたカードの数字がいくつか小さくなっているわ。ダイヤの6を勝ち取ったのはクオン君じゃなかったっけ?」
委員長が獲得したカードの束を確認しつつ、ダイヤの6を僕に見せる。
「僕が言えることは一つだけだよ」
「なに?」
「イカサマは現場を抑えないと負けにはならない。その時を逃したならイカサマだと気付いても諦めないといけない。そうだったよね?」
「……そうだったわね。クオン君はそう言いつつも正々堂々と勝負すると思ってたわ。勝つことが目的なら他にイカサマをせずとも勝てる勝負はいくらでも提案出来たはずだから。クオン君はこれで勝って満足なの?」
「満足しているように見える?」
あまりにも悔しい気持ちを押し殺し、恥だと分かった上で時間を止めるという禁忌を犯したんだ。
満足なんてしているはずがない。
勝負には負けたと認めた上で、汚い方法で試合には勝たせてもらったんだ。
「とても見えないわね。そうまでして勝ちに執着するなんて、クオン君は何をやろうとしているの?」
「それは委員長が勝ったら話すってことだったよね?結果は僕の勝ちだから話す必要はないよ。委員長に何を頼むかだけど、さっき僕の手札がわかった理由を教えてくれる?本当はあれだけじゃないよね?」
心配して言ってくれている委員長を突き放し、説明を聞いてもやはり無理があるとしか思えない謎の真相を白状させる。
「そういう約束だったから従うわ。それで、クオン君の手札がわかった理由よね。さっき言ったことがほとんどではあるけど、あそこまで絞れたのにはもう一つ決定的な理由があるわ。私だけが有利になるわけじゃないからイカサマとは思っていないけど、もしかしたらクオン君はイカサマだと思うかもしれないようなこと」
「イカサマまがいなことはしてたんだね」
そう言ってくれた方が納得は出来る。
「クオン君がはじめに言ってたけど、このトランプの裏面は全く同じに作られていない。模様はないけど、しわがあったり、変色しているところがあるよね?」
「そうだね。でも、委員長にこのトランプを見せるのは初めてだし、それがわかったところで、カードの裏を見ても表が何かはわからないよね?」
「このトランプだけど、職人さんが1枚の紙に全ての札を描いてから切っていると思うの。だから、こうやってカードを順番通り並べて裏向きにすると、しわがきれいに繋がるでしょ?勝負中にこうやって確認することは出来ないけど、例えば私の手札の3と、山札の1番上のカードの裏面が繋がりそうだと気付ければ、次に山札から場に出るカードが3に近い数字だと先にわかる。さっきの勝負に当てはめて言うなら、場にジョーカーが出た時に、私は次のカードが3だと予想出来て、ジョーカーを強いカードを使ってまで取る必要はないとわかるってこと。クオン君が先に裏向きでセットすれば少しだけ強いカードで勝つことも出来るし、ズルいことはしていたわ。質問の答えとして話すなら、頭の中でジグソーパズルをしていたってことになるのかな。パズルが完成すれば、裏面を見るだけで表の数字がわかるようになる」
「本当にそれが答えなの?」
これはカウンティングと同じで、技術として出来るかどうかの問題であり、イカサマではない。
僕も委員長と同じように裏面から表の数字を予想出来れば良かっただけだ。
与えられた条件は同じであり、委員長には出来て、常人の域から出られなかった僕には無理だというそれだけの話。
しかし、これも信じられる話ではない。
「約束だから嘘は吐いていないわ。この世界に来てから、以前にも増して頭の回転が速くなった気がするのよね。小学生の頃の私はこんな真似は出来なかったと思う」
レベルアップした影響か、それとも魂に強い衝撃を受けた影響か、何にせよ委員長はこの世界に来て人をやめたようだ。
「これは?」
裏向きになっているカードを指差す。
「ダイヤの10ね」
ひっくり返すと、委員長の言った通りダイヤの10だった。
「……すごいね。相当運がよくなければ勝てない勝負に、僕は挑んでいたみたいだ。僕の勝ち筋はイカサマするしかなかったってわけだね」
「ゲームとして楽しめなくなるから、手札から選ぶ時にそこはあまり考えないようにしていたわよ。取り返しのつかなくなる可能性のあるジョーカーの時と、最後にクオン君に話しかけた時だけ。クオン君が覚えているかわからないけど、私は出来るだけクオン君よりも先にカードを出すようにしていたわよ」
ゲームバランスを気にしてのことで悪気はないみたいだけど、手加減されていたようだ。
「無事に元の世界に帰れたら、また相手をしてもらっていいかな?今度はちゃんと勝つから」
「もちろんいいわよ。勝つのは私だけどね」
委員長との勝負を終えた翌日、討伐祭の恩賞授与式が行われる。
