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第3章 魔導要塞の攻防
第52話 セラフィーナの絶望
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草原を進むと木立が森に入る。そこから傾斜がきつくなり、高台に出るまでは山登りを続けなければならない。高台まで登り切ると森林が切れ、再び草原地帯に至る。
セラフィーナの記憶では館はそこにあった。あの時の記憶を頼りにひた走る。道中で山中を徘徊するサンドゴーレムと幾度もすれ違った。
恐ろしい──
以前はこんな風ではなかった。このまま進んで本当に良いのだろうか?私は今、自ら死地に向かって走っているのではないか?騎士達と戦いを続け、頃合いを見て撤退すればよかったのではないか?
疑念が、後悔が次々に脳裏をかすめる。だが、もう走り出してしまった。ここまで来たら行くところまで行くしかない。結局彼女は覚悟を決めるしかなかった。この数を一人で相手にするとしたら命がけの戦いになるはずだが、鉢合わせになったゴーレムが、やはりことごとく自分に反応を示さないのは救いだった。
「つ、着いた。」
遂に森が終わり視界が開けた。視界の先には、あの時と変わらず館が見えた。距離が遠く、今の場所からでは詳しい様子はわからない。だが、窓ガラスが割れたりということもなさそうで、館の周りの畑もあれている様子はない。伝説の魔王が畑の手入れをする姿はさすがに想像できない。ならリアムとあの少女は健在ということなのだろうか。ならばあの男が世界征服のような何か良からぬことを企んでいるのか。いずれにしてもよくない結論しか想像できないとセラフィーナは思った。
(以前もリアムはこちらの侵入を事前に把握していた。)セラフィーナはあの時を思い起こす。恐らく島内に魔道具か何か、目の代わりになるものが仕掛けられているのだろう。普通に歩いて行ったら先制攻撃を受けかねない。有効かどうかはわからないが、なるべく身を隠しながら進んだ方が良い。
そう考え、セラフィーナはなるべく木立のあるコースを選択し、匍匐前進で気配を悟られないように慎重に館に向かって距離を詰めていった。根気のいる時間を費やし、何とか無事に館の前まで距離を詰めた。さすがに玄関口の前に立つ度胸はない。裏に勝手口があることを確認し、扉に慎重に近寄る。大規模な魔術を使うようなエネルギーの放射や大気の振動のようなものは感じられなかった。
勝手口の取っ手に手をかける。人はいるのか・・、隙間からのぞき込んでみるがよくわからない。(今更ためらっていても仕方がない。草原では今も仲間たちが戦っている。必要な調査を早く終えて撤退できなければ死人が出る恐れだってあるんだ。)心のうちの恐怖を押さえつけ、セラフィーナはゆっくりとドアを開けた。
「ハァッハァッ」
「!!!────」
ドアを開けた途端、部屋の中から少女の苦しそうな呼吸音が聞こえてきた。セラフィーナは心臓をわしづかみにされるような衝撃を受けた。(あの娘だ。生きていた!だが、苦しそうだ。生贄か、あの魔物を動かす魔術の生贄か何かにされているのか。)最早隠れている場合ではない。ここまで、命惜しさに息をひそめ、ひそめてにじり寄ってきたセラフィーナだったが、いてもたってもいられず一気に部屋に駆けこんだ。
「だ、大丈夫か!?リリカ!!」
「クゥッ、い、逝くぞ!リリカ!ぁあっ!(ドピュッ)」
「んあっ!!ご、ご主人様!ミルクッ♪来てます♡・・・あ、あれ?セラフィーナさん!?ぁンッンッ♪」
キッチンでリアムとリリカは椅子に座り、背面座位の体制でお互いの大事な粘膜を絡ませ、仲良くしているところだった。ちょうどリアムが達したところで痙攣中であり、そのため上に乗っているリリカもリアムのビクビクの振動で身体が上下している。リリカは予期せぬ客であるセラフィーナが入ってきたことに気付いたようだが、リアムの痙攣で胎内がかき回される快感で10秒くらいリアクションが取れなかった。
