腐男子友達と思ってたのは俺だけでした~親友からの溺愛に気付くのが遅すぎた

syouki

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27.恋人の定義

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「樹、ネクタイ締めてあげる」
「これぐらい自分で出来るよ~」
「いいから、貸して?」

快斗の圧に負けてネクタイを渡すと、嬉しそうに俺の首にネクタイを回して綺麗に締めてくれた。

「はい、出来たよ」
「ありがと」

今日は、待ちに待った大学の入学式だ。快斗はダークグレーのスーツにワインレッドのネクタイを締めて前髪を少し上げて後ろに流している。俺は、ライトグレーのスーツにモスグリーンのネクタイだ。髪型は、快斗がサイドを少し流す感じにセットしてくれた。

「じゃ、そろそろ行こうか」
「うん」

俺は先に玄関に行き、新しい革靴を履いた。快斗が、黒のトレンチコートと鞄を持って玄関に来たので、場所を代ろうと立ち上がると、チュッとキスをしてきた。

「か、快斗!」
「行ってきますのキスだよ」
「う~~~」

ニコニコして言われると言い返せない。

「ほ、ほら!早くいくぞ!」
「待ってよ樹」

先に部屋を出てエレベーターに向かいうと、追いついた快斗がそっと手を繋いできた。

「誰もいない時だけこうさせて?」
「うん、いいよ・・・」

俺の返事に快斗がふんわりと笑い、恋人つなぎの手に少し力がこもった。

(恋人なんだ・・・)

改めて実感すると、何だかドキドキしてきた。そっと横目で快斗を見る。

(こんなカッコイイ快斗が俺の恋人・・・!)

エレベーターが一階に着くと、快斗の手が離れた。

「あっ・・・」

離れた手がさみしくて声が出てしまった。が、その途端肩に腕が回された。

「ちょ、快斗?!」
「男同士ならこっちの方が自然じゃない?」

耳元で囁かれて、ウインクされた。・・・やられた。確信犯だ・・・。

(いつか、堂々と手を繋いで歩けたらいいな・・・)

そう思いながら、快斗の手を軽く恒って、あっかんべーをしてやった。


大学に着くと、すでにたくさんの人が集まっていた。

「さすがにすごい人だな~・・・」
「高校とは違うからね」

式が行われるホールへと足を運ぶ途中、ちらちらと女子の視線が快斗へと向けられているのに気付いた。

「樹?どうかした?」
「いや、相変わらずモテモテだなと・・・」
「・・・やきもち?」
「ばっ・・!ち、違うから!」
「樹だけだよ」

快斗は、じゃれるように俺の首に腕を回して耳元でそっとつぶやき、そのままホールへの足を進める。

「・・・俺もだよ」

快斗には聞えないぐらいの小さな声で呟いたのに、回された腕がピクッと反応した。横目で快斗を見ると耳を真っ赤にしていた。
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