実家に帰らせていただきます!

syouki

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2.勇者誕生

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――魔王が復活した同刻、村で畑仕事をしている青年の体が光り輝いた。――

「な、なんだー?!」

地面が揺れる中、俺の体はふわりと空中に浮きあがった。

「え?!ちょ、浮いてる~?!」

ジタバタと手足を動かして地面に降りようとするも、逆に体は上へと昇っていく。

「も~何なんだよ~…」

諦めてプカプカと浮いていると、山の向こうが不自然に黒い事に気が付いた。

「雨…でもなさそうだな」

その時、頭の中に凛とした声が響き渡った。

《ジル…私の声が聞こえますか?》

「え?どこから喋ってんだ?てか、何で俺の名前を??」

《ジル、今から私が言うことをよく聞いて。今、この世界に魔王が復活しました》

「ま、魔王だって?!あんなのおとぎ話じゃ無かったのか?」

《そして、あなたはの体にはかつて勇者だった者の血が流れています。ジル、あなたには勇者として魔王を倒してもらいたいのです》

「は~?!俺が勇者の血を引く者で、今から勇者になれって?!いや、無茶ぶりすごいな!」

《ん…んっ…。あなたに勇者としての能力と装備を授けます。時間はありません。必ずや魔王をこの世から葬って下さい。検討を祈ります…》

「え?!ちょっと!!俺承諾してないんですけどー?!」

叫び声が空に響き渡るも返答はなく、代わりに数個の光の珠がこちらに向かってきた。その珠は一つは俺の体内に。その他は、俺の体に触れると防具や剣へと形を変えた。そして、ゆっくりと俺は地面に降ろされた。

「は~…マジか…」

まじまじと体に装着された防具と剣を見る。そして、体の中にさっきまでなかった熱量を感じた。

「何だ…この感じ…?」

自分の手を見ると、ポウっと淡く光り掌から炎が現れた。

「え~~~~?!これって魔法?!俺、魔法が使えるの?!」

その後も色々試してみると、火の他に水と雷も出せた。後、以前怪我した傷も綺麗に治せた。いや、魔法万能だな!なんてウキウキしていると、家の方から俺を呼ぶ声が聞こえた。

「ジルー!何か光ってたけど大丈夫かー?」

親父だ。う~ん、この状況をどう説明するか…。


「そうか…。我が家って勇者の末裔なのか。で、ジルが勇者?」
「そうらしい」
「じゃ、頑張って行ってこい」

おい、軽いな親父。死ぬかもしれないの心配じゃないのかよ。ま、俺も退屈してたし行ってみてもいいかな。

「みんなが聞いたら驚くぞ!さ、今日は早く寝て明日に備えろ」
「そうするよ。あ、母さん弁当作ってくれるかな?」

こうして俺は、翌朝家族に見送られ、魔王退治の旅に出掛けた。

「「「兄ちゃ~ん!お土産買って来てね~!!」」」

弟たちよ、これは旅行じゃないんだぞ。

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