11 / 12
別離
しおりを挟む
ハルキと連絡を取らなくなってどれぐらい経っただろう。
でも確かに2人の間に絆はまだあった。
ハルキの写真展は観に行った。
ハルキは僕の歌を体現するかの様な写真を撮り続けていた。
何を思ってか。
けどハルキはここ数日写真をアップしていない様だった。
彼女の写真に応えようと、僕は駅前で弾き語りをしたり、動画のアップの回数を増やした。
ピスケのライブを観たハコで、赤字のライブもした。
運が悪い僕にも、だんだん応援してくれる人が出来た。
音声合成ソフトを使って作曲を始めると、弾き語りと共に伸びていった。
今まで燻っていた思いは全て音楽に乗せた。
隣人からしか貰えなかったエールは、確実に伝播していった。
僕はここでパタリと活動を辞めた。
無価値だった。今の僕が作る音楽には何も意味が無い。
きっと僕が思ってた「何者か」には概ね成っていただろう。
僕は気付いてしまった。
いや、ずっと分かっていた。
僕が綴る詩の多くはハルキに向けたものだった。
ハルキが居なくなってから売れるなんて、あんまりじゃないか。
僕は家具1つ無い部屋で、うずくまって泣きながら最後の曲を書いていた。日も登っていない。
部屋にあるのはギターと、ハルキが額に入れてくれた写真だけ。
その他は玄関からベランダまでハルキに対する恋慕と嫉妬で埋め尽くされていた。
僕は床で書いたルーズリーフに、最後の1行を書き終える。
『ありがとう、好きだったよ』
それを便箋に入れて、ハルキと部屋の鍵のやり取りをしていたポストの裏に貼り付けた。
「じゃあね、ハルキ」
僕は始発に乗り込み、サラリーマンと2日酔いの朝帰りしか居ない電車でここを去った。
でも確かに2人の間に絆はまだあった。
ハルキの写真展は観に行った。
ハルキは僕の歌を体現するかの様な写真を撮り続けていた。
何を思ってか。
けどハルキはここ数日写真をアップしていない様だった。
彼女の写真に応えようと、僕は駅前で弾き語りをしたり、動画のアップの回数を増やした。
ピスケのライブを観たハコで、赤字のライブもした。
運が悪い僕にも、だんだん応援してくれる人が出来た。
音声合成ソフトを使って作曲を始めると、弾き語りと共に伸びていった。
今まで燻っていた思いは全て音楽に乗せた。
隣人からしか貰えなかったエールは、確実に伝播していった。
僕はここでパタリと活動を辞めた。
無価値だった。今の僕が作る音楽には何も意味が無い。
きっと僕が思ってた「何者か」には概ね成っていただろう。
僕は気付いてしまった。
いや、ずっと分かっていた。
僕が綴る詩の多くはハルキに向けたものだった。
ハルキが居なくなってから売れるなんて、あんまりじゃないか。
僕は家具1つ無い部屋で、うずくまって泣きながら最後の曲を書いていた。日も登っていない。
部屋にあるのはギターと、ハルキが額に入れてくれた写真だけ。
その他は玄関からベランダまでハルキに対する恋慕と嫉妬で埋め尽くされていた。
僕は床で書いたルーズリーフに、最後の1行を書き終える。
『ありがとう、好きだったよ』
それを便箋に入れて、ハルキと部屋の鍵のやり取りをしていたポストの裏に貼り付けた。
「じゃあね、ハルキ」
僕は始発に乗り込み、サラリーマンと2日酔いの朝帰りしか居ない電車でここを去った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
痩せたがりの姫言(ひめごと)
エフ=宝泉薫
青春
ヒロインは痩せ姫。
姫自身、あるいは周囲の人たちが密かな本音をつぶやきます。
だから「姫言」と書いてひめごと。
別サイト(カクヨム)で書いている「隠し部屋のシルフィーたち」もテイストが似ているので、混ぜることにしました。
語り手も、語られる対象も、作品ごとに異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる