イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)

こたろう文庫

文字の大きさ
135 / 201

帰省

しおりを挟む
生まれ育った村の近くまでやってきた。

村の中は騒ついている。
馬車が来たからだ。
しかもフランベルグ家から借りた馬車には、家紋まで入っている。

貴族が来たのだと騒ついているのだ。

税の徴収を除き、この村に貴族関係者が来ることは珍しい。
僕が覚えているのは2回だけだ。

1つは盗賊に食料等を奪われたから補給させて欲しいというもので、もう1つは馬車が故障して動けなくなったので、迎えが来るまで滞在させて欲しいというものだ。

どちらもトラブルによるもので、この村に用があるわけではなかった。
貴族の申し出を断ることは出来ないので、村長がその時は代表して対応し、村にある貴重な食料を集めて提供していたけど、村にとって悪いことばかりではない。

謝礼を貰ったからだ。
相手にもよるだろうけど、僕の覚えている2つの時は、後日謝礼として食料が村に届けられた。

もちろん謝礼があるかはわからないし、貴族にも悪い人がいるのは村の人も理解している。
そもそも貴族を騙った悪人かもしれない。

そういうこともあり、良くも悪くも貴族関係の馬車がやってくると村は騒つくのだ。

村の前で馬車を一度止める。
村長が走ってきたからだ。

「村長のスルグと申します。本日はどういったご用件でしょうか?」
村長が御者台にいるお姉ちゃんに聞く。

家紋のある馬車に乗っているからか、子供だからと対応を変えることはないようだ。

村長はお姉ちゃんだということには気づいてないのかな?

「村長さん、お久しぶりです。エレナです。弟のエルクと帰省で来ました。この馬車はフランベルグ家からの厚意で借りているだけなので、以前のように接してください。後で改めて挨拶に行きます」
お姉ちゃんが答える。
僕も馬車から顔を出して挨拶する。

「エレナちゃんか。大きくなってて気づかなんだ。エレナちゃんが王都に行ってから……2年くらいじゃったか?エルク君も元気そうで何よりじゃ」
村長は僕達のことを覚えていてくれたようだ。

小さい村ではあるけど、覚えていてくれたのは嬉しい。

また後で挨拶に行くので、村長とは軽く話だけして家に帰る。

騒ついていたからか、お母さんとお父さんは家の外に出ていた。

「お母さん、お父さん、ただいま」
「ただいま」

2人でお母さんに抱きつく。

「おかえり。無事に帰ってきてくれて嬉しいわ。手紙の事もだけど、あの馬車の事も教えて欲しいわ」
お母さんは頭を撫でてくれながら、少し困った顔で言った。

「僕もお母さんに話したい事が沢山あるよ」

「楽しみね。畑の収穫だけしてくるから、中で休んでて。疲れたでしょ?」

「僕も手伝うよ」
「私も」

「すぐに終わるから大丈夫よ」

「……そうなの?それじゃあ先に村長さんの所に挨拶してくるね」

「わかったわ。気をつけてね」

僕はお姉ちゃんと馬車で村長の家へと向かう。

「村長さん、改めましてお久しぶりです」
村長の家を訪ねて、挨拶する。

「2人とも連れて行かれてしまって心配じゃったが、元気そうで安心した。今は学院は休みなのかの?」

「休みです。冬前の休みは短いので明後日に戻る予定です」

「それだけしか居られないのか。寂しくなるのう。村におると世情に疎くなる。外のこと教えてもらえるじゃろうか?」

僕達は村長に王都の事を話す。
内容は世間話のようなことばかりだ。

「フランベルグ家に馬車を借りたと言っておったじゃろ?あれはどうしたんじゃ?」

僕は村長にローザの事を説明する。
先日、街が襲撃されたことも説明したけど、馬車自体は元から貸してもらえる話になっていたと話す。

「物騒じゃのう。2人が無事で良かったが、領主様が狙われたとなれば継承権絡みかのう。内乱になって儂らにまで招集が掛からなければよいが……」
徴兵されたら断ることは出来ない。
逃げるなら家を捨てて今の領主が所有する領地から離れなければならない。
冒険者や商人なら可能かもしれないが、農民には無理である。

「……馬車に食料を積んできたので、多くはないけど村の人に分けて下さい」
重い空気を変えるように、お姉ちゃんが積荷の話をする。

村長のところに来た目的のメインは食料を渡すことだ。

アイテムボックスに入っていたので、積んだのはさっきだけど……

「気を使わせてすまないな。今年はあまり収穫出来なんだから皆喜ぶじゃろう」

「育ちが悪かったんですか?」

「動物が畑を荒らしに何度も来てな。魔物じゃないだけマシじゃったが、それでもかなりの量をやられてしまったわい。冬を越せない者も出るかと思っておったが、2人のおかげでなんとかなりそうじゃ」
動物が何度も来るってことは、森で動物が食べ物を確保出来ない状態になっているのかな?

「それは何よりです。私達はそろそろ帰りますね。積荷はどうしたらいいですか?」

「家の前にそのまま馬車を置いておいてくれれば、村の者に降ろさせよう。食料じゃから皆喜んでやってくれるはずじゃ。馬車は降ろし終わり次第届けさせる」

「わかりました」

僕は村長の家を出てお姉ちゃんと歩いて帰る。
お姉ちゃんにはよく散歩に連れて行ってもらっていたので懐かしい気持ちになる。

「「ただいま」」
家に着いたら、お母さん達も畑から戻ってきていた。

「おかえりなさい。もう少しでご飯が出来るからね」

「うん。村長さんが畑を動物に荒らされたって言ってたけど、うちは大丈夫だったの?」

「うちの畑は荒らされてないわ。何度か荒らしには来たけど、諦めて帰っていったみたいよ。エルクが作ってくれた塀のおかげね」

「塀が役に立ったんだね。作っておいてよかったよ」
うちの畑の周りは僕が前に作った塀に囲まれている。塀の上にはネットを掛けてあるので鳥も侵入出来ないはずだ。

「話してる間に出来たわ。持っていって。食べながら色々と教えてちょうだい」

「うん」

ご飯を食べながら、家族で話をする。
王都で食べるご飯の方がもちろん豪華だけど、家族揃って食べるご飯の方が美味しく感じる。
懐かしい味がする。

「何があったか色々と聞かせて欲しいけど、先に爵位をもらったって話を聞いていいかしら。それと家の話もね」

僕は両親に説明する。
勇者のことは秘密にしないといけないので、国が探し求めていた装備をたまたま見つけたと話した。
断ったらダメらしいので、仕方なく準男爵になってしまったと話す。

「それで、褒美で家と土地をもらったんだ。手紙でも書いたけどお母さん達も王都で暮らせるように。やっぱり離れて暮らすのは寂しいから、一緒に王都に帰ろう」
手紙に書きはしたけど、返事はまだ聞いていない。

「いつ村を出るの?」

「明後日だよ」

「それなら一緒に行くことは出来ないわね……」

「えっ……」
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~

Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」 病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。 気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた! これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。 だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。 皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。 その結果、 うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。 慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。 「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。 僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに! 行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。 そんな僕が、ついに魔法学園へ入学! 当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート! しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。 魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。 この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――! 勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる! 腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

【運命鑑定】で拾った訳あり美少女たち、SSS級に覚醒させたら俺への好感度がカンスト!? ~追放軍師、最強パーティ(全員嫁候補)と甘々ライフ~

月城 友麻
ファンタジー
『お前みたいな無能、最初から要らなかった』 恋人に裏切られ、仲間に陥れられ、家族に見捨てられた。 戦闘力ゼロの鑑定士レオンは、ある日全てを失った――――。 だが、絶望の底で覚醒したのは――未来が視える神スキル【運命鑑定】 導かれるまま向かった路地裏で出会ったのは、世界に見捨てられた四人の少女たち。 「……あんたも、どうせ私を利用するんでしょ」 「誰も本当の私なんて見てくれない」 「私の力は……人を傷つけるだけ」 「ボクは、誰かの『商品』なんかじゃない」 傷だらけで、誰にも才能を認められず、絶望していた彼女たち。 しかしレオンの【運命鑑定】は見抜いていた。 ――彼女たちの潜在能力は、全員SSS級。 「君たちを、大陸最強にプロデュースする」 「「「「……はぁ!?」」」」 落ちこぼれ軍師と、訳あり美少女たちの逆転劇が始まる。 俺を捨てた奴らが土下座してきても――もう遅い。 ◆爽快ざまぁ×美少女育成×成り上がりファンタジー、ここに開幕!

異世界転生旅日記〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
 農家の四男に転生したルイ。   そんなルイは、五歳の高熱を出した闘病中に、前世の記憶を思い出し、ステータスを見れることに気付き、自分の能力を自覚した。  農家の四男には未来はないと、家族に隠れて金策を開始する。  十歳の時に行われたスキル鑑定の儀で、スキル【生活魔法 Lv.∞】と【鑑定 Lv.3】を授かったが、親父に「家の役には立たない」と、家を追い出される。   家を追い出されるきっかけとなった【生活魔法】だが、転生あるある?の思わぬ展開を迎えることになる。   ルイの安寧の地を求めた旅が、今始まる! 見切り発車。不定期更新。 カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...