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視察② 商業ギルド
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冒険者ギルドの人員不足に関しては、現在ここが不安定な地になっているのが原因だ。
ここで活動したいと思う国になれば、他の街に拠点を置いている冒険者の人達がここに拠点を移してくれるかもしれない。
ギルドの状況だけで考えれば、通常より報酬の高いおいしい依頼が溢れているのだから。
ただ、この国に住みたいと思わせるには時間が掛かる。
一朝一夜で出来ることではないので、長い目で信頼を培っていこう。
それまではギルドに迷惑を掛けることになるので、何か考えないといけないな。
冒険者ギルドの抱えている問題を聞けたので、次は商業ギルドへと向かう。
商業ギルドは冒険者ギルドと違い、騒がしい程に賑わっていた。
「そちらに並んでお待ち下さい」
入り口に立っていたら、職員の女性に並ぶように言われる。
「こちらのギルドマスターに用があるんですが……」
何かの申請に来たわけではないので、受付には用がないと思い、用があるのはマスターだと伝える。
「マスターは現在お客様と会談中です」
暇じゃないようだ。
「紙とペン持ってる?」
僕はシトリーに聞く。
自分の収納には入っていないからだ。
「どうぞ」
シトリーから紙とペンを受け取り、明日の2の鐘が鳴る頃に城まで来てもらう旨と、来られない場合は来られる日を教えてほしいと書く。
冒険者ギルドのギルマスは遣いを出せば城まで来てくれると言っていた。
急ぎの用があるわけではないので、明日顔合わせすればいいだろう。
「では、これをマスターに渡しておいてください」
僕は女性に用件を書いた紙を渡す。
「かしこまりました」
「マオ様、よかったのですか?」
シトリーに聞かれる。
「急ぎの用はないからいいんだよ」
「では次は路地裏に行きますか?」
「いや、少し列に並んでいる人に話を聞こうか。予想はつくけど、一応理由をね」
「わかりました」
「すみません、少しいいですか?」
僕は暇そうに列に並んでいる人に話しかける。
「なんだね?」
「今日は何しにギルドに来られたんですか?」
「城を建てているという話を耳に入れて、私の商店で扱っている装飾品を売りに来たんだ」
「どんな物ですか?」
「色々とあるが、敷物が多いな。ここでは出せないが、良いものだと自負しているよ」
「城に直接持ち込んだらダメなんですか?」
「商業ギルドを通さないといけないそうなんだ。なのでこうして並んでいるわけだな」
「そうなんですね。知りませんでした。他の街でもそれは同じなんですか?」
「いや、他にも同じようにやっているところが無いわけではないが、基本的には商売は自由だ」
「他の街だったら、商業ギルドに寄ってなかったってことですか?」
「寄らなくてもいいが、私の場合は登録のために立ち寄る。ギルドが所有している土地を借りることが出来たり、商品を欲しがっている相手を斡旋してくれたりするからな。その分ギルドに売上の一部を支払うわけだが、その分の価値はあると思っている。私の場合は高い商品が多いから、そこの地に住んでいるお貴族様を紹介してくれるのはありがたい」
「そうなんですね。教えてくれてありがとうございます」
僕はお礼を言って別れて、次は列に並ばずに座って落ち込んでいる男性に声を掛けることにする。
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
「何があったんですか?」
「……店を出す許可が下りなかっただけだ」
少しやさぐれた感じがある。
「理由を聞いてもいいですか?」
「服飾屋はもうこの街にあるからだそうだ。確かに既にあるが、あそこは高い。俺はもっと街の人が手を出しやすい金額で売るつもりなんだが、許可を出してくれない」
「許可を出さずに店を出したらダメなんですか?」
「法で禁止されているわけではないが……それをやるとギルドが雇った連中が店を潰そうとしてくるらしい。だから実質的に禁止されているのと変わらない」
ここの商業ギルドはチンピラを雇っているのか?
「店を出せずに、収入はどうしているんですか?ちゃんと生活出来ていますか?」
「家を回って服を買わないか聞いて回っている。買ってくれる人はいるから、なんとか生活は出来ているが、嫁と子供には苦労を掛けている。服なんて欲しいと思った時に買いに行くものだからな」
「そうですか。店を出す許可は下りそうですか?」
「無理だろうな。品物さえ見てくれなかった。店を出すのではなく、今ある服飾屋に買い取ってもらえと言われたよ。だからこの街の物価は高いんだ」
なるほど、商業ギルドの問題は色々とわかった。
「……どうするんですか?買い取ってもらうんですか?」
「悩んでいるところだ。自分で店を開きたいが、この街ではそれが叶わない。店を諦めるか、長年過ごしたこの街を離れるか……」
「……この街は王国じゃなくなって、他の人が建国するらしいです。良くしてくれるかもしれませんよ」
「だといいんだけどな。正直期待出来ないな」
僕は期待されていないようだ。
何もしていないのに、期待されている方がおかしいけど……
「なんでですか?」
「王国内で揉めている所に横から入って、建国するような奴が王になるんだ。自分のことしか考えていないやつか、頭のおかしい奇人に決まっている」
辛辣な意見を頂いてしまった。
「でも、攻めた時に死者は出さなかったらしいですよ。悪い人ではないかもしれません」
僕は自分で自分を擁護する。
「どうせそれもなにか理由があるんだろう。税を集める為とか、力を誇示する為とかな」
この人がやさぐれてしまっているから聞く耳を持たないのか、それ程までに彼の中で僕の評価はどん底まで落ちているのか……。
多分心が沈んでいるから、良くなるイメージが出てこないのだろう。
「今後この街がどうなるかはわからないので、少しだけ待ってみたらどうですか?街を出るにしても今すぐじゃないといけないことはないんじゃないですか?」
「……そうかもな」
「今、商品の服は持ってますか?ちょうどこの後服を買いに行く予定だったので、何かの縁です。良ければ売ってください」
「あ、ああ。ありがとう。ここだと目立つから外に出ようか」
「わかりました」
僕達は男性と外に出て、商業ギルドから少し離れる。
「男性用と女性用、どちらを買いに来たんだ?」
「僕と彼女のを数着ずつ、似合うのを選んでもらえますか?」
「少し待ってくれ…………似合いそうなのはこのあたりだな」
「選んでもらっていいかな。自分のもね」
男物と女物を5着ずつ出してくれたので、シトリーに選んでもらう。
「これがお似合いだと思います。それから……これです」
「それじゃあその2つにするよ。シトリーはどれにするの?」
「……ではこの2着にします」
「4着で銀貨1枚と大銅貨6枚だがいいか?」
「大丈夫だよ。確かに安いけど、その割には質が良さそうだね。一応どれがいくらか聞いてもいい?」
「毎度あり。こっちの2着は大銅貨5枚で、こっちの2着は大銅貨3枚だ」
女物が5枚で男物が3枚だ。
「選ばなかったやつも同じ価格かな?」
「もちろんだ」
「どうやってるのかはわからないけど、色違いや柄違いの同じものだから安く作れるってこと?」
「その通りだ」
「他にもこうやって売ってる人っているの?」
「俺はこの街しか知らないからわからないな」
ハラルドの街にもなかったから、多くはないのだろう。
店を出したら売れそうなのにな……
「そっか。店を出したら売れそうだ。ここのギルドは見る目がないんだな」
「嬉しいことを言ってくれる。ありがとうな。少しだけ元気が出たよ」
「また買いたいから、良かったらどこに住んでるか聞いてもいいかな?」
僕はシトリーにまた紙とペンを借りて、住んでいる場所をメモってから、彼と別れる。
商業ギルドは問題大有りだ。
ルマンダさんとフェレスさんは知ってるのかな?
ここで活動したいと思う国になれば、他の街に拠点を置いている冒険者の人達がここに拠点を移してくれるかもしれない。
ギルドの状況だけで考えれば、通常より報酬の高いおいしい依頼が溢れているのだから。
ただ、この国に住みたいと思わせるには時間が掛かる。
一朝一夜で出来ることではないので、長い目で信頼を培っていこう。
それまではギルドに迷惑を掛けることになるので、何か考えないといけないな。
冒険者ギルドの抱えている問題を聞けたので、次は商業ギルドへと向かう。
商業ギルドは冒険者ギルドと違い、騒がしい程に賑わっていた。
「そちらに並んでお待ち下さい」
入り口に立っていたら、職員の女性に並ぶように言われる。
「こちらのギルドマスターに用があるんですが……」
何かの申請に来たわけではないので、受付には用がないと思い、用があるのはマスターだと伝える。
「マスターは現在お客様と会談中です」
暇じゃないようだ。
「紙とペン持ってる?」
僕はシトリーに聞く。
自分の収納には入っていないからだ。
「どうぞ」
シトリーから紙とペンを受け取り、明日の2の鐘が鳴る頃に城まで来てもらう旨と、来られない場合は来られる日を教えてほしいと書く。
冒険者ギルドのギルマスは遣いを出せば城まで来てくれると言っていた。
急ぎの用があるわけではないので、明日顔合わせすればいいだろう。
「では、これをマスターに渡しておいてください」
僕は女性に用件を書いた紙を渡す。
「かしこまりました」
「マオ様、よかったのですか?」
シトリーに聞かれる。
「急ぎの用はないからいいんだよ」
「では次は路地裏に行きますか?」
「いや、少し列に並んでいる人に話を聞こうか。予想はつくけど、一応理由をね」
「わかりました」
「すみません、少しいいですか?」
僕は暇そうに列に並んでいる人に話しかける。
「なんだね?」
「今日は何しにギルドに来られたんですか?」
「城を建てているという話を耳に入れて、私の商店で扱っている装飾品を売りに来たんだ」
「どんな物ですか?」
「色々とあるが、敷物が多いな。ここでは出せないが、良いものだと自負しているよ」
「城に直接持ち込んだらダメなんですか?」
「商業ギルドを通さないといけないそうなんだ。なのでこうして並んでいるわけだな」
「そうなんですね。知りませんでした。他の街でもそれは同じなんですか?」
「いや、他にも同じようにやっているところが無いわけではないが、基本的には商売は自由だ」
「他の街だったら、商業ギルドに寄ってなかったってことですか?」
「寄らなくてもいいが、私の場合は登録のために立ち寄る。ギルドが所有している土地を借りることが出来たり、商品を欲しがっている相手を斡旋してくれたりするからな。その分ギルドに売上の一部を支払うわけだが、その分の価値はあると思っている。私の場合は高い商品が多いから、そこの地に住んでいるお貴族様を紹介してくれるのはありがたい」
「そうなんですね。教えてくれてありがとうございます」
僕はお礼を言って別れて、次は列に並ばずに座って落ち込んでいる男性に声を掛けることにする。
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ」
「何があったんですか?」
「……店を出す許可が下りなかっただけだ」
少しやさぐれた感じがある。
「理由を聞いてもいいですか?」
「服飾屋はもうこの街にあるからだそうだ。確かに既にあるが、あそこは高い。俺はもっと街の人が手を出しやすい金額で売るつもりなんだが、許可を出してくれない」
「許可を出さずに店を出したらダメなんですか?」
「法で禁止されているわけではないが……それをやるとギルドが雇った連中が店を潰そうとしてくるらしい。だから実質的に禁止されているのと変わらない」
ここの商業ギルドはチンピラを雇っているのか?
