陰キャな同級生が気になって仕方ない

syouki

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2.5月

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学校にも慣れてきた頃、久しぶりに眼鏡野郎を見かけた。
相変わらずぶかぶかの服で、一人で歩いていた。

「翔、何見てんの?」
「ん?別に」
「あ、あいつ知ってる。いっつも一人なんだよね~」
「ふ~ん。ま、男に興味ないけど」
「だよね~」

そう言って、豊満な胸を俺の腕に押し付けてくる。大学に入ってからさらにセフレが増えた。今隣にいるのもその内の一人だ。

「あ、わりぃ。俺、次講義だから」
「え~さぼろうよ~」
「俺、見た目より真面目なんだよ。じゃあな」
「もう!」

そう、いくらセフレがいようと勉強を疎かにする気は無い。周りには話していないが、これでも特待生だ。有名大学程偏差値は高くないが、それなりの大学だ。キープするにも努力は必要だ。

(あ、またいた)

一度見かけると不思議なもので、また俺の視界に入ってきた。人通りの少ない奥のベンチに座って、お昼を食べているようだ。

(本当に一人でいるんだな)

そんな姿を視界から外し、俺は講義へと向かった。



帰り際、またまた眼鏡野郎を見かけた。今日はやけに見かけるな…。俺の視線に気が付いたのか、こっちを見て走ってきた。なんだ?

「あ、あの!この間はありがとうございました!」

そう言って、ペコリと頭を下げた。

「お礼を言いたかったんだけど、いっつも周りに大勢いるから近寄れなくて…」

目の辺りはわからないが、顔を真っ赤にしてお礼を言ってきた。案外、律儀な奴だな。

「いや、大したことしてないし気にしなくていいよ」
「あ、あの!僕、近藤 蒼生って言います」
「あ~、俺は皆藤 翔。じゃ、俺用事あるから、またな」
「あ、ごめんなさい呼び止めて!さ、さようなら」

そう言って、パタパタと走って行った。

「ま、もう関わることは無いだろ」

眼鏡野郎の後姿にそう呟き、俺は学校を出た。



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