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その13
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秀君とたわいのない話をし、そろそろ飲み物がなくなるころ秀君の後ろから先輩たちがこっちに向かってきた。
「お、榎木こんなとこにいたのか」
「蓮先輩。はい、秀君と少し休憩してました」
「ふ~ん。秀、滑れるようになったのか?」
「・・・ああ、まあ・・」
「秀君、呑み込みが早くて!俺なんかの教えでも、もう滑れるようになりましたよ!」
「へぇ~」
先輩は、秀君の肩に手を置き耳元で何かを囁いた。
「・・・!」
「よし、もう少し滑ったら飯食いに行こぜ~」
「はい。秀君どうする?俺はもう少し滑るけど」
「あ、迷惑じゃなければいっ・・・」
「よ~し、みんなで競争するぞ~!」
「先輩!迷惑になる事は駄目ですよ~!」
俺が止めるのも聞かず、先輩たちはリンクの方へと歩いて行った。
「もう~。とりあえず、俺たちも行こっか」
「あ、はい」
飲み干したカップを捨てて、俺たちもリンクへと向かった。
「先輩達どこかな?」
「少し滑って探しますか?」
「う~ん・・・そうだね。行けそう?」
「あ、大丈夫です」
一緒にリンクへ降りると、秀君はさっきと違ってまっ直ぐに立ち、優雅に滑り出した。
すごい!もうこんなに滑れるなんて、天才なんじゃ!
なんて事を思いながら修君の隣に並び、一緒に先輩達を探す。しかし、さっきより人が増えていてなかなか見つからない。
「どこいったんだろ?」
「向こうも滑ってたら、見つからないかも・・」
「あ・・・そうだよね」
簡単なことに気が付かず、少し恥ずかしかった。その時、ふと視線をリンクの中央に向けると蓮先輩がこっちを見てニヤニヤしている顔が視界に入った。
「いたー!」
滑ってると思ったのに、もしかしてずっと中央から俺達の事見てたの?!
「え?」
俺の声に秀君も中央に目線を向けると、口元が一瞬ゆがんだ。
「なんか腹立ちますね。・・・・無視しましょう」
「え?!」
そう言うと秀君は俺の手を取って、スイスイと人込みを抜けリンクの端に向かいそのままリンクの外に出てしまった。
「しゅ、秀君?!」
「あんな子供レベルのいたずらは無視で良いんです」
秀君は俺の手を取ったまま靴のロッカーの方へ歩き出した。秀君は兄弟だから怒れるんだろうけど、俺にとっては先輩だからそこまで無下には出来ないんだけど・・・。
「・・・あ、すみません。ついカッとなって榎木さんを巻き込んじゃいました・・・」
立ち止まり俺の方に振り返った秀君は、気まずそうな顔で謝ってきた。う、かわいい・・・。
「だ、大丈夫だよ!それより、先輩達待たないと・・・」
「・・・嫌って言ったら?」
「え?」
「冗談です。許す代わりに、お昼奢らせましょう」
「そうだね!」
話していると、先輩達が少し慌ててロッカーへやってきた。
「そんなに怒るなよ秀・・・」
「はぁ?」
「悪かったって・・・」
先輩も秀君には弱いのか、謝りっぱなしだ。
「俺よりも、榎木さんに謝れよ」
「悪かったな、榎木・・・」
「あ、いえ・・・」
「昼飯、兄貴の奢りな。なら許す」
「ああ、好きなもん食えよ」
先輩の言質に、秀君は後ろ手で俺にピースサインンを送ってきた。やったね!
ところで、秀君めっちゃ滑れてなかった???
「お、榎木こんなとこにいたのか」
「蓮先輩。はい、秀君と少し休憩してました」
「ふ~ん。秀、滑れるようになったのか?」
「・・・ああ、まあ・・」
「秀君、呑み込みが早くて!俺なんかの教えでも、もう滑れるようになりましたよ!」
「へぇ~」
先輩は、秀君の肩に手を置き耳元で何かを囁いた。
「・・・!」
「よし、もう少し滑ったら飯食いに行こぜ~」
「はい。秀君どうする?俺はもう少し滑るけど」
「あ、迷惑じゃなければいっ・・・」
「よ~し、みんなで競争するぞ~!」
「先輩!迷惑になる事は駄目ですよ~!」
俺が止めるのも聞かず、先輩たちはリンクの方へと歩いて行った。
「もう~。とりあえず、俺たちも行こっか」
「あ、はい」
飲み干したカップを捨てて、俺たちもリンクへと向かった。
「先輩達どこかな?」
「少し滑って探しますか?」
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「あ、大丈夫です」
一緒にリンクへ降りると、秀君はさっきと違ってまっ直ぐに立ち、優雅に滑り出した。
すごい!もうこんなに滑れるなんて、天才なんじゃ!
なんて事を思いながら修君の隣に並び、一緒に先輩達を探す。しかし、さっきより人が増えていてなかなか見つからない。
「どこいったんだろ?」
「向こうも滑ってたら、見つからないかも・・」
「あ・・・そうだよね」
簡単なことに気が付かず、少し恥ずかしかった。その時、ふと視線をリンクの中央に向けると蓮先輩がこっちを見てニヤニヤしている顔が視界に入った。
「いたー!」
滑ってると思ったのに、もしかしてずっと中央から俺達の事見てたの?!
「え?」
俺の声に秀君も中央に目線を向けると、口元が一瞬ゆがんだ。
「なんか腹立ちますね。・・・・無視しましょう」
「え?!」
そう言うと秀君は俺の手を取って、スイスイと人込みを抜けリンクの端に向かいそのままリンクの外に出てしまった。
「しゅ、秀君?!」
「あんな子供レベルのいたずらは無視で良いんです」
秀君は俺の手を取ったまま靴のロッカーの方へ歩き出した。秀君は兄弟だから怒れるんだろうけど、俺にとっては先輩だからそこまで無下には出来ないんだけど・・・。
「・・・あ、すみません。ついカッとなって榎木さんを巻き込んじゃいました・・・」
立ち止まり俺の方に振り返った秀君は、気まずそうな顔で謝ってきた。う、かわいい・・・。
「だ、大丈夫だよ!それより、先輩達待たないと・・・」
「・・・嫌って言ったら?」
「え?」
「冗談です。許す代わりに、お昼奢らせましょう」
「そうだね!」
話していると、先輩達が少し慌ててロッカーへやってきた。
「そんなに怒るなよ秀・・・」
「はぁ?」
「悪かったって・・・」
先輩も秀君には弱いのか、謝りっぱなしだ。
「俺よりも、榎木さんに謝れよ」
「悪かったな、榎木・・・」
「あ、いえ・・・」
「昼飯、兄貴の奢りな。なら許す」
「ああ、好きなもん食えよ」
先輩の言質に、秀君は後ろ手で俺にピースサインンを送ってきた。やったね!
ところで、秀君めっちゃ滑れてなかった???
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