「店を出せずに、収入はどうしているんですか?ちゃんと生活出来ていますか?」
「家を回って服を買わないか聞いて回っている。買ってくれる人はいるから、なんとか生活は出来ているが、嫁と子供には苦労を掛けている。服なんて欲しいと思った時に買いに行くものだからな」
「そうですか。店を出す許可は下りそうですか?」
「無理だろうな。品物さえ見てくれなかった。店を出すのではなく、今ある服飾屋に買い取ってもらえと言われたよ。だからこの街の物価は高いんだ」
なるほど、商業ギルドの問題は色々とわかった。
「……どうするんですか?買い取ってもらうんですか?」
「悩んでいるところだ。自分で店を開きたいが、この街ではそれが叶わない。店を諦めるか、長年過ごしたこの街を離れるか……」
「……この街は王国じゃなくなって、他の人が建国するらしいです。良くしてくれるかもしれませんよ」
「だといいんだけどな。正直期待出来ないな」
僕は期待されていないようだ。
何もしていないのに、期待されている方がおかしいけど……
「なんでですか?」
「王国内で揉めている所に横から入って、建国するような奴が王になるんだ。自分のことしか考えていないやつか、頭のおかしい奇人に決まっている」
辛辣な意見を頂いてしまった。
「でも、攻めた時に死者は出さなかったらしいですよ。悪い人ではないかもしれません」
僕は自分で自分を擁護する。
「どうせそれもなにか理由があるんだろう。税を集める為とか、力を誇示する為とかな」
この人がやさぐれてしまっているから聞く耳を持たないのか、それ程までに彼の中で僕の評価はどん底まで落ちているのか……。
多分心が沈んでいるから、良くなるイメージが出てこないのだろう。
「今後この街がどうなるかはわからないので、少しだけ待ってみたらどうですか?街を出るにしても今すぐじゃないといけないことはないんじゃないですか?」
「……そうかもな」
「今、商品の服は持ってますか?ちょうどこの後服を買いに行く予定だったので、何かの縁です。良ければ売ってください」
「あ、ああ。ありがとう。ここだと目立つから外に出ようか」
「わかりました」
僕達は男性と外に出て、商業ギルドから少し離れる。
「男性用と女性用、どちらを買いに来たんだ?」
「僕と彼女のを数着ずつ、似合うのを選んでもらえますか?」
「少し待ってくれ…………似合いそうなのはこのあたりだな」
「選んでもらっていいかな。自分のもね」
男物と女物を5着ずつ出してくれたので、シトリーに選んでもらう。
「これがお似合いだと思います。それから……これです」
「それじゃあその2つにするよ。シトリーはどれにするの?」
「……ではこの2着にします」
「4着で銀貨1枚と大銅貨6枚だがいいか?」
「大丈夫だよ。確かに安いけど、その割には質が良さそうだね。一応どれがいくらか聞いてもいい?」
「毎度あり。こっちの2着は大銅貨5枚で、こっちの2着は大銅貨3枚だ」
女物が5枚で男物が3枚だ。
「選ばなかったやつも同じ価格かな?」
「もちろんだ」
「どうやってるのかはわからないけど、色違いや柄違いの同じものだから安く作れるってこと?」
「その通りだ」
「他にもこうやって売ってる人っているの?」
「俺はこの街しか知らないからわからないな」
ハラルドの街にもなかったから、多くはないのだろう。
店を出したら売れそうなのにな……
「そっか。店を出したら売れそうだ。ここのギルドは見る目がないんだな」
「嬉しいことを言ってくれる。ありがとうな。少しだけ元気が出たよ」
「また買いたいから、良かったらどこに住んでるか聞いてもいいかな?」
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