まずはフランちゃんから民衆に向かって、後日行われる神事の際に使われる捧げ物が、この討伐祭にて多く集まったことへの感謝と労いの言葉が伝えられる。
その後、ルージュさんの進行で授与式は進められ、会場を謁見の間に移してから恩賞を授かることになった人達の名前が呼ばれていく。
謁見の間には、恩賞を授かることになった人達の他に、ルージュさんと兵士に騎士、それから数日後に行われる神事に呼ばれて前乗りしている他国の重鎮の一部がいる。
「モーガン、前に」
「はい」
ルージュさんに名前を呼ばれ、モーガンはガチガチに緊張しながらフランちゃんの前へと進む。
恩賞を受ける者は先に連絡を受けており、皆正装をして並んでいる。
「サンドドレイクを4体討伐し、神様への捧げ物に大きく貢献した功績に対し、恩賞を授けます」
フランちゃんが皆に聞こえるように大きな声を発し、貨幣の入った袋をモーガンに手渡す。
「ありがとうございます」
モーガンは頭を下げたまま袋を受け取り、元の位置に下がる。
渡される物が違うだけで、同じことが並んでいる人の数だけ進められていく。
「第1騎士団団長レイハルト、前へ」
「はっ!」
並んでいる人も残り2人となり、レイハルトさんが呼ばれる。
「ハイドレイクを含む数多くの魔物を討伐した功績に対し、騎士団に恩賞を授けます」
「騎士団を代表してお受け取りします」
「冒険者クオン、前へ」
レイハルトさんが下がり、僕の名前が呼ばれる。
ルージュさんに頼んで、僕の番は最後にしてもらった。
「個人でヒートドラゴン含む多数のドレイク種を討伐した功績に対し恩賞を授けます」
フランちゃんが金貨の入った袋をこちらに差し出す。
「大事な話があるんだ」
僕はフランちゃんにだけ聞こえるように声を抑えて話しかける。
「どうしたんですか?」
フランちゃんに小さい声で聞かれる。
「僕達が今すぐ帰るにはこうするしか道は残ってないんだ。痛いのは一瞬だから─────ごめんね」
ストレージから石を取り出し、そのまま魔力を圧縮させて、フランちゃんの頭に向かって射出した。
勝敗を決定付ける為に手に入れたカードを数える所で、委員長に怖い顔を向けられる。
「どうかしたの?」
「またクオン君が一瞬ブレたわ」
「そんなこと言われても、僕に心当たりはないからなんとも言えないよ」
「……カードをすり替えたのね。私が手に入れたカードの数字がいくつか小さくなっているわ。ダイヤの6を勝ち取ったのはクオン君じゃなかったっけ?」
委員長が獲得したカードの束を確認しつつ、ダイヤの6を僕に見せる。
「僕が言えることは一つだけだよ」
「なに?」
「イカサマは現場を抑えないと負けにはならない。その時を逃したならイカサマだと気付いても諦めないといけない。そうだったよね?」
「……そうだったわね。クオン君はそう言いつつも正々堂々と勝負すると思ってたわ。勝つことが目的なら他にイカサマをせずとも勝てる勝負はいくらでも提案出来たはずだから。クオン君はこれで勝って満足なの?」
「満足しているように見える?」
あまりにも悔しい気持ちを押し殺し、恥だと分かった上で時間を止めるという禁忌を犯したんだ。
満足なんてしているはずがない。
勝負には負けたと認めた上で、汚い方法で試合には勝たせてもらったんだ。
「とても見えないわね。そうまでして勝ちに執着するなんて、クオン君は何をやろうとしているの?」
「それは委員長が勝ったら話すってことだったよね?結果は僕の勝ちだから話す必要はないよ。委員長に何を頼むかだけど、さっき僕の手札がわかった理由を教えてくれる?本当はあれだけじゃないよね?」
心配して言ってくれている委員長を突き放し、説明を聞いてもやはり無理があるとしか思えない謎の真相を白状させる。
「そういう約束だったから従うわ。それで、クオン君の手札がわかった理由よね。さっき言ったことがほとんどではあるけど、あそこまで絞れたのにはもう一つ決定的な理由があるわ。私だけが有利になるわけじゃないからイカサマとは思っていないけど、もしかしたらクオン君はイカサマだと思うかもしれないようなこと」
「イカサマまがいなことはしてたんだね」
そう言ってくれた方が納得は出来る。
「クオン君がはじめに言ってたけど、このトランプの裏面は全く同じに作られていない。模様はないけど、しわがあったり、変色しているところがあるよね?」
「そうだね。でも、委員長にこのトランプを見せるのは初めてだし、それがわかったところで、カードの裏を見ても表が何かはわからないよね?」
「このトランプだけど、職人さんが1枚の紙に全ての札を描いてから切っていると思うの。だから、こうやってカードを順番通り並べて裏向きにすると、しわがきれいに繋がるでしょ?勝負中にこうやって確認することは出来ないけど、例えば私の手札の3と、山札の1番上のカードの裏面が繋がりそうだと気付ければ、次に山札から場に出るカードが3に近い数字だと先にわかる。さっきの勝負に当てはめて言うなら、場にジョーカーが出た時に、私は次のカードが3だと予想出来て、ジョーカーを強いカードを使ってまで取る必要はないとわかるってこと。クオン君が先に裏向きでセットすれば少しだけ強いカードで勝つことも出来るし、ズルいことはしていたわ。質問の答えとして話すなら、頭の中でジグソーパズルをしていたってことになるのかな。パズルが完成すれば、裏面を見るだけで表の数字がわかるようになる」
「本当にそれが答えなの?」
これはカウンティングと同じで、技術として出来るかどうかの問題であり、イカサマではない。
僕も委員長と同じように裏面から表の数字を予想出来れば良かっただけだ。
与えられた条件は同じであり、委員長には出来て、常人の域から出られなかった僕には無理だというそれだけの話。
しかし、これも信じられる話ではない。
「約束だから嘘は吐いていないわ。この世界に来てから、以前にも増して頭の回転が速くなった気がするのよね。小学生の頃の私はこんな真似は出来なかったと思う」
レベルアップした影響か、それとも魂に強い衝撃を受けた影響か、何にせよ委員長はこの世界に来て人をやめたようだ。
「これは?」
裏向きになっているカードを指差す。
「ダイヤの10ね」
ひっくり返すと、委員長の言った通りダイヤの10だった。
「……すごいね。相当運がよくなければ勝てない勝負に、僕は挑んでいたみたいだ。僕の勝ち筋はイカサマするしかなかったってわけだね」
「ゲームとして楽しめなくなるから、手札から選ぶ時にそこはあまり考えないようにしていたわよ。取り返しのつかなくなる可能性のあるジョーカーの時と、最後にクオン君に話しかけた時だけ。クオン君が覚えているかわからないけど、私は出来るだけクオン君よりも先にカードを出すようにしていたわよ」
ゲームバランスを気にしてのことで悪気はないみたいだけど、手加減されていたようだ。
「無事に元の世界に帰れたら、また相手をしてもらっていいかな?今度はちゃんと勝つから」
「もちろんいいわよ。勝つのは私だけどね」
委員長との勝負を終えた翌日、討伐祭の恩賞授与式が行われる。
まずはフランちゃんから民衆に向かって、後日行われる神事の際に使われる捧げ物が、この討伐祭にて多く集まったことへの感謝と労いの言葉が伝えられる。
その後、ルージュさんの進行で授与式は進められ、会場を謁見の間に移してから恩賞を授かることになった人達の名前が呼ばれていく。
謁見の間には、恩賞を授かることになった人達の他に、ルージュさんと兵士に騎士、それから数日後に行われる神事に呼ばれて前乗りしている他国の重鎮の一部がいる。
「モーガン、前に」
「はい」
ルージュさんに名前を呼ばれ、モーガンはガチガチに緊張しながらフランちゃんの前へと進む。
恩賞を受ける者は先に連絡を受けており、皆正装をして並んでいる。
「サンドドレイクを4体討伐し、神様への捧げ物に大きく貢献した功績に対し、恩賞を授けます」
フランちゃんが皆に聞こえるように大きな声を発し、貨幣の入った袋をモーガンに手渡す。
「ありがとうございます」
モーガンは頭を下げたまま袋を受け取り、元の位置に下がる。
渡される物が違うだけで、同じことが並んでいる人の数だけ進められていく。
「第1騎士団団長レイハルト、前へ」
「はっ!」
並んでいる人も残り2人となり、レイハルトさんが呼ばれる。
「ハイドレイクを含む数多くの魔物を討伐した功績に対し、騎士団に恩賞を授けます」
「騎士団を代表してお受け取りします」
「冒険者クオン、前へ」
レイハルトさんが下がり、僕の名前が呼ばれる。
ルージュさんに頼んで、僕の番は最後にしてもらった。
「個人でヒートドラゴン含む多数のドレイク種を討伐した功績に対し恩賞を授けます」
フランちゃんが金貨の入った袋をこちらに差し出す。
「大事な話があるんだ」
僕はフランちゃんにだけ聞こえるように声を抑えて話しかける。
「どうしたんですか?」
フランちゃんに小さい声で聞かれる。
「僕達が今すぐ帰るにはこうするしか道は残ってないんだ。痛いのは一瞬だから─────ごめんね」
ストレージから石を取り出し、そのまま魔力を圧縮させて、フランちゃんの頭に向かって射出した。
1
あなたにおすすめの小説
追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。
無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる