イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)

こたろう文庫

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ハンナに連れられて家の中に入り、ガキを対面に座らせる。

「俺達は悪いことをする為に来たわけじゃない。お婆さんとはちょっとした食い違いがあっただけだ。名前は?」
外でハンナが暴れていた音は聞こえているだろうから、まずは仲直りしたということで話を始める。
表情から険悪なままだということはバレバレだろうが、表向きだけでもだ。

「……コテツ」
コテツは警戒したまま答える。
警戒というより恐怖に近いかもしれない。

「コテツだな。さっき何をしたか教えてくれるか?」

「お、お兄さん達がどんな人か見ようとしました」

「どうやったのか教えてもらえるか?」
あの感覚には覚えはあるが、コテツにそれらしきスキルはないのは鑑定を使えばわかる。

「どうやってって聞かれても、気付いたら出来るようになってたからわからないよ」

「聞き方を変えようか。あの魔物達とはどうやって仲良くなったんだ?」

「それはお婆ちゃんが……」

「嘘は聞きたくないな」

「…………人に限らず魔物でも何を考えているかを知ることが出来て、僕が何を考えているのか伝えることが出来るんだよ……ます」
コテツがハンナの方を見てから答える。

さっき俺の考えをこいつが勝手に見ようとした時、契約で魂のつながりを作った時と似た感覚を感じた。
こいつは一時的にでも一方的に魂を繋げることが出来る可能性がある。

「それを俺も出来るようになりたい。やり方を教えることは出来るか?」

「僕にもなんでこんなことが出来るのかわからないから教えられません」

「そうか。邪魔したな。渡し忘れていたが手土産だ」
嘘を言っている様子はないので、買っておいた手土産を置いて外に出る。

「子供の方が対象だったとは気付かず申し訳ありませんでした」
外に出た所でルフが頭を下げる。

「繰り返さなければそれでいい。それから何度も謝るな。昔を思い出して気分が悪い」
サラリーマンだった頃、無能な上司に使えない後輩の尻拭いで毎日のように頭を下げていた。
こいつにそんな気はないだろうが、頭を下げている姿を見るだけで意味もなく頭を下げていたあの頃ことを思い出す。

「かしこまりました」

「謝罪ではなく結果で示せ。許せないことをお前がしでかしたなら、謝罪の有無に関わらずお前の首を切り落とす。お前の首が繋がっている間は許されていると捉えて構わない。お前がやらかしてしまったと思うなら、それ以上に俺の役に立つように頭を働かせろ。いいな?」

「承知しました」

「よし、予定とは大分異なるが決めていた予定は済んだ。俺は帝都で手駒を鍛えつつ魔術の習得に力を入れる。お前は引き続きネットワークの拡大と情報収集だ。天使の確保も忘れるな。他を全て後回しにしてもいい。見つけたなら必ず確保しろ」

「承知しました。お気をつけて」

「お前もな」

ルフとは別れて、帝都へと飛んで向かう。
話し相手もおらず、速度を合わせる必要もないので移動は早い方がいい。

帝都に着いた俺は、食料を買い込んだ後近くの森に入る。
この森は最近立ち入り禁止区域となった。
原因は俺だ。
魔術を実用的にする為、ここに隠れて発動の練習をしていたが、少しやり過ぎたようでAランク指定以上の魔物が棲みついたと判断されてしまった。

討伐隊を組まれても面倒なので、結界を張ってこの森には俺の関係者しか入れないようにさせてもらった。

「調子はどうだ?」
小屋の前にいたカムイに声を掛ける。

「師匠!長旅お疲れ様です。おかげで以前より格段に魔力量が増えました」
カムイには気絶耐性と魔力タンクのスキルを与えて、ひたすら火魔法を使うように言っておいた。

「そうか。俺は修行の為に小屋に籠る。お前を弟子にした時の約束は覚えているな?」

「身の回りの世話と魔物の捕獲です」

「任せた。一応言っておくが何をしているのか詮索するなよ」

「わかっています」

「ルイナはどうした?」
もう1人の弟子の姿が見えない。

「魔力切れで向こうで休んでます」

「様子はどうだ?戦闘スタイルは固まったか?」

「色々と試していましたが、自身の身体を強化して戦うことにしたみたいです」

「無難なところに落ち着いたか。ルイナにはやってもらわなければならないことがある。連れて来てくれ」

「わかりました」

カムイが走って行き、小屋の中で待っているとルイナを連れて戻ってくる。

「お師匠様、お帰りなさい」

「調子はどうだ?アレは身体に馴染んだか?」

「大分制御出来るようになりました」

「そうか。俺の方は予定とは異なるがやることは終わった。訓練を手伝ってくれ」

「任せてください」

「あの、師匠。失礼は承知で聞かせてください」
訓練用の部屋にルイナと入ろうとした所でカムイに聞かれる。

「なんだ?」

「ルイナは特別なのでしょうか?」

「ルイナは特別だ。いや、特別になったと言った方が正しいかもしれないな」

「師匠がルイナを連れて来た時はまだ俺の方が強かった。あれからまだあまり日は経っていないのに、俺はルイナの足元にも及ばない」
ルイナには俺の秘密をカムイよりも深いところまで教えている。
成長に差があるのは当然だが、それを知らないカムイは悔しいのだろう。

「ルイナと比べるのはやめろ。ルイナは人の歩む道から足を踏み外している。お前はアイスドラゴンを倒すのが目標だと言っていたな。既に対峙出来る程度にはなっている。経験さえあれば討伐も可能だろう。ルイナのように強くなりたいと言うのであれば、お前も人の道から外れてもらう。その覚悟があるなら家族に別れを言ってお前もここに住め」

「ルイナにはその覚悟があるということですか?」

「私はお師匠様の為ならなんでもやります!」
カムイは俺に聞いたはずだが、ルイナが答える。

「そういうことだ。一つ誤解がないように言っておくが、ルイナは俺と出会ってから人の道を外れたわけじゃない。人の道から既に外れているところを俺が拾っただけだ。お前と違って家族は生きておらず友人もいない。生に執着はしていたが、生きる目的もなく、この世界に対して憎悪を抱いていた。だから俺の秘密を教えて面倒を見ることにした。答えを急ぐつもりはない。よく考えてから答えを出せ」

「わかりました」

「ルイナに何があったのか俺から話すつもりはない。気になるなら本人から聞け」

ルイナは両親から酷い虐待を受けていたが、両親は周りには良い父と母を演じていた。
ある日、ルイナは我慢の限界を超えて理性を失い、両親を刺し殺した。
ルイナは正気に戻った後、村長に虐待されていたことを話した後、両親を殺してしまったことを伝えたが信じてもらえず、悪魔の子だと言われ火あぶりの刑に処されることになり、ルイナは理不尽な人生に絶望し、憤りを覚えた。
そこに偶然通り掛かった俺がルイナを拾って弟子として育てることにしたという、なんともつまらない話で、兄弟子だからという理由では軽々しく話すことの出来ない話だ。

「ルイナから話そうとしない限り、俺がずかずかと踏み込むつもりはありません。……覚悟を決めたならルイナやロックのように俺もなれますか?」

「お前次第だが、世界を敵に回しても問題ない程度には強くなれる。俺みたいなイレギュラーと敵対しなければな」

「よく考えてから返事します」

「それがいい。飯を作ったら今日はもう帰って寝ろ」
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