12 / 28
12話 遠征は一時帰還よ
しおりを挟む
久しぶりの風景が出た後、すぐに走り出した。まずは草陰に隠れる。
「今ミル軍はどこ?」
「ミスト北部、西部と東部の真ん中です」
「ここは北上部です」
助手が耳に手を当てて言う。
「わかった、じゃあ私はミルを倒しておくから、手下を食い止めるように部下に言っときなさい」
助手は返事をして去っていった。
隠れながら行くか…
透明になる魔法は、900番ね
草陰に隠れながら走っていく。
見つかると無駄にフルを使ってしまうので、なるべく戦闘は避ける。
遠くから声がした。何人もの悲鳴に混ざり、威勢のいい掛け声だ。
ごめんなさい、今は救うことは出来ない。
曇天の空の下、暗い森の中を音を立てずに進む。風が頬をかすめ、その風と共に色々な場所から声が聞こえる。
「ミルはどこ…?」
大きなフルの反応はない、私が強化した所で800万フルだから、10キロ以内にいたら分かるはず…随分遠い。
敵の集団を見つけた。
無駄なフルを使うけど…
透明のまま、背骨が曲がり、灰色の布を纏っている敵に近づく。
変な唸り声を上げながら北部の小さな村を襲っている。
「馬鹿ね、力で民を従える事なんて出来るわけないじゃない…」
足音に気付いた敵が辺りを見渡す。
しかし、透明な姫には気付かない。
敵の1匹の後ろに回り込んだ。
「1198、ブレード」
細く、短い武器を取り出す。無駄な魔力を使ってはいられないので、すぐに倒せる短剣にした。
敵の喉元をかき切る。
黒い液体が流れ出、唸り声が大きくなった。それを聞きつけた仲間の敵が近寄ってくる。
ざっと50体だろうか、20人程生かしておけばいいわね、そう思い、片っ端から喉元を切っていく。何が起こっているのかわからない敵は辺りを見渡しながら声を上げて逃げていく。
10、11、12…逃げる敵も追いつき、前から喉を切る。ブレードの威力は最大までにしているので、1発で殺すことができる。
ヒュッ、という音と共に30体を殺し終える。短剣を地面に捨て、次の魔法を使う。
契法738番、拘束の集団用。
逃げ惑う敵が引きずられながら集まっていく。地面を掴み、抵抗している姿は形はそうでなくとも人間のようだった。
一つに固まり、全員が正座の状態で並ぶ。
彼らは動けないので、何が起こっているかは全くわからない。
私は900番の魔法を解き、羽織っていた布を捨てる。そして歩いて彼らの前に進み出た。彼らはじっとワンピース姿で自分達の前に現れた姫を見つめていた。
それが次の言葉で目を見開いた。
「私はフィレイラミケ、遠征は一時帰還よ」
「今ミル軍はどこ?」
「ミスト北部、西部と東部の真ん中です」
「ここは北上部です」
助手が耳に手を当てて言う。
「わかった、じゃあ私はミルを倒しておくから、手下を食い止めるように部下に言っときなさい」
助手は返事をして去っていった。
隠れながら行くか…
透明になる魔法は、900番ね
草陰に隠れながら走っていく。
見つかると無駄にフルを使ってしまうので、なるべく戦闘は避ける。
遠くから声がした。何人もの悲鳴に混ざり、威勢のいい掛け声だ。
ごめんなさい、今は救うことは出来ない。
曇天の空の下、暗い森の中を音を立てずに進む。風が頬をかすめ、その風と共に色々な場所から声が聞こえる。
「ミルはどこ…?」
大きなフルの反応はない、私が強化した所で800万フルだから、10キロ以内にいたら分かるはず…随分遠い。
敵の集団を見つけた。
無駄なフルを使うけど…
透明のまま、背骨が曲がり、灰色の布を纏っている敵に近づく。
変な唸り声を上げながら北部の小さな村を襲っている。
「馬鹿ね、力で民を従える事なんて出来るわけないじゃない…」
足音に気付いた敵が辺りを見渡す。
しかし、透明な姫には気付かない。
敵の1匹の後ろに回り込んだ。
「1198、ブレード」
細く、短い武器を取り出す。無駄な魔力を使ってはいられないので、すぐに倒せる短剣にした。
敵の喉元をかき切る。
黒い液体が流れ出、唸り声が大きくなった。それを聞きつけた仲間の敵が近寄ってくる。
ざっと50体だろうか、20人程生かしておけばいいわね、そう思い、片っ端から喉元を切っていく。何が起こっているのかわからない敵は辺りを見渡しながら声を上げて逃げていく。
10、11、12…逃げる敵も追いつき、前から喉を切る。ブレードの威力は最大までにしているので、1発で殺すことができる。
ヒュッ、という音と共に30体を殺し終える。短剣を地面に捨て、次の魔法を使う。
契法738番、拘束の集団用。
逃げ惑う敵が引きずられながら集まっていく。地面を掴み、抵抗している姿は形はそうでなくとも人間のようだった。
一つに固まり、全員が正座の状態で並ぶ。
彼らは動けないので、何が起こっているかは全くわからない。
私は900番の魔法を解き、羽織っていた布を捨てる。そして歩いて彼らの前に進み出た。彼らはじっとワンピース姿で自分達の前に現れた姫を見つめていた。
それが次の言葉で目を見開いた。
「私はフィレイラミケ、遠征は一時帰還よ」
0
あなたにおすすめの小説
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる