幼馴染のせいで彼女が出来ません!~カワイイ年下幼馴染はオオカミに成長しました~

syouki

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7.親睦

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解散となり会社を出たところで、中野君が

「良かったら軽くランチでもしない?親睦も兼ねてさ」

と、声を掛けてきた。

「ごめん、私この後約束してて…」
「そっか。齋藤君は?」
「俺は大丈夫」
「じゃ、男二人で行くか」
「そうだね」
「ごめんね…。また誘って。じゃ、明日からよろしくね!」
「「うん、よろしく」」

そう言って、森下さんは駅の方へと向かって行った。

「さて、何食べよっか?」
「ランチのお店は混んでそうだから、ハンバーガーにする?」
「そうだね」

そうして俺達は近くのハンバーガーショップに入り、昼食を取ることにした。

「斎藤君はどこ出身?」
「あ、俺は○○出身なんだ」
「そうなんだ。じゃあ、一人暮らし?」
「の予定だったんだけど、急遽幼馴染と一緒に住むことになって…」
「そうなんだ。あ、もしかして女の子だったりして?」

中野君が、少しニヤッとした顔で問いかけてきた。

「いや、男…」
「そ、そっか…」

何ともいたたまれない雰囲気になってしまった。そりゃあ、俺だって女の子の幼馴染が良かったよ!王道のラブストリーだって出来てたかもしれないよ!けど、現実は天使な顔の男なんだよ…。

「な、中野君はどこ出身?」
「あ、俺は××出身なんだ」
「じゃあ、中野君も一人暮らし?」
「ああ。恋人もいないから淋しい一人暮らしだよ」
「え?以外」
「そうか?あ、同い年だし敬語やめない?後、呼び捨てで良いよ」
「いいよ。俺の事も呼捨てでかまわないよ」
「じゃ、改めてよろしくな齋藤」
「よろしく、中野」

ジュースの紙コップをコツンと合わせ、乾杯の真似事をして。その後も色々な話をしていると、気が付けば1時間ほど経っていた。

「けっこう話し込んじゃったな。そろそろ帰るか」
「そうだな」

ごみを片付け店を出ると、辺りが少し暗くなっていた。

「朝は晴れてたのにな~」
「何か、降りそうだな。駅まで急ぐか」
「だな」

少し速足で駅まで急ぐと、駅に着いたタイミングで雨がぽつぽつと降りだした。

「とりあえずセーフだな」
「ああ。じゃ、俺こっちだから」
「ああ、また明日中野」
「また明日」

改札を抜け、中野と別れると

「ひろ兄!」

と、目に前にスーツ姿の湊が現れた。

「湊?何でここに…」
「へへ、ここがひろ兄に最寄り駅って聞いてたから帰りに寄ってみたんだ。そしたらちょうどひろ兄が改札を入ってきたから」
「そ、そっか…」
「一緒に帰ろう。俺、傘も持ってるよ」
「ああサンキュ」

朝は俺の方が早かったので見ていなかったが、スーツ姿の湊は俺なんかよりも格段にスーツを着こなしていて、さぞかし入学式で注目を集めていたことだろう。現に、今もチラチラと湊を見る女の子達の数の多い事…。

俺は、心の中で盛大な溜息を付きながら湊とホームへと向かった。

まさか、そんな俺達を中野が見ているとも気付かずに…。






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