「はぁはぁ・・・セ、セラフィーナさん。どうしてこんなところに?」
「え、セラフィーナ?」
リリカの身体で前方が遮られ見えなかったリアムも気付き、顔を青ざめさせて反応する。
ゴトリ────
床に何かが落ちた。セラフィーナの持っていた剣だ。
「ちょっ・・・、あの、こ・・・これは。」
「あ、ご主人様。・・・ちいちゃくなっちゃいましたね。」
あまりにもひどいタイミングにいつも冷静なリアムも狼狽が隠せない。リリカはおよそこの場にふさわしくない感想を述べたが、それどころではないのは明らかだ。
「・・・ちょっと死んでくる。」
くるりと回れ右し、うなだれた様子でボソッとそうつぶやき、セラフィーナが部屋を後にしようとした。
「い、いやいやいや、ちょっと待て。落ち着こう!とりあえず落ち着こう!!」
ズボンを引き上げ、シャツをひっかけてリアムが慌てて引き留めに入る。本当は不法侵入者なので、警戒しないといけない相手だが、状況が状況なうえに落ち込みが激しい。とにかくこの場をおさめないといけないと彼も必死だ。
────数分後。
すすり泣きながら、セラフィーナはキッチンの席に着き、差し出された茶をすすっていた。
果たしてこの場を丸く収める方法があるのか。。困り果てつつもリアムは何とか話の切り出し方を思案中だ。彼自身、致している最中を見られてしまい、羞恥心で心中穏やかではないのだが、そんなことを愚痴っている状況ではない。一方で、リリカは泣いているセラフィーナを心配そうに見つめていたが、見られたことについては特に思うところがないようだ。これはこれで、世間の常識を身につけないと今後の生活に支障をきたしそうだ。
────────
ここ数回のシリアス展開をすべて台無しにしてしまい、申し訳ありません。別作品で似たような台無し展開をやって、収拾をつけられず放置してますが、こっちはちゃんと風呂敷をたたみます。
セラフィーナの記憶では館はそこにあった。あの時の記憶を頼りにひた走る。道中で山中を徘徊するサンドゴーレムと幾度もすれ違った。
恐ろしい──
以前はこんな風ではなかった。このまま進んで本当に良いのだろうか?私は今、自ら死地に向かって走っているのではないか?騎士達と戦いを続け、頃合いを見て撤退すればよかったのではないか?
疑念が、後悔が次々に脳裏をかすめる。だが、もう走り出してしまった。ここまで来たら行くところまで行くしかない。結局彼女は覚悟を決めるしかなかった。この数を一人で相手にするとしたら命がけの戦いになるはずだが、鉢合わせになったゴーレムが、やはりことごとく自分に反応を示さないのは救いだった。
「つ、着いた。」
遂に森が終わり視界が開けた。視界の先には、あの時と変わらず館が見えた。距離が遠く、今の場所からでは詳しい様子はわからない。だが、窓ガラスが割れたりということもなさそうで、館の周りの畑もあれている様子はない。伝説の魔王が畑の手入れをする姿はさすがに想像できない。ならリアムとあの少女は健在ということなのだろうか。ならばあの男が世界征服のような何か良からぬことを企んでいるのか。いずれにしてもよくない結論しか想像できないとセラフィーナは思った。
(以前もリアムはこちらの侵入を事前に把握していた。)セラフィーナはあの時を思い起こす。恐らく島内に魔道具か何か、目の代わりになるものが仕掛けられているのだろう。普通に歩いて行ったら先制攻撃を受けかねない。有効かどうかはわからないが、なるべく身を隠しながら進んだ方が良い。
