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最終話 夕立ち
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私はここ数ヶ月、景色は全てモノクロで食べ物は味がしなかった。
と思ったけどそんな事は無かった。
よく歌詞とかで聴くからそんな風になるんだ…と少し楽しみにしていたのに。
だからこそハルト先輩が手紙を残してこの街を去った事を鮮明に覚えている。
大学の帰り道、歩道橋から見た綺麗な夕焼け。後で見せようと撮った写真。
駅前のパン屋で、2人で食べようと思って買ったクロワッサンのバターの香り。
その日は朝から先輩を見かけなかった。
メッセージも返ってこなかったので心配したけど、飲み過ぎか仮病だろと思っていた。
いつも通り先輩の家に着き、ポストの裏に手を伸ばす。鍵のひんやりとした感触の代わりに無地の便箋が貼られていた。
私は頭は良くないけど、なんか全部察しちゃった。
そこには今まで見た事が無い、新しい詩。
そして『ありがとう、好きだったよ』の文字。
紙の端は少しボロボロになっていた。
きっと、ハルト先輩は泣き虫だから
慣れた街とか、私の事とか考えてたら泣けちゃったんだろうな。
「ふふっ、ダサ可愛い」
私は自分でもびっくりするぐらい泣いてた。
私は写真を撮らなくなっていた。何も浮かばないし、何にもそそられなかった。
先輩が居ないなら、その写真に私は意味を見出せなかった。
日々減るフォロワー、毎日届くDMでの心配と楽しみにしていますってメッセージ。
どうでもよかった。
先輩がここに居ないなら、私に意味は無い。
え?私には彼氏がいるじゃん?って
居ないよ!最初からそんなの!
嘘だよ!先輩すぐ信じちゃうから面白くて辞めれなかったんだ!
カミングアウトする前に居なくなっちゃったけどね!はは!
1人で芝居をする。虚しさが募る。
私は先輩が好きだった。
同じぐらい先輩の作る詩や、曲が好きだった。
私は、先輩の好意には気付いていた。
けど付き合う事で先輩が変わる事は耐えられなかった。
先輩はいじらしい。
私が架空の彼氏の話をすれば露骨に拗ねて、機嫌を悪くした。
その時描いてた詩は『僕ならそんな思いさせないよ』みたいな感じだった。
知ってる。
先輩がボカす様に、誰かを想う歌を聴くのが好きだった。
それは私だから。
そんな私を想えばこそ生まれる曲を、
私は隣で聞いていたかった。
最後まで素直じゃ無い人だったなぁ。
ルーズリーフに綴る言葉だけは正直なのに。
私にはツンとしていた。
また明日も隣で見たいなぁ。
でも、もうバイバイだね。
あの日から更新を止めていたSNSに、
あの日の夕焼けを載せる。
先輩と過ごした日々の決別の為に。
写真を撮る私は先輩と共にある為に。
写真をアップしてふぅとため息をつくと、夕立に見舞われた。
「私は運が悪いんだ」
なんてね!と、一人で笑いながら鞄から折り畳み傘を出す。
と思ったけどそんな事は無かった。
よく歌詞とかで聴くからそんな風になるんだ…と少し楽しみにしていたのに。
だからこそハルト先輩が手紙を残してこの街を去った事を鮮明に覚えている。
大学の帰り道、歩道橋から見た綺麗な夕焼け。後で見せようと撮った写真。
駅前のパン屋で、2人で食べようと思って買ったクロワッサンのバターの香り。
その日は朝から先輩を見かけなかった。
メッセージも返ってこなかったので心配したけど、飲み過ぎか仮病だろと思っていた。
いつも通り先輩の家に着き、ポストの裏に手を伸ばす。鍵のひんやりとした感触の代わりに無地の便箋が貼られていた。
私は頭は良くないけど、なんか全部察しちゃった。
そこには今まで見た事が無い、新しい詩。
そして『ありがとう、好きだったよ』の文字。
紙の端は少しボロボロになっていた。
きっと、ハルト先輩は泣き虫だから
慣れた街とか、私の事とか考えてたら泣けちゃったんだろうな。
「ふふっ、ダサ可愛い」
私は自分でもびっくりするぐらい泣いてた。
私は写真を撮らなくなっていた。何も浮かばないし、何にもそそられなかった。
先輩が居ないなら、その写真に私は意味を見出せなかった。
日々減るフォロワー、毎日届くDMでの心配と楽しみにしていますってメッセージ。
どうでもよかった。
先輩がここに居ないなら、私に意味は無い。
え?私には彼氏がいるじゃん?って
居ないよ!最初からそんなの!
嘘だよ!先輩すぐ信じちゃうから面白くて辞めれなかったんだ!
カミングアウトする前に居なくなっちゃったけどね!はは!
1人で芝居をする。虚しさが募る。
私は先輩が好きだった。
同じぐらい先輩の作る詩や、曲が好きだった。
私は、先輩の好意には気付いていた。
けど付き合う事で先輩が変わる事は耐えられなかった。
先輩はいじらしい。
私が架空の彼氏の話をすれば露骨に拗ねて、機嫌を悪くした。
その時描いてた詩は『僕ならそんな思いさせないよ』みたいな感じだった。
知ってる。
先輩がボカす様に、誰かを想う歌を聴くのが好きだった。
それは私だから。
そんな私を想えばこそ生まれる曲を、
私は隣で聞いていたかった。
最後まで素直じゃ無い人だったなぁ。
ルーズリーフに綴る言葉だけは正直なのに。
私にはツンとしていた。
また明日も隣で見たいなぁ。
でも、もうバイバイだね。
あの日から更新を止めていたSNSに、
あの日の夕焼けを載せる。
先輩と過ごした日々の決別の為に。
写真を撮る私は先輩と共にある為に。
写真をアップしてふぅとため息をつくと、夕立に見舞われた。
「私は運が悪いんだ」
なんてね!と、一人で笑いながら鞄から折り畳み傘を出す。
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