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45) 悩み尽きない二人
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俺はロスを倒し一つ山を越えた気分だったが、何か喪失感もあった。
怒りというのは生きていく上で原動力にもなるんだな。
シェルを苦しめたワイルナー家とガウロ商店には一応、復讐を果たした。
ただロスを殺めて俺はまた一つ穢れてしまった。
第一王女の行動も気になるが、今や彼女には多くの監視の目が付いている。
クロにも分裂させて城内の影に潜ませ、側近のエルザの動向も見張らせている。
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イザベラ K グランダ<強欲の魔女> 女
職業レベル 138
属性 基礎 全種
特性スキル *精神・身体異常無効 魅了(時間が経てば解除)
シークレットスキル<悪運>
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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エルザ <アサシン> 女
職業レベル 246
属性 基礎 闇 風
特性スキル *気配遮断 浮遊
シークレットスキル<テレポート>
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【イザベラ&エルザ】この2人に好き勝手させているハインツ王太子は、妹に魅了かけられて頭がイカレてるんじゃないのか。
俺としては手は出せないが注意はしておく。
なぜならイブキが第一王女の姿絵を描き上げたからだ。
イブキ曰く『気持ちが悪い』そうだ。また一波乱ありそうだ。
***
さて、今日から【お仕事プロジェクト】がいよいよ始動した。
準備にはテオも協力したから抜かりはないだろう。
俺はできるだけ口は出さない。危険なら中止する。そういう約束だ。
計画を十分練って大丈夫と確信した彼らを、リオンがカスタル辺境伯に送った。
カスタル領は長い冬をそろそろ終える頃で、スタートには丁度いい季節になった。
外に出るのは久しぶりなので、全員新入生のように緊張して出て行った。
「心配なら初めから手を貸せば良いではないか。」
毎日リオンはスィーツを食べに来て、俺よりも寛いでいる。
お得意様なのでキアラとモアナに手厚くオ.モ.テ.ナ.シされている。
【お仕事プロジェクト】も気になるが残ってる問題はたくさんある。
青狐がコピーを探していること。
レンたちを救って、獣人国を敵に回したのではないかということ。
サラたちは今後も獣人国で保護されて大丈夫なのか。
そろそろ戦乙女とは会うべきか。
それからユカの神木の若木。成長が止まっているとユカが心配している。
ここには精霊が存在しないからだと言う。
当たり前だ、ここはダンジョンだ。
──コアは将来、神木を利用して冒険者たちをダンジョンに誘き寄せるなんて言って、ユカに怒られていた。
ブラックドラゴンの亡骸もどうするか。
コアは売ってしまえと言って 憚らない。鱗1枚でも超高額だからな。
ただのドラゴンなら俺もそうするが、落ちたとはいえ神龍なので粗末に扱うと祟られそうで怖い。
色々と考えながら俺は今、ユカの神木の前に居る。
問題を1つ片付けるべくスキルを試してみようと思った。
「チェンジ ヘンリー パパス(精霊召喚師)<精霊術強化>」
「神木を守る<精霊を召喚>する!」
何か凄い緑の精霊王とか出てこないか期待したが現れなかった。
ただ、多数の小さな光が神木に宿っている。
これはブラックドラゴン討伐時に神木を守っていた光のようだ。
「成功したのか。保留ダンジョンにようこそ精霊さん。」
◆◆◆王太子ハインツ視点
─この国に大賢者がヴァンパイアを伴に訪れていると噂になっている。
子どもの姿で大魔法を扱うらしい。
先日は城に訪れ暗殺者を捕らえ、暗殺ギルドの摘発に貢献してくれた。
気になるのは大賢者がサスペンサー公爵家と懇意にしている事だ。
公爵家はローラング侯爵家とも縁を結び更に権力を拡大していく。
王家に対しても発言力が強くなるだろう。
だが今は静観しよう。王位に就くまでは冷静に見極めよう。
王位の座を脅かす義弟テオドールはまだどこかで生きているのだから。
─そして、妹のイザベラはやはり問題を起こした。
証拠はないが公爵家に降嫁を望んでいたのだ、間違いない。
早く国外に追放しなければ。
今は隣のバングール国に打診中であるが、互いに同盟力を強めたい、きっと受け入れてくれるはずだ。
怒りというのは生きていく上で原動力にもなるんだな。
シェルを苦しめたワイルナー家とガウロ商店には一応、復讐を果たした。
ただロスを殺めて俺はまた一つ穢れてしまった。
第一王女の行動も気になるが、今や彼女には多くの監視の目が付いている。
クロにも分裂させて城内の影に潜ませ、側近のエルザの動向も見張らせている。
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イザベラ K グランダ<強欲の魔女> 女
職業レベル 138
属性 基礎 全種
特性スキル *精神・身体異常無効 魅了(時間が経てば解除)
シークレットスキル<悪運>
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エルザ <アサシン> 女
職業レベル 246
属性 基礎 闇 風
特性スキル *気配遮断 浮遊
シークレットスキル<テレポート>
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【イザベラ&エルザ】この2人に好き勝手させているハインツ王太子は、妹に魅了かけられて頭がイカレてるんじゃないのか。
俺としては手は出せないが注意はしておく。
なぜならイブキが第一王女の姿絵を描き上げたからだ。
イブキ曰く『気持ちが悪い』そうだ。また一波乱ありそうだ。
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さて、今日から【お仕事プロジェクト】がいよいよ始動した。
準備にはテオも協力したから抜かりはないだろう。
俺はできるだけ口は出さない。危険なら中止する。そういう約束だ。
計画を十分練って大丈夫と確信した彼らを、リオンがカスタル辺境伯に送った。
カスタル領は長い冬をそろそろ終える頃で、スタートには丁度いい季節になった。
外に出るのは久しぶりなので、全員新入生のように緊張して出て行った。
「心配なら初めから手を貸せば良いではないか。」
毎日リオンはスィーツを食べに来て、俺よりも寛いでいる。
お得意様なのでキアラとモアナに手厚くオ.モ.テ.ナ.シされている。
【お仕事プロジェクト】も気になるが残ってる問題はたくさんある。
青狐がコピーを探していること。
レンたちを救って、獣人国を敵に回したのではないかということ。
サラたちは今後も獣人国で保護されて大丈夫なのか。
そろそろ戦乙女とは会うべきか。
それからユカの神木の若木。成長が止まっているとユカが心配している。
ここには精霊が存在しないからだと言う。
当たり前だ、ここはダンジョンだ。
──コアは将来、神木を利用して冒険者たちをダンジョンに誘き寄せるなんて言って、ユカに怒られていた。
ブラックドラゴンの亡骸もどうするか。
コアは売ってしまえと言って 憚らない。鱗1枚でも超高額だからな。
ただのドラゴンなら俺もそうするが、落ちたとはいえ神龍なので粗末に扱うと祟られそうで怖い。
色々と考えながら俺は今、ユカの神木の前に居る。
問題を1つ片付けるべくスキルを試してみようと思った。
「チェンジ ヘンリー パパス(精霊召喚師)<精霊術強化>」
「神木を守る<精霊を召喚>する!」
何か凄い緑の精霊王とか出てこないか期待したが現れなかった。
ただ、多数の小さな光が神木に宿っている。
これはブラックドラゴン討伐時に神木を守っていた光のようだ。
「成功したのか。保留ダンジョンにようこそ精霊さん。」
◆◆◆王太子ハインツ視点
─この国に大賢者がヴァンパイアを伴に訪れていると噂になっている。
子どもの姿で大魔法を扱うらしい。
先日は城に訪れ暗殺者を捕らえ、暗殺ギルドの摘発に貢献してくれた。
気になるのは大賢者がサスペンサー公爵家と懇意にしている事だ。
公爵家はローラング侯爵家とも縁を結び更に権力を拡大していく。
王家に対しても発言力が強くなるだろう。
だが今は静観しよう。王位に就くまでは冷静に見極めよう。
王位の座を脅かす義弟テオドールはまだどこかで生きているのだから。
─そして、妹のイザベラはやはり問題を起こした。
証拠はないが公爵家に降嫁を望んでいたのだ、間違いない。
早く国外に追放しなければ。
今は隣のバングール国に打診中であるが、互いに同盟力を強めたい、きっと受け入れてくれるはずだ。
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