そう考え、セラフィーナはなるべく木立のあるコースを選択し、匍匐前進で気配を悟られないように慎重に館に向かって距離を詰めていった。根気のいる時間を費やし、何とか無事に館の前まで距離を詰めた。さすがに玄関口の前に立つ度胸はない。裏に勝手口があることを確認し、扉に慎重に近寄る。大規模な魔術を使うようなエネルギーの放射や大気の振動のようなものは感じられなかった。
勝手口の取っ手に手をかける。人はいるのか・・、隙間からのぞき込んでみるがよくわからない。(今更ためらっていても仕方がない。草原では今も仲間たちが戦っている。必要な調査を早く終えて撤退できなければ死人が出る恐れだってあるんだ。)心のうちの恐怖を押さえつけ、セラフィーナはゆっくりとドアを開けた。
「ハァッハァッ」
「!!!────」
ドアを開けた途端、部屋の中から少女の苦しそうな呼吸音が聞こえてきた。セラフィーナは心臓をわしづかみにされるような衝撃を受けた。(あの娘だ。生きていた!だが、苦しそうだ。生贄か、あの魔物を動かす魔術の生贄か何かにされているのか。)最早隠れている場合ではない。ここまで、命惜しさに息をひそめ、ひそめてにじり寄ってきたセラフィーナだったが、いてもたってもいられず一気に部屋に駆けこんだ。
「だ、大丈夫か!?リリカ!!」
「クゥッ、い、逝くぞ!リリカ!ぁあっ!(ドピュッ)」
「んあっ!!ご、ご主人様!ミルクッ♪来てます♡・・・あ、あれ?セラフィーナさん!?ぁンッンッ♪」
キッチンでリアムとリリカは椅子に座り、背面座位の体制でお互いの大事な粘膜を絡ませ、仲良くしているところだった。ちょうどリアムが達したところで痙攣中であり、そのため上に乗っているリリカもリアムのビクビクの振動で身体が上下している。リリカは予期せぬ客であるセラフィーナが入ってきたことに気付いたようだが、リアムの痙攣で胎内がかき回される快感で10秒くらいリアクションが取れなかった。
「はぁはぁ・・・セ、セラフィーナさん。どうしてこんなところに?」
「え、セラフィーナ?」
リリカの身体で前方が遮られ見えなかったリアムも気付き、顔を青ざめさせて反応する。
ゴトリ────
床に何かが落ちた。セラフィーナの持っていた剣だ。
「ちょっ・・・、あの、こ・・・これは。」
「あ、ご主人様。・・・ちいちゃくなっちゃいましたね。」
あまりにもひどいタイミングにいつも冷静なリアムも狼狽が隠せない。リリカはおよそこの場にふさわしくない感想を述べたが、それどころではないのは明らかだ。
「・・・ちょっと死んでくる。」
くるりと回れ右し、うなだれた様子でボソッとそうつぶやき、セラフィーナが部屋を後にしようとした。
「い、いやいやいや、ちょっと待て。落ち着こう!とりあえず落ち着こう!!」
ズボンを引き上げ、シャツをひっかけてリアムが慌てて引き留めに入る。本当は不法侵入者なので、警戒しないといけない相手だが、状況が状況なうえに落ち込みが激しい。とにかくこの場をおさめないといけないと彼も必死だ。
────数分後。
すすり泣きながら、セラフィーナはキッチンの席に着き、差し出された茶をすすっていた。
果たしてこの場を丸く収める方法があるのか。。困り果てつつもリアムは何とか話の切り出し方を思案中だ。彼自身、致している最中を見られてしまい、羞恥心で心中穏やかではないのだが、そんなことを愚痴っている状況ではない。一方で、リリカは泣いているセラフィーナを心配そうに見つめていたが、見られたことについては特に思うところがないようだ。これはこれで、世間の常識を身につけないと今後の生活に支障をきたしそうだ。
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ここ数回のシリアス展開をすべて台無しにしてしまい、申し訳ありません。別作品で似たような台無し展開をやって、収拾をつけられず放置してますが、こっちはちゃんと風呂敷をたたみます。
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