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5.放課後のアクシデント
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午後の授業も終わり、僕は図書委員の当番の為、図書室に向かった。
図書室の鍵を開け、カウンターの中に荷物を置いて受付の準備をする。と、言っても滅多に借りにくる人はいないけどね。
返却BOXに入っていた本を貸出リストと照合して棚に戻す。
(今日は何を読もうかな~)
戻しながらカウンター内で読む本を探す。
(あ、あの本違う棚のだ)
間違った棚に置かれた本を脚立に乗って取ろうと手を伸ばす。
「ん…もう、少し…」
引っ張り出した所でバランスを崩してしまい、後ろに体が傾いた。
「うわっ!」
落ちる!と思ってギュッと目を瞑った。
……あれ?落ちてない?
「危ないよ先輩」
「大丈夫?」
目を開けると、左右からそっくりな美形に支えられいた。
「あ、ありがとう。那都君、風悠君」
攻略対象の1年生の二人は、何故か同じ図書委員で、当番じゃない日でも良く図書室に来ている。
ゆっくりと降ろしてもらうと、二人は僕に怪我がないかペタペタと触って確認している。
「落ちる前に助けてもらったから大丈夫だよ」
「「あっ!」」
「な、何?」
「指…」
「ちょっと擦りむいてる」
本を引き抜くときに擦れたのだろう。少し血が滲んでいた。
「こんなの舐めとけば大丈夫だよ」
そう言うと、那都君が僕の指をペロっと舐めた。
「那都、ずるい」
「早いもの勝ち」
一瞬何が起きたか分からなかったが、我に返って慌てて手を引っ込めた。
「な、な、な、那都君?!」
「先輩が舐めとけば大丈夫って言ったから」
「あ、うん、言ったね…」
「ダメだった?」
「ダメっていうか、そうゆうのは自分でするもので…うっ…」
二人にじ~っと見つめられて、迫力に負けてしまった。
「…ありが、とう…もう大丈夫、だから…ね」
「「本当に?」」
「うん、ホント!」
「「…わかった」」
「じゃ、これ直してカウンターに戻るね」
那都君、風悠君と別れて、本を戻してカウンターに戻ると、カウンターの中に二人が座っていた。
「二人とも当番じゃないよ?」
「うん」
「先輩のお手伝い」
二人とも褒めて欲しいのか、キラキラと期待した目で僕を見ている。
「そっか…。ありがとう」
利用者も居なくてすることもないんだけど、善意には感謝しないとね。
「先輩は、ここ」
指定された場所は、二人の間だった。他に場所も無いので間に座った。すると、二人が密着するように両サイドから寄ってきた。
(う~ん…ちょっと狭い…)
そう思っていると、どこからか「んっ…んっ…」と、声が聞こえてきた。よく見ると、ヒロインが本を取ろうと背伸びをしているのが見えた。
(…あっ!イベント!)
そう思っていると、那都君と風悠君がガタっと立ち上がりヒロインの方に向かった行った。ワクワクしながら見ていると、那都君が声を掛けて、風悠君が踏み台を足元に置いて二人はカウンターに戻って来た。
(あ、あれ?本を取ってあげるんじゃ…)
さっきと同じ、僕の両サイドに座ってギュッと詰めてきた。
「えっと…何話してきたの?」
「上の本取るなら踏み台使ってって」
「で、踏み台足元に置いてきた」
「え?取ってあげなかったの?」
「「だってあの先輩、いっつもああやって高い所の本取ろうとしてるんだもん」」
「…」
ヒロイン、何やってるの~~~!!
図書室の鍵を開け、カウンターの中に荷物を置いて受付の準備をする。と、言っても滅多に借りにくる人はいないけどね。
返却BOXに入っていた本を貸出リストと照合して棚に戻す。
(今日は何を読もうかな~)
戻しながらカウンター内で読む本を探す。
(あ、あの本違う棚のだ)
間違った棚に置かれた本を脚立に乗って取ろうと手を伸ばす。
「ん…もう、少し…」
引っ張り出した所でバランスを崩してしまい、後ろに体が傾いた。
「うわっ!」
落ちる!と思ってギュッと目を瞑った。
……あれ?落ちてない?
「危ないよ先輩」
「大丈夫?」
目を開けると、左右からそっくりな美形に支えられいた。
「あ、ありがとう。那都君、風悠君」
攻略対象の1年生の二人は、何故か同じ図書委員で、当番じゃない日でも良く図書室に来ている。
ゆっくりと降ろしてもらうと、二人は僕に怪我がないかペタペタと触って確認している。
「落ちる前に助けてもらったから大丈夫だよ」
「「あっ!」」
「な、何?」
「指…」
「ちょっと擦りむいてる」
本を引き抜くときに擦れたのだろう。少し血が滲んでいた。
「こんなの舐めとけば大丈夫だよ」
そう言うと、那都君が僕の指をペロっと舐めた。
「那都、ずるい」
「早いもの勝ち」
一瞬何が起きたか分からなかったが、我に返って慌てて手を引っ込めた。
「な、な、な、那都君?!」
「先輩が舐めとけば大丈夫って言ったから」
「あ、うん、言ったね…」
「ダメだった?」
「ダメっていうか、そうゆうのは自分でするもので…うっ…」
二人にじ~っと見つめられて、迫力に負けてしまった。
「…ありが、とう…もう大丈夫、だから…ね」
「「本当に?」」
「うん、ホント!」
「「…わかった」」
「じゃ、これ直してカウンターに戻るね」
那都君、風悠君と別れて、本を戻してカウンターに戻ると、カウンターの中に二人が座っていた。
「二人とも当番じゃないよ?」
「うん」
「先輩のお手伝い」
二人とも褒めて欲しいのか、キラキラと期待した目で僕を見ている。
「そっか…。ありがとう」
利用者も居なくてすることもないんだけど、善意には感謝しないとね。
「先輩は、ここ」
指定された場所は、二人の間だった。他に場所も無いので間に座った。すると、二人が密着するように両サイドから寄ってきた。
(う~ん…ちょっと狭い…)
そう思っていると、どこからか「んっ…んっ…」と、声が聞こえてきた。よく見ると、ヒロインが本を取ろうと背伸びをしているのが見えた。
(…あっ!イベント!)
そう思っていると、那都君と風悠君がガタっと立ち上がりヒロインの方に向かった行った。ワクワクしながら見ていると、那都君が声を掛けて、風悠君が踏み台を足元に置いて二人はカウンターに戻って来た。
(あ、あれ?本を取ってあげるんじゃ…)
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「えっと…何話してきたの?」
「上の本取るなら踏み台使ってって」
「で、踏み台足元に置いてきた」
「え?取ってあげなかったの?」
「「だってあの先輩、いっつもああやって高い所の本取ろうとしてるんだもん」」
「…」
ヒロイン、何やってるの~~~